燦々と青

どうしても

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最近の記事

生きているのではなく耐えている

生きているのではなく耐えていると思うことが増えた。耐えている。耐えながら寝て起きて働いて家事をしている。生活をしている。 悲しみはいつも波があって、案外その瞬間は辛くなくても段々と鋭さを増して刺してくる時がある。 「眠ればたまに会える代わりに顎の痛みに目が覚めてしまう」(春一番/yonige) 忘れてもいつか思い出すためならいいよなんて寛大な心はなく、本当はずっと私の事忘れないでどこかで考えていて欲しいのです。 逆剥けをひっぱりすぎて血が滲んだ。虚しさはいつも予感無し

    • 全部が好きだと言えていたら

      失恋しました。 最後まで私の好きになった人は本当に素敵だった。抱きしめられた時の思ったより強い力も、最後に手を繋いでもらったときの感触も、数日間コートに残っていた香りも、全部もう上手く思い出せないけれど、泣いてしまった私を泣きそうな顔で見つめる彼の目だけは絶対に忘れないと思う。 当日待ち合わせ場所で目が合った瞬間から「今日フラれるんだろうな」と確信したこと、実際最後まで何も言われなくてそれに甘んじて帰ろうとした私を引き止めた時の覚悟を決めたような顔、泣きすぎて声が出ない私を

      • 喜怒哀楽とか全部だるい

        サイコロを転がして全部決めたい 今日のご飯も進む道も仕事の方向も結婚する人も私の死に方も 喜怒哀楽とか全部だるいし足のネイルはパンプスに隠れてるし上司はうざいし私は情けない もう、気がついているのかもしれない。どこにも行けないこと、何にもなれないこと、このまま時間が経っていくことを受け止めるしかないこと。 この1ヶ月後、メンタル悪化して事実上の休職になりました。 私は、私はこんなことのために生きていたのか、親に楽をさせてあげたい、大きな家に暮らして欲しい、これは私本意では

        • 防波堤として

          何年か前の笹井宏之賞に応募したものです。このまま眠らせておくのはあまりに私と歌が可哀想だったのでここに置かせてください。 村すらも滅ぼせないのね魔王さま ふたりでしようよ世界征服 人を殺すのはつらいね魔王さま ふたりでしようよ投身自殺 あの花の名前を教えて魔王さま ふたりでいこうよ川の向こうへ 傷ついてばかりだったね魔王さま きっと今度は大丈夫だよ 足元でバタバタうるさい余所の子を蹴飛ばす 覚める 夢でよかった 君だけは何も間違ってなんかない その憎しみもぜんぶた

        生きているのではなく耐えている

          代わりに持ってくれたらいい

          外は寒くて家にいるはずなのに家もなんだかさむい。四角い部屋の隅から手が伸びて私の首をしめてくれたらいい。寝てる間に魂が間違って抜けちゃって、そのまま漂ってくれたらいい。私がやること全部許してくれたらいい。許してくれなくても、認めてくれたらいい。涙を流して布団にくるまっていることしか出来ない時、何を聞かずにどうでもいいままで背中から抱きしめてくれたらいい。乾燥した唇の割れそうな部分を舌でこじ開けてくれたらいい。いつでも死ねると思いたくて握りしめているカフェイン剤を、代わりに持っ

          代わりに持ってくれたらいい

          季節の終わりに過敏になるのやめな

          生きている皆さんこんにちは。 思うことがあればいいなと思い詩集を開いたけどそんな道具みたいに使われるためだけにこの人は言葉を綴っているのではないと思い閉じた。季節の終わりに過敏になるのやめな。来るってわかってるものをあたかも意外でしたみたいな顔で見るのやめな。閉じた詩集の頭から覗くよくわからない個展で貰ったインスタIDが書いてある名刺。あなたの資源は私の栞として役に立っています。どうか安心していてね。 私は何度でも繰り返すけどやっぱり海のそばで死にたいしその為に海のそばの家に

          季節の終わりに過敏になるのやめな

          冷蔵庫にはいつも牛乳があった

          言葉が出ない。比喩じゃなく、言葉が出てこないことが増えた。今これを書きながらも筆が(この場合指?)思うように動かずに休み休みでいる。生きている気も死んでいる気もせず自分のアイデンティティを疑い他人の視線を嫌悪し敏感な聴覚を呪った。牛乳は嫌い。だからうちには牛乳常備なんてされてない。おかあさんがまだ家事をしていて、父親がまだ家に帰ってきて、妹がまだいくつもの人格を持っていなかったころ、冷蔵庫にはいつも牛乳があった。裏口にあたるドアからさした光が冷蔵庫を照らしていて、まだ子供の私

          冷蔵庫にはいつも牛乳があった

          飛び込めなかったものはたくさんあります

          大好きな人の弾き語りに行って生きてきたことを実感しました。好きなアーティストの新曲に泣かないでって言われてぼたぼた涙が出ました。iPhoneを新しく買い換えました。画面が綺麗です。お互い頑張ろうって何度でも言います。 大切な子が辛い時に連絡してくれる相手が私でよかったと思います。あなたが辛い時全てを肯定してあげたいと思っているし、それが伝わっていたような気がしています。 飛び込めなかったものはたくさんあります。海とか線路とか腕とか全部。 殴るような音楽が聞きたいです。本

          飛び込めなかったものはたくさんあります

          大人ってこうじゃなかったって、たぶんあのころの大人も思ってた

          もう二度と好きな曲を他人に教えないし公共交通機関の中でお喋りもしない。 沈んでしまうと起き上がれなくなること、身をもって知ってしまっているから自分の中にある燻りをずっと無かったことにしている。 私はまだつまらないことで大袈裟に笑うし人の恋愛話に興味があるフリもする。乗り換えに間に合うように走ったり、他人のことなんて知らないというふうに街を歩いたりもする。好きなアーティストのライブに当選してまだ日にちはあるのにその日着ていく服を考えたり、旅の思い出をインスタのアーカイブにの

          大人ってこうじゃなかったって、たぶんあのころの大人も思ってた

          無責任な大丈夫なら私はいくらでも言えた

          朝晩は冷え込むようになり、晩夏と呼ぶには相応しい気候になってきたね。 前進も不幸も目論見もすべてを抱えています。足があるうちは歩かなきゃ行けないのだから。 今月初めにみた海のさざ波を抱きしめて乗り越えた1ヶ月でした。いろんな生命の器であるそれに飛び込めば死ねるという安心感。海が好きです。わたしは海になりたい。投げるつもりがない身を落とさないように踏みしめた足はかすかに震えていたし、振り返る友人はうつくしく見えました。広くて遠くてでも寄り添っていてくれるような、生きているよう

          無責任な大丈夫なら私はいくらでも言えた

          降り注ぐ爆弾を避けるための傘を作ろう

          もう全部いいんだよって言ってやさしくわらって、アルコールなんていらないしタバコもいらない、もうすっかり夏だから炭酸が飲みたいねってサイダー買って、エアコンが効いた部屋でまどろんで、ゆめうつつな頭を撫でて、こんな世界が見えぬよう目と耳をふさいでほしい。 みんなに好かれなくてもいいよ。数字が全てなんかじゃないのよ。嬉しかったことは嬉しいと言っていい、悲しかったことは悲しいと言っていいのよ。偏見も差別も言い換えれば凝り固まった歴史なのよ。心から傷ついたと思ったら過剰な正当防衛を一

          降り注ぐ爆弾を避けるための傘を作ろう

          春の木漏れ日が跳ね返る地面が海底だったらよかったのに

          何も悪くないと言って。私は何も悪くないと言ってよ。 自分のことを正当化するのも、本当は弱いくせに気丈に振る舞うことも、悲しいと思っていても辛いと思っていてもそれを隠して笑うことにも疲れてしまった。 もしかして、まだわたしは生きなければいけないのかな 人間としての体を背負うのは私にとって酷く重責であった。大丈夫と思った次の瞬間に沈んでいる。あの主治医が言ったことが忘れられなくて腹立たしくて悲しくて薬をきちんと飲むことをやめてしまった。あんなもの、あんなものに頼らなきゃいけ

          春の木漏れ日が跳ね返る地面が海底だったらよかったのに

          Prose

          前回の短歌を見つけた際に一緒に見つけたものです。18歳から19歳までのもの。供養したいので。 ただうるさいだけのテレビをぼうっと眺める程度には不幸。丸い月がクジラの目玉みたいで、排気ガスで濁った夜空にぼかされた目の縁がこちらを睨んでるようで、私は縮こまってしまった。 言い訳きついよ君 チョークが音を立てて割れる音 先生、私、変わっちゃったのかな 鋭い犬歯が君の唇を傷つけぬよう優しく口付けるのです 1人で歩くと歩き方を忘れそうになる 足と反対の手を出して、一歩、一歩

          21.03.20

          驚いた。世の中何も良くならない。 日記っぽいもの書いちゃおっかな。 知らない番号からの着信音で目を覚ました。気の弱そうな男の声で、○○さんですかと聞かれて違う旨を寝ぼけながら伝えた。うとうとと電話番号を調べたら他県のバーだった。普通に怖いし店なら先に名乗れよって思った。二度寝して次に目を覚ますともう昼の空だった。雨だからか薄暗くて、少し開けた窓から雨粒の香りがした。朝ごはんとして無印のオレンジバウムのチョコがけ?をたべた。私はチョコとオレンジの組み合わせに目がない。足りなく

          嫌いな女のストーリー非表示にしてもわざわざ見ちゃう

          こわいことなんてなにもない!お化けなんてもちろんいないし夜に帰れる家がある!こわいことなんてなにもない!いじめてくる人もいないし美味しい食べ物が食べられる!こわいことなんて本当はなんにもなかったのよ! すこしだけ香る春が冷たい風とミスマッチでまた情緒が狂う音がした。嫌いな女のストーリー非表示にしてもわざわざ見ちゃう。ため続けたレポートを一晩で終わらせようと奮闘する。すれ違う人は少しだけこわいような気がする。おばあちゃんがまた倒れた。おじいちゃんはまだ入院してる。いとこは県外

          嫌いな女のストーリー非表示にしてもわざわざ見ちゃう

          温かいスープを作って

          言葉にできない事だらけだから、言葉にできることはなおさら大切にした方がいい。楽しそうなあの子も笑っているあの子も幸せそうなあの子もみんなみんなみんな泣いてる泣いてるその裏側を考えることが出来ない想像することができない人間さいあくだよ。 今って何年?令和3年。ああ、ああ。時代が変わっていくことと、自分が変わっていくことは同等ではないよ。ただ空がきれいだと心から言えるだけでいいのにね。人が嫌いな人間は接客に向いていると友達から教えてもらった。私は人が嫌いなつもりだったけど、接客

          温かいスープを作って