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夜間放牧

次にここに来る時は、この子達は離乳して、お母さんと離れ離れになるんだなぁとちょっと寂しい気持ちで、最後カーテンを閉めて、家を出た。

速歩が出ない

昨日、途中から愛馬に速歩をさせることができなかった。4年間乗っていて初めてのことだ。私が下手だから、いよいよ言うことを聞いてくれなくなったのかとひどく落ち込み、これからどうすべきなのか、逡巡したが、妙案も浮かばず、思い切って師匠に電話で相談した。

悪化

前日には駈歩まで普通に乗れたことも告げると、思いもしないコメントが返ってきた。「前の日にできて、次の日にできないのは、馬の状態が悪化していると言うことだから、獣医に診てもらった方が良いかもしれない。明日乗って速歩ができれば、それは快方に向かってるから良いが、でもまた出なかったら、悪化したままだから、獣医ですね。」

自分が下手だから、全てはそのせいと思っていたが、馬を管理し育成するプロの視点は、全く違っていたし、私は自分のことしか見えていなかった。

おかしい

今日、実際に愛馬のところに行ってみると、牧場から乗馬公園へ行くのにも、何度も立ち止まる。こんなのも初めてだ。覆馬場に入るのにも3回くらい止まった。私の乗る決意が揺るがないのを見てとって、しぶしぶ動く感じだ。賢いので、無駄な抵抗をしないタイプだから、結局馬場で乗ることはできた。

しかし常歩の速度も遅いし、速歩の合図に全く反応しない。すぐに下りることにした。

つらいのかな

洗い場で水を上げてから、丸馬場(ウッドチップではなく下が砂)で放すと、転がっていた。よかった。少しでも、私からの乗るぞと言うプレッシャーから解き放してあげたかったのだ。

プロの対応

しばらくして洗い場に戻り、手入れをしていると、思いもよらぬ師匠の登場。いつもの調教の服装ではなかったので、何か用事があって、お出掛けの途中に、寄ってくれたのだと思う。時間のない中、お腹のダドゥ音(体内、主に腸の動きの音)を聞き、熱を計り、私に色々と質問。

餌は食べているか、とか、そのほとんどに答えられなかった。ただ痩せて腹帯の穴をもう1つ詰めても大丈夫になったことを伝えると、預かっている牧場に夜間放牧をしているか、確認して、と言われ、早速電話をした。私は知らなかったが、今は夜間放牧をしているとのこと。また牧場の社長さんも、このところ痩せてきたから、餌を増やしたとも仰った。

師匠は、見るからに元気がないし、痩せたのは慣れない夜間放牧で疲れているのだろうが、心臓に問題があることだし、一度診てもらった方が良い、と獣医さんに連絡もしてくださったが、私が東京に戻るため、時間もなく、診察は無理だった。

熱はなかったから、今すぐどうこうと言うことはないが、免疫力が落ちているから、何かに感染しやすく、気をつけないといけない状況とのこと。

牧場の社長さんも、愛馬の状況はよく観察して対処してくださっているから、心配はないが、戻ってきたらまた様子を見て、乗馬ができないほど夜間放牧で体力を消耗しているようなら、夜は馬房に入れてもらうよう話してみた方が良いかもしれないとのアドバイス。

テキパキと、そう状況判断をすると、車に乗り込みながら、またいつでも相談して、とおっしゃってくれた。もう有り難くて、深々とお辞儀をしてしまった。

疲れてたんだね。わかってあげられなくてごめんね。元気でいてね。

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