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小説「潜れ!!モグリール治療院~第15話 天使の分け前、悪魔の取り分、残りは全部私のもの~」

冒険の途中で出会って嬉しいものは色々あるけど、どれが一番嬉しいかといえば間違いなく酒場だ。
なんせ死と隣り合わせの冒険の最中は、まず酒をゆっくりと楽しむことなんて出来ないし、せいぜい眠る前にスキレットに仕込んでおいた蒸留酒をちょびっと口に含むくらい。
当然ゆっくりワインを楽しむなんて出来るわけもないし、キンキンに冷えたビールを浴びるように飲むなんて絶対に不可能なのだ。

だから自分の目を疑ったよね。
拠点となる町から遥かに遠く、おまけに人間の踏査がほとんど進んでいない未開の地で、しかも周囲に居住地らしい場所も見当たらず、おまけに地獄のように蒸し暑くて、強烈な日射しと大雨を交互に繰り返して、立ってるだけで頭がおかしくなりそうな泥濘の大地に、ぽつんと1軒赤色ランタンとホウキをぶら提げた酒場が建っているだなんて。
看板には店名らしき名前が書いてあるけど、あいにく私は文字があまり読めない。たぶんきっとすごくおしゃれで記憶に残るような名前に違いない。
間違っても、トラディショナル水パンダ王国マキシマムとか、そんなふざけた名前ではないはず。

「へいへい、やってるー?」

私こと狼毛皮と顔が大変に愛くるしい美少女、ウルフヘズナルのヤミーは、満面の笑顔で酒場の扉を開いてみせた。
仮に人間がひとりもいなくても、笑顔とお肉とお酒は全ての生き物の共通言語だ。これがわからない生き物なんて、生きている価値はない。速攻で駆除するべきと思う。
それが証拠に店内にいる生き物は、比較的人間に近い姿の亜人から、半分獣みたいな獣人まで、みんな笑顔でお酒をぐびぐびと飲み倒している。
「へい、いらっしゃーい!」
カウンターの中では明らかに泥酔した、両手に酒瓶を握ってぐでんぐでんになっている、背中に蝶のような翅を生やした女が、突っ伏した姿勢で顔だけを上げて笑っている。
まさかと思うけど、この女が店主なのかな。一番酔っぱらってるけど。

「ようこそ、居酒屋ぺったんこへ!」
「んん?」
なんて? 居酒屋、なに?

「居酒屋ぺったんこ! この店の名前だよ!」

正直に言って馬鹿みたいな名前だなって思ったけど、私はちゃんとした大人なので、思ったことをすぐ口に出したりしないのだ。
「馬鹿みたいな名前だね」
たまに正直に言ってしまうけど、正直なだけで悪気はないのだ。
大体なんだ、その名前。まるで人の体型をちょっと小馬鹿にしたような名前は。そもそも私は超健康的体型の超健康美少女なのだ、その証拠に風邪とか滅多にひかないし、二日酔いにだって滅多にならないもん。
まったくもう、と内心憤慨しながら椅子に座ると、店主がよっこらしょと呟きながら立ち上がって、全体的に薄っぺらい体型で、氷水の中に突っ込まれてキンキンに冷やされたビールを注ぐ。
なるほど、店主も全体的に薄っぺらい族の者か。そんな一族ないけど。

「じゃあ、狼少女ちゃん。薄っぺらい者同士仲良くしてね、乾杯!」
同じ薄っぺらい者同士でも改めて言われると腹立つかなあ、乾杯。

お酒の正しい飲み方は幾つかある。
そのひとつが、足を肩幅に開いて立ち、腰に左手を添えて背筋を伸ばし、手樽の取っ手を持った右手を掲げて、肘を直角に曲げ、斜め上からぐいぐいと口の中へ流し込んでいく作法。通称フロアガリ。名前の由来はよくわからないけど、1杯目には一番ふさわしい飲み方とされている。
一気に半分ほど飲み干してもいいし、そこそこの量をちびちびでもいいんだけど、この飲み方をするならばなるだけ豪快な方が良しとされる。私は作法に倣って一気に喉の奥へと流し込んで、暑さでおかしくなりそうだった体を癒す。
胃の中に溜まっていくのはビールだけどビールではない、活力であり気力であり命であるのだ。
まさかと思うかもしれないけど、腹の中に入ったアルコールは命に変換されるのだ。だから飲んだ量が多いほど命は強くなり、多く飲んでおくほど明日の自分が輝くのだ。
私はいつだってピカピカでかわいいけども。

「狼のお嬢ちゃん、いい飲みっぷりだねえ!」
「もう1杯飲みなよ! キダルちゃん、このお嬢ちゃんにビールあげて!」
「はいよー! 狼少女ちゃん、そっちのトロールのおっさんから1杯入ったよー!」

キダルちゃんと呼ばれた店主が、キンキンに冷えたビールを空になった手樽に注ぐ。
色んな人が口を揃えてこう言う。
ビールは働いた後が一番うまい。
ビールは夜に飲むと一番うまい。
ビールは1杯目こそ一番うまい。
まあ、色々と外野の意見はうるさい。
でも私はあえてこう言いたい。ビールはなにもしなくてもいつ飲んでも何杯目でもうまい!

「くぁーっ! うんまぁーい!」

キンキンに冷えたビールは、例えるならば神だ。神は神だから神ってだけですごいのだけど、そこに冷えを加えることで神のランクがひとつ上がる。言ってしまえば神がどんなものでも砕ける斧を手にしたようなものだ。
そういう点では私も神と呼んでも差し支えのないかわいさな上に、圧倒的にかわいい狼の毛皮を纏って、おまけに毛皮には尻尾までついてるんだから、神フル装備と呼んでもいい。私はヤミーちゃん、神フル装備。

え? まだ酔ってないよ?

……。

酔ってるよ!

しかし私はお酒に愛されし女、1杯目から気持ちよく酔えるし、酔ってからが長い。戦いはさくっと秒殺で終わらせるけど、お酒はゆっくりじっくり長く。これが故郷ノルドヘイムが育んだ奇跡の存在、私なのだ。

「キダルちゃん、おかわり!」
「あいよー! 狼少女ちゃん、名前なんて言うの?」
そういえば自己紹介がまだだった。酒場にも礼儀あり、一見さんが名前も名乗らずにお酒を飲もうだなんて、そんな虫のいい話はない。しっかりと我ここにありと口上を述べて、堂々とお酒を飲むのが礼儀だ。
3杯目のビールが注がれた手樽を掲げて、椅子の上に立ち、店の中にいる亜人たちや獣人たちを見渡す。

「いいか、お前ら、耳かっぽじってとくと聞け! 私はノルドヘイムからやってきた最強美少女、狼毛皮の狂戦士ウルフヘズナルのヤミー! 迷宮のどこかにあるはずの、飲んでも飲んでも減らない酒樽と食べても食べて減らない丼を求める者なのだ! いいか、お前ら! この世のお酒はすべて私のためにあり! お酒には天使の分け前、悪魔の取り分とかあるらしいけど、だったら残りは全部私のものなのだ! なぜなら私はかわいいから! ヤミーちゃんとの出会いに感謝しろ! その喜びに打ち震えながら、今夜はとことん飲め! 乾杯!」

「乾杯!」
「乾杯!」
「乾杯!」

椅子から降りて次々と手樽同士を軽くぶつけ合って、ぐびぐびとビールを飲み干す。
ちなみにまだ昼前だけど、ビールに時間は関係ない。飲むと決めたら翌朝まで飲んであげる、それがビール様との正しい付き合い方なのだ。


・ ・ ・ ・ ・ ・


「わぁーい、死屍累々だー。今日は大儲けだねー」

店の外が薄暗くなり始めた頃、店内ではすっかり酔い潰れた客たちが揃いも揃って床に転がって、ぴくぴくと震えたりこぽこぽと音を立ててなにか垂れ流したりしている。
まったく大の大人が情けない、と言いたいところだけど、お酒は多く飲めたらえらいというわけではない。最後まで美味しく飲める者がえらいのだ。
その点、私なんかは世界一えらいから、もう何杯目かわからないけど1杯目と同じ飲み心地を堪能できるもん。
無限においしいな、ビール。ビールを作り出した人に、故郷ノルドヘイムの最高の宝、氷の剣を授けてもいいと思う。


氷の剣、その名の通り氷で出来た刃を特殊な金属の柄と鞘で閉じ込めた魔剣。
人類の足が届く範囲では世界で最硬の物質らしい、ノルドヘイム北端の氷壁から削り出して作った剣で、鉄をも簡単に両断する切れ味と攻城兵器で横から殴っても折れ曲がらない強度を持つ人類最強の武器のひとつ。

北壁から削り出せば作れるので、故郷ではその辺に剥き身の状態でゴロゴロ転がっていたりするけど、ノルドヘイムは都会からは恐ろしく遠く、おまけに危険で大変で生存率が限りなく無に等しい環境から、この世の果てとか言われている。
人の故郷をなんだと思ってるんだ、軟弱者共は!

しかも行ったら行ったで、常に腹を空かせた猛獣たちや会話が成り立つとは思えない凶悪で暴力的な蛮族たちが闊歩していて、手っ取り早く命を捨てたいならノルドヘイムに行ってこい、とも言われている。
いや、私はそこですくすくと育ったんだけど!

更には国によっては極北送りなんて、事実上の死刑を意味する流刑もあるのだとか。
ふざけんな、人間め! ぶん殴るぞ!

そういうわけで、かろうじて乗り合い馬車で行ける町の、他に大したものも売ってないような武器屋で、目玉が飛び出てそのまま地平の果てまで旅立つほど高額で売られている。
また一度鞘から抜くと、閉じ込めていた冷気が解放されて、周りを雪が降るほど冷やしながら数時間で脆くなり粉々に砕けてしまうから、世界最強の使い捨て武器、なんて呼ばれてたりもする。


そういえば数日前、お兄ちゃんと再会して飲み散らかしてる時に護身用にって貰ったんだった。
私は背中に背負った、刀身だけでも自分の背丈よりも巨大な剣を納めた鞘を下ろし、鍔に念入りに巻きつけられていた鎖を引っぺがして刀身を露わにする。
見る者を魅了する程に美しい青く透き通った氷の剣に、酔い潰れ寸前だったキダルちゃんも閉じかけていた両目を見開く。

「あれー? ヤミーちゃん、なにそれー?」
「見ろ、お前ら! これがノルドヘイム名物、氷の剣であーる!」

解き放たれた冷気で、さっきまで茹だるほど蒸し暑かった店内の温度が一気に下がり、汗が一瞬で引くような快適を通り過ぎて寒いくらいの空間に仕上がると、酔っ払いたちも頭を冷やされて次々と目を覚まし、唖然とした表情で氷の剣を見上げている。
ふふーん、どうだどうだ、うらやましいだろう。

「だけどよお、氷の剣って、1回抜いたら壊れちまうって話だよな?」
「ヤミーちゃんって、もしかしなくても馬鹿なのか?」
「いいよ、馬鹿でも! 俺はそういう威勢がいい女、大好きだぜー!」
「武器は使わねえと意味ねえからな! 試しになんか斬ってみようぜ!」

しまったー! このままだと溶けてなくなっちゃう、早くなんか斬らなきゃ!
斬ってもいい奴! 
斬ってもいい奴どこ? どこっていうか誰?

慌ててキョロキョロと斬っても許されそうな相手を探す私に、店主のキダルちゃんが窓の外を指差しながら、
「ヤミーちゃんヤミーちゃん、あそこにピンクのカバいるでしょー?」
沼地を歩いている巨大な8本足のピンク色のカバに視線を向ける。
カバという生き物を生まれて初めて見たけど、重たそうな胴から短く太い足が生えてて、頭が大きくて顎が異常に大きく開く。なんていうか、例えるならば神が二日酔いで作ったような姿の生き物だ。
見ようによってはかわいくも見えるし、ぶっといお腹せ背中なんかはちょっと美味しそうに見えなくもない。

「あれは人間の冒険者たちが迷宮四大魔獣って呼ぶ、4頭の大型魔獣のひとつ、カバ神様だよ。この辺を縄張りにしてるんだけど、夜中にすーっと扉を開けて、足首から先を食いちぎっていくの。おまけに逃げようとしてもカバからは絶対に逃げられない。世界の果てまで追いかけて、なにがなんでも足首を食いちぎるんだよ。がおーっ」
そいつは恐ろしいね、がおーっ。

ちなみに胸元で十字を切りながらヒポポタマスって3回唱えると、おとなしく帰ってくれるらしい。でも1回でも言い間違えると手首から先も食いちぎるのだとか。なんて迷惑な生き物だ。

「そんな生き物、氷の剣の錆にしてやる! ……錆びないけど!」
氷の剣は錆びない、なぜなら氷だから。


店の外に飛び出して、剣を一振りぶおんと左右に振り、泥でぬかるんだ地面を凍らせる。
すると冷えた空気に違和感を覚えたのか、呑気に欠伸をしていたカバの表情に明らかに不快感が貼りついて、こっちに向かって威嚇するように大きく口を開ける。
私も狼の毛皮の耳を揺らしながら、うおおーって大きな声を出して、腰に提げたドワーフの鍛えた傘を開きながら、前方へと放り投げる。傘はぐるぐると回りながらカバの視線を引きつけ、怒ったカバにバリバリと噛みつかれて無惨にも砕かれながらも、しっかりと役割をこなしてくれた。
カバの注意を数秒引きつけてくれる、それだけで十分。それだけの時間があれば、カバの側面に回り込んで胴と首の繋ぎ目に剣を振り下ろせる。

叩き割れ、地の底の底、地獄の底を上げ底に、そのさらに下の底まで。

分厚い脂肪と硬い皮で覆われたカバの肉に、まるでペラペラの紙を切るように刃が滑り込み、いとも容易く頭と胴を離ればなれにしてしまう。
すごい切れ味、世界最強の使い捨て武器の名は伊達じゃない。もし普段振り回しているようなそこそこの武器だったら、せいぜいカバの薄皮一枚。いや、薄カバ一枚切るのが精一杯だったと思う。四大魔獣の名もまた伊達じゃない、といったところかな。
刎ねられた頭に刃を突き立てて凍らせて、地面に叩きつけて真っ二つに割り、鼻から上をさらに叩き伏せて粉々に砕く。
そこでようやく強度を損なった刀身が、まるで氷の華を咲かせたように散らばって、蒸し暑くて色気もへったくれもない沼地に、季節外れどころか地域外れの雪を降らせる。

そのあまりに見事な秒殺劇に店の中にいる酔っ払いたちから拍手と歓声が沸き起こり、私はカバの顎を高々と掲げて、勝利をの勇姿を見せつけた。

「どーだ! これがヤミーちゃんの最強の最強過ぎる最強なのだ!」

なにを言ってるかはさっぱりわからない。でも言葉なんてどうでもいいのだ、要は雰囲気、なんとなくでも伝わりさえすればいいのだ。
その雰囲気は頭を刎ねられたカバにもしっかり伝わったようで、盛大に血を噴き出しながらも地響きのように足を踏み鳴らし、最後の牙を突き立てに襲い掛かってきたのだ。

「武器ちょーだい! なんでもいいから!」

店に向かって伸ばした手に、酒樽に石をたっぷり詰め込んで、無理矢理革のベルトで柄を固定しただけの原始的で野蛮な武器が届く。どうやらキダルちゃんが冗談半分で作ったもののようで、重たすぎて実用性に欠けるけど、カバを倒そうと思うなら、このくらいの重量が無いと話にならない。
断面から覗く骨を狙ってハンマーを横凪ぎに大きく振り回し、力負けして盛大に吹き飛ばされながらも、骨を体の奥へと押し込ませて、ゴキンゴキンと腰のあたりまで音を響かせて、今度こそカバの息の根を止めてみせたのだった。


これでまた私の勇名が轟くに違いない。
だって私は最強だから。最強の上にかわいいから。


~ ~ ~ ~ ~ ~


というわけで、目の前にカバが転がっている。

「ねえ、カバっておいしいのかな?」
カバを見下ろしながら、戦い終わって空いちゃったお腹を撫でていると、
「いいかね、ヤミーちゃん。カバに襲われたって話は聞いたことがあっても、カバの肉を食べたという話は誰も聞いたことがない。つまりカバの肉は語りたくもないほど不味いか、食べたら生きて帰れないような酷い肉のどちらかってことなのだよー」
キダルちゃんがふふんと鼻を鳴らしながら、手樽に注いだ黄金色のビールを光らせる。
確かにカバを食べた人に出会ったことがない。ナマコとか猿の脳みそとか異常に臭い醗酵させた魚とか、食に関しては頭がおかしいくらい好奇心旺盛な人間たちの中に、どういうわけかカバを食べた人が誰もいない。
ということは、味や結果はそういうことなのだ。

「残念……」
がっかりと肩を落としていると、キダルちゃんや獣人たちが酒も抜けていないのにカバの解体を始めて、だらだらと酒を飲みながら店の奥の工房で加工して、私が満腹になって床に寝転がっている間に、ガタガタの厚手の鋏のような妙な武器を作ってくれた。
居酒屋ぺったんこは酒場だけではなく、食糧も薬も野営道具も売れるものはなんでも売るし、さらには旅人や冒険者向けの工房も兼ねていて、鍛冶の出来る客がいれば加工もやってくれるみたい。
でも宿はやってないようで、なぜかというと店主のキダルちゃんが夜中に物音がすると眠れないから、なのだとか。

「ほら、ヤミーちゃん。持ってみて」
妙な武器は圧砕機というものらしくて、カバの顎と牙を利用したワニの口のような鋏状の器具に、金属製の柄と器具を動かすための鋼線と取っ手をくっつけた妙な形のもので、色は眩いくらいに派手なピンク色。
おまけに器具の側面に睨むような三角形の目まで描いてある。正直こういう奇抜な得物はあんまり好みじゃない。

「あっはっはっは! ヤミーちゃん、かわいいー! 滅茶苦茶似合ってねー!」
「さすがヤミーちゃん、病気の野犬よりも怖いぜ!」
「いよっ、沼地最強のカバキラー!」

とはいえ褒められると私も悪い気はしないし、なんだかこの妙な道具がすごくかっこいいもののようにも思えてくるから不思議。

「よし、お前ら! 私の勝利に乾杯!」
私は上機嫌で手樽を掲げて、もう何杯目か数えるのもめんどくさくなったビールを飲み干したのだった。


(続く)


<今回の新装備>

・氷の剣(武器・剣)
⇨ノルドヘイムの氷壁から削り出した大型の魔剣、非常に強力なものの、鞘から抜くと数時間で壊れてしまう。そして壊れた。

・カミカミパクラー(武器・鋏)
⇨カバ神様の顎と牙で作った手持ち式の圧砕機、噛みついたら肉にしっかり食い込む暴食仕様


<今回のゲスト冒険者>

キダルちゃん
性別:女(ビールの妖精) 年齢:不明(外見20代前半) 職業:エールワイフ

【種族解説】
▷妖精の一種でビールを好む種族。姿形は人間に近く、妖精にしては珍しく肉を食べる。

【クラス解説】
▷酒場の看板娘や女主人のことを指す。お酒に負けず劣らず魅力的な存在。

【クラススキル】
☆天使の分け前、悪魔の取り分
➡樽の中で酒を熟成させて質のいい酒を造る、酒系アイテムの効果上昇

【主要スキル】
・ビール純粋令
➡ビールの品質をチェックして、質の悪いビールを買わないようにする
・酔っ払いのマント
➡酒樽を被せて相手の動きを拘束する
・液体のパン
➡味方ひとりの体力を回復、聖職者系のクラスの味方には効果2倍
・麦の唄
➡麦に感謝しながら歌い、その間まわりの味方の体力を回復させ続ける

【装備】
・酒樽ハンマー(武器・鎚)
⇨酒樽に石を詰めて柄を取り付けたハンマー、強くて重くて良い匂い


ー ー ー ー ー ー


というわけでモグリール第15話です。
本当は前回に引き続き、残りの4人を出して、
「奴は四天王の中でも最強」
「え? どうしよう?」
みたいな茶番を書く予定でしたが、書いたところでなあってなったので酒場の話にしました。

ちなみに今更書くことでもないですが、ヤミーちゃんは年齢は18歳ですが、ヤミーちゃんのいる大陸ではお酒の年齢制限とかないし、仮にあっても
法に縛られないタイプなのであまり関係ありません。

でも日本ではお酒は20歳過ぎてからなので、ちゃんと守りましょう。居酒屋が怒られちゃうからね!