時代の過渡期にいる大人たち
※書籍『子育てを最高の宝物に』
第3章 <今はまだ10代の君へ> より抜粋(十数回に分けて公開中)
ここから先は親御さんから心ない言動を受けた子どもたちに読んでほしい話です。
僕が経験したことから感じたことや想像で根拠はありませんのでご理解ください。
実証することも不可能ですが、過去の事実を深く掘り下げることは前を向くためにとても大切なことだと思うので考えてみます。
多分僕の両親は、
【自分の気持ちを肯定させてくれない社会に適応しようと努力していた】
と考えています。
子育てをしていく中で厳しい言葉を子供に投げかけるのは、本当なら言いたくないのが本音だと思います。
しかしそれでもそう言った言葉が出てしまう原因は、
・自分の気持ちとは違う結果が返ってくる
・それが当たり前
という社会的な風潮が原因でそういった意識に囚われてしまったり、お互いを支え合える環境がないことによる不満やストレスが原因かもしれません。
「本当はこうしたい」、でもそれが実現できなくて苦しみ、その結果心ない言葉が出てしまったんじゃないかと考えています。
子供を不幸にしたくて育てる親なんてこの世には存在しないはずです。
しかし、それでも不幸が生まれる原因は親御さんそのものではなく、
親御さんが住む近隣の環境や子育てに悪影響を及ぼす状況(社会的な理由も含めて)が存在していて、その影響を親御さんが受けてしまっている可能性はものすごく高いと思っています。
例えば、収入が少なくて食事が存分に食べられない状況になっていたとしても、その収入を補うための方法は行政に問い合わせをすればアドバイスや対処法を教えてもらえるかもしれません。
しかしその情報が親御さんに届いていなかったり調べ方がわからなければ、当然改善することはできません。
例えば、家庭内暴力が起きて子供が辛い状況に置かれていたとしても、その状況を改善する方法を教えてくれる人が周りにいない、もしくは一人で抱え込んでしまって周囲に助けを求められない、といった可能性もあります。
これは近隣住民同士やママ友同士で声をかけやすい環境ができていなかったり、専門知識を有した方からのアドバイスを受けられるような流れ・仕組みがなかったり、または本人に情報が届いていなかったり。
「本人」の問題というよりも周囲の環境や社会のシステムがうまく回っていないことが原因なんだと僕は考えています。
だから、今はまだ学生の皆さんにお願いしたい。
責めるのは、変わることのできない社会環境や教育システムそのものであり、親御さんだけの問題ではないと。
責める気持ちはすごくわかります。
心ない言葉を浴びせられた人もいると思います。
だから怒りや悔しさを感じることもあると思います。
しかし、親御さんもある意味社会や教育の被害者になっている側面があります。
親御さん自身も本当は子供にこんなことを言いたくないと、こんなことをしたくないと心の中ではモヤモヤを抱えながら、でもどうしていいかわからないまま頑張っていると思います。
そしてそのモヤモヤした気持ちが長く続くと徐々にその気持ちに慣れていき、「本当はこうしたい」と思っていてもそれを実現できずに「じゃあこれでいいか」や「しょうがない」と、少しづつ自分の気持ちと折り合いをつけてきた結果、心ない言動で表現してしまっているんじゃないでしょうか。
2021年の現在は、自分の気持ちを肯定できる環境が少しづつ出来上がってきていますが、価値観や考え方はそう簡単には変わりません。
今まで学んできたことや見てきたこと、考えてきたことを急に変えることはまず不可能です。
そしてこれも知っておいてください。
親御さんが学び培ってきたちょっと昔の価値観と、今、そしてこれからの子供たちが持つ価値観が違うんだと言うことを親御さんは頭の片隅では理解していても、それをどう解釈していいかわからなくて毎日悩んでいると言うことを、知っておいてください。
(人によるので全員が全員ではありません)
今はものすごいスピードで時代が動いています。
ルールや概念が数年で変わってしまうくらい速く、今現在は過去の価値感とこれからの価値感が入り混じった過渡期です。
だから混乱する気持ちもわかります。
僕自身も時々「これでいいんだっけ?」と悩む瞬間はたくさんあります。
親御さんなら尚更自分自身の考えと若い子との考えの違いに悩みを感じていると思います。
それでも子供の心配は親なら誰でもしますし親御さんも不安なんだと思います。
子供にどんな声をかければいいのか、どんな態度で振舞えばいいのか、未経験なことばかりで手探りで子育てをしていると思います。
しかし、頑張っています。
必死に子供のために頑張っています。
だから、親御さんや大人だけを責めないでください。
原因は社会システムや教育システムが現代に追いついていないことが最も問題なんです。
そんな中、子供を育てるために必死で頑張っていることを、まずは知ってください。
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