見出し画像

【美術】ピーター・ドイグ展

緊急事態宣言解除後少しして、ピーター・ドイグ展に行きましたので記録します。
早めに行っておいて良かった…!

概要

名称 ピーター・ドイグ展
場所 東京国立近代美術館(東京都)
期間 2020.2.26~10.11

前売り券を買って楽しみにしていたのですが、新型コロナウイルスにより延期になっており、諦めていました。会期を延長してくれたおかげでなんとか見てこられました。

こちら、一定の条件下で撮影可能でしたので、いくつか写真を載せます。

モダンアートだけど親しみやすい

私はそもそもピーター・ドイグ氏を知らなかったのですが、スコットランド生まれで、ロンドンとトリニダード・トバゴを拠点とする現代アーティストだそうです。現在61歳でご存命です。

現代アートというと、わけのわからない物体や全然理解できない絵を見させられるイメージがありますが、ドイグさんの絵は、モチーフそのものは人や動物等、私たちが普段よく見るものが多かったです。

その、よく見るモチーフにドイグさん独特の組み合わせや色使い、また参考にしている作品(映画・絵画等)たちのイメージが組み合わされることによって、少し不思議な雰囲気や、不穏なイメージをかきたてられる、魅力のある作品が作られているように思えました。

パンフレットには「なつかしくて、あたらしい」との謳い文句が使われておりました。確かに、よく見るモチーフなんだけど、じっと見いってしまうような作品がたくさんありました。

現代アートというと、見ている者を試してくるというか、「これが理解できるか?」という画家からの挑戦状をもらったような気持ちになるのですが、ピーター・ドイグさんの作品は、素人の鑑賞者でも彼の世界へ優しく導いてくれるようなイメージでした。

大きい絵たち

これもパンフレットに書いてあるのですが、大型の作品がたくさん展示されています。絵が大きいことによって、その世界に染まるというか、ぐっと絵の中に引き込まれるような感覚になり、楽しかったです。絵を「見る」のではなく、絵を「体感する」と言った方が近い鑑賞体験でした。

アーティストの「目」に驚く

今回気に入ったのは、こちらの『スキージャケット』という作品です。

淡い色彩と雪のタッチが幻想的で、見た目にも美しい一枚です。
この絵のヒントになったのは、なんと日本のスキー場の新聞広告なのだそうです。

ピーター・ドイグさんは様々なイメージを組み合わせて作品を描くのだそうです。それにしても、多くの人間が何気なく眺めて終わりの新聞広告から、こんな素敵な絵が創り出されるのかあ…と、いい意味でショックを受けました。アーティストさんは目の付け所が違いますね。

コレクション展での新たな出会い

この企画展のあとに、国立近代美術館のコレクション展も見ておきました。そこでとても素敵な出会いがありました!

小原 古邨(おばら こそん)さんという、明治~昭和に生きた日本画家・浮世絵画家の方です。
浮世絵というと流行ったのは江戸時代で、明治時代は下火になっていましたが、もちろん続けている方はいたわけで、小原さんはその一人です。

小原さんの浮世絵は、色使いがとても素敵でした。コレクション展も一部写真撮影が可能でしたので、撮影したものを掲載します。

見ていただくと、いわゆる浮世絵よりも色がやわらかく、今を生きる人間からしても美しいです。
また、歌川広重や葛飾北斎等の「THE・浮世絵」と比べると線が細く、ぱっと見は版画とわからないような繊細な絵になっていました。
こうして、従来の浮世絵から進化しつつも、大胆な構図なんかは浮世絵そのものであり、これは家に飾りたいなあと思うものがたくさんありました。

この後ミュージアムショップに行ったのですが、お気に入りの絵はことごとくハガキがなく、泣く泣く帰りました…。

久々のアート鑑賞

かなり久々の美術鑑賞になりましたが、楽しかったです。
しばらく東京から足は遠のきそうですが、また何か見に行きたいものです。

ちなみにこのピーター・ドイグ展の音声ガイドは女優・アーティストの「のん」さんが務められました。彼女が展示を見たときの様子が書かれたこちらの記事が、のんさんの視点も垣間見られて興味深かったので、リンクを貼っておきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?