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ハチのムサシは死んだのさ

キッチンの窓に崩れて張り付いていた蜘蛛の巣を昨日、洗い流したら、今朝になって真新しい巣が出来上がっていた。等間隔でものすごく綺麗に出来上がっている。拍手を送りたい気分だ。蜘蛛の巣って家紋みたいに種とかによってバリエーションはあるのだろうか。(背景で見えるように今日はすごい霧だった。)

珍客

今朝、ゴミを出そうとドアを開けて、思わず叫び声をあげそうになった。鳥が死んでいる。家族がいれば、きゃーっと叫び声をあげたら、誰か反応してくれるだろうが、一人なので、騒いだところで空騒ぎ。ここは1つ冷静になろうと心を決めた。

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クロツグミ

サンルームの窓ガラスに激突したのだろう。クロツグミだ。このままにしておいたら、カラスが食べに来るかもしれないと思って(定かではないが、そんな気がして)、園芸用手袋をはめて持ち上げると、ものすごく軽かった。こんな小さな体から、あんな大きな囀りが聞こえてくるのかと思うと、何だかオペラ歌手を葬る気持ちになった。庭に穴を掘り、土をかけて埋めた。

ループで曲が流れる

以後、ずっと頭の中では「ハチのムサシは死んだのさ」という曲が流れている。クロいツグミは死んだのさ。

古い曲で知らない人が多いと思うが、結構流行った歌だ。

学生運動の歌

しかし、どうしてこんな歌詞の歌が流行ったのだろうと、ネットで調べてしまった。ハチのムサシはまず、ハチの宮本武蔵だそうで、太陽に挑んで、というのは勝ち目のない相手、つまり国だ。国を変えようと挑んだ学生運動の青年を重ね合わせているのだそうだ。学生運動というのは私よりだいぶ上の世代の青春の出来事で、私は生まれてはいたが、知らない世界だ。

みなしごハッチ

流行した背景には、当時「みなしごハッチ」というハチを主人公にしたTVアニメ番組が人気であったことも影響しているという。ハッチは私も観ていた。

動物詩人

なんか、深いんだな、と思った。私のように朝、ドアを開けたらハチが死んでいて、そこで稲妻のようなインスピレーションを感じて詩を書いたのかと思ったら、違ったのね。でも歌詞の元になっている詩は、「動物詩人」内田良平の「ハチのミヤモトムサシは死んだんだ」だと書いてある。もしかしたら、そうだったのかも?

再び

夕方キッチンに立ったら、一番上の写真の蜘蛛の巣の真ん中に大きな蜘蛛がいて、これまたきゃーっと叫びそうになった(今日は一体どんな日なんだ?)。大きい上に、裏からというか、お腹側が見えていて(鬼滅の刃の蜘蛛鬼一家だって、お腹側がリアルに見えていなかったよね?)余計に叫びたくなったが、叫んだところで、誰も助けてはくれないことを再度認識。明日、申し訳ないけど、蜘蛛の巣、撤去しようと思います。お願いだから、別の場所に作っておくれ。



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