見出し画像

小説「つまらぬ怪奇は麺麭より安い 第3話~獏の涙~」

獏という生き物がいる。
鼻は象ほどではないが猪や豚より長く、体は上半分が黒黄色で下半分が白黄色で豚に近く、尾は牛に似て、足は虎や猫のように丸く肉球がある。人によっては神が余りものを繋ぎ合わせたのだと語り、夢を食べるとの言い伝えがある幻獣の一種。
時の権力者たちは自らの命を狙われる恐怖から逃れるために、せめて夢の中くらいは安らかであろうと獏を探し求め、その毛皮を布団の下に敷き、手に入らずとも絵に描いて部屋に飾った。
また聞くところによると、獏を飼い慣らして飼育している幻獣の牧場主がいるという。

「獏くらいボクも知ってるが、それがどうかしたのか?」
「皇帝が不眠に悩まされていて、獏の涙を欲しているとの噂を耳にした」
「へぇー」

獏の涙とは文字通りのものだ。悪夢を腹いっぱい食べた後の獏が、ごく稀に流す獏の分泌物。形状は鶏の卵くらいの大きさの球体、感触は白玉団子に似てもちもちしている。その成分は獏に食べられた悪夢が体内で浄化されたもので、摂取した人間に安らかな夢を見せ、極上の眠りを与えてくれるため、不眠症患者に悩まされる医者の間で非常に重宝されている。
更に純度の高いものは青白く透き通った宝石のようで、硬く美しく、好事家の間で非常に高価で取引される上に、身に着けるだけで一生眠りに悩まされることはないらしい。
らしいというのは、ボクの知る限りでは手に入れた者がいないからだ。しかしその筋の収集家の誰もが求め、この世界の何処かに存在すると噂されている。

無いとは言わない、この世にはボクの見たことがないものなど幾らでもある。直に目にするまでは冗談みたいで信じられない生き物だって、この世には数多存在している。例えば鼻の長い象とか首の長い麒麟とか飛べない企鵝とか。
ちなみに獏は実在するし、獏の涙も存在している。
だから宝石状のものも無くは無いと考えている。


~ ~ ~ ~ ~ ~


話は少し前に遡る。
ボクはいつものように浅く短い眠りから覚めて、飼い猫を起こして餌をあげ、浜辺や河原でなにか良いものが落ちてないか探し回り、朝市で適当な食事を済ませ、骨董品店【森の黒百舌鳥】に顔を出した。
店内にはまだ新しい店番の鶴翼はいない。1分1秒の遅刻は許さないが、1分1秒早く来ることも認めていない。着替えの時間に遭遇すると面倒だからだ。ボクの躾通りに奴は時間きっちりにやってくる。時間を守れるのは優秀な番犬だ、名前は鳥みたいだが。
そういうわけで、とっとと店用の道士服に着替えようと扉の鍵を開け、奥へ奥へと足を踏み入れると、床を踏んだはずの足元にむぎゅっという、神経を逆撫でするような肉の感触が貼りついた。
この感触は定期的に来る。そう、わざわざ踏まれに来る馬鹿者がいるのだ。

馬鹿者の名前は黄龍(ファンロン)、年の頃は見た目ではよくわからない。若くも見えるし、老けても見える。それもそのはず黄龍の体には頭髪も髭も、眉も、それどころか睫毛すらなく、顔はつるんと茹でた卵を剥いたようで、細かい皺のひとつも見当たらないのだ。同じく毛の一本も生えていない上半身と膝から下は年中剥き出しで、腕は枯れ枝のように細く、背は男にしては平均よりも些か低い。
背中にはその名を示すかのように黄色の龍の刺青が彫られ、その龍の尾は腰を越えて足首にまで描かれている。
ちなみに組織の中では宦官のような立場にあるらしく、去勢済みで竿も棒も無いそうだ。見たことないから真偽は定かでなく、どっちであろうとボクの知ったことでもないが。

ボクの属する匪賊集団フェイレンには4人の龍頭がいて、それぞれが暗殺や武に必要な技能を習得し、後見人たちから四獣の名を名乗ることを許されている。後見人は大陸で長きに渡り暗躍してきた暗殺組織で、四獣四凶四罪の12人の暗殺技能者と、その他様々な種類の武闘派を抱える結構な大規模集団だ。
ボクは空中戦に特化した軽業と暗器の技能を習得し、朱雀の名前を名乗っている。元々の名前は疾うの昔というほど昔ではないが、成人する前には捨てた。
四凶四罪に遭うことなど滅多にないが、四獣の他3人とは定期的に顔を合わせる場を設けている。
匪賊の龍頭が会合を開く理由などひとつ、それは皇帝の暗殺に他ならない。

その会合の場を設け、龍頭たちに連絡を入れるのが黄龍の仕事のひとつだ。かといって、鍵を開ける前の店内に忍び込み、床に寝そべって踏まれる必要など一欠片も無いのだが。
「正面から来いって前にも言ったはずだが?」
「それでは私の心が満たされませぬゆえに! 朱雀様のような美しくも不可思議な存在、そんな御方に踏まれることでしか得られない悦楽! これを味わわずに伝言係に徹するなど、私には耐えられませんがゆえに!」
ボクの靴の裏で、黄龍の顔面がぐねぐねと動いている。

黄龍は一言で説明すると変質者だ。もう少し言葉を費やすとすれば、変な性質を幾つも持った者だ。
死にたがりの殺されたがりで踏まれたがりという変態的な性質、どこにでも存在出来て複数個所に同時に存在できる悪夢的な性質、複数同時に存在する分身がひとりでも存命していると、本人がどれだけ望んでも死ねないという絶望的な性質。
そんな弩級の変態野郎が黄龍だ。
きっと今頃、他の龍頭に対しても意味もなく驚かせようとして、返り討ちに遭っていることだろう。

「で、お前が来てるってことは、例の会合か……?」
「本当は趣味で踏んでいただきたいのですが、それだけはするなと釘を刺されていますので!」
黄龍がボクの靴越しに足を押し返して、重力に逆らうような腕や膝の力を使わない奇妙な方法で立ち上がり、店の机の上に勝手に置いてある袋を差し出してきた。
袋の中身は会合用の服と、会合の場所を示した暗号の記された手紙。用意するのは後見人の組織の長だ。長はすでに老齢の域に達していて、すでに呆に蝕まれているのか、ボクを自分の孫かなにかだと思い込んでいる。
だからなのか、毎回着せたい服を送ってくる。今回は足の付け根辺りから切れ目の入った、側面から足が丸見えになる旗袍だ。

「え? これ着ないといけないのか?」
「朱雀様、僭越ながら言わせていただきますが、貴方はそういう服も似合いますゆえに」
ゆえにじゃない。こっちは危険度を下げたくて性別を秘匿としているのだから、せめて男女どっちでも着てそうな衣装を用意してくれないものか。そもそも普段の道士服でも構わないじゃないか。
「おはようございま……誰ですか、この半裸の人は?」
馬鹿な時間を過ごしたせいか、鶴翼の来る時間になってしまった。鶴翼は目の前の変態男と、ボクの手にぶら下がる旗袍を交互に見て、まったく状況を掴めず、嘴状の仮面に隠れていない顔の上半分に困惑の表情を浮かべている。
「鶴翼、今日は龍頭の会合で店は休みだ。そうだな、お前も来い、いざという時は盾になれ」
「鶴翼殿ですか。朱雀様と働けるなど実に羨ましい。出来れば私めも働きたい、事あるごとに失敗して踏み躙られたい……」
「そんな奴は初めから雇わないからな」
黄龍が新人の店番に興味を示している。頼むから余計なことをするな、ボクは仕事場ではなるべく静かに過ごしたいんだ。

「では、朱雀様。私めはこれにて……後始末はお任せしますが、好きに嬲っていただいても構いませんので」
「ボクにそんな趣味はない」
黄龍が腰から膝までを隠す下穿きから拳銃を取り出し、自らの口に咥えて数発連射する。放たれた弾丸は上顎を突き破って脳へと達し、頭蓋骨の中をぐるぐると巡って、自殺志願者を死に至らしめる。
曰く、いちいち帰るのが面倒だから、ということらしい。
この変質者は来る度に目の前で死に、自らの死体の処理を丸投げするのだ。全くもって迷惑極まりないが、フェイレンというのは、そういう社会の迷惑者の集まりだ。
こんなのと同じ括りにされたら不愉快極まりないが。

「鶴翼、処理班に連絡しとけ。ボクらはこのまま出かけるぞ」


~ ~ ~ ~ ~ ~


ということがあり、朝から会員制の高級酒家に赴き、他の四獣たちと長と顔を合わせ、獏の涙の話を耳にしたのだ。
要するに骨董品店を営みながら献上品を探すなどという、回りくどい手段を取っているのだから、それくらい手に入れろというのが他の四獣から出てきた意見だ。
あいつらも各々で暗殺に失敗しているくせに、と言いたいところだが、確かに試すことも出来ていないボクに対して、少なからず不満が出るのも仕方ないだろう。不満の種は四獣本人ではなく、その配下であったり後見人たちのようだが。

「獏牧場ねえ……」
獏を飼育する牧場の話は噂に聞いていたが、どうやらそれらしき場所を見つけたらしい。そこで宝石状のものを譲ってもらってこい、というのがボクに出された課題だ。命令ではないので成否は問わないが、出来れば成功させろというのが本音だろう。
わざわざ地図まで用意してある辺り、無言の重圧のような意図を感じる。

「鶴翼、お前は店に戻って掃除でも手伝え。烏合、鴉片、燕窩、お前たちはそれぞれの仕事に戻れ」
烏合(ウーヘ)、鴉片(ヤピン)、燕窩(イェンウォ)はうちの店の雑用係たちで、鶴翼同様に嘴を模した仮面を身に着けさせている。いちいち顔を覚えられては厄介事が増えるからだ。
少し前まで店番をさせていたが、今は仕入れや情報収集を任せている。場合によってはこの町、廃界の外にも出向いてもらう時もある。ちなみに鳥に関する名前を与えているのは単なる趣味で、特段深い意味はない。

彼らもそこらの小悪党程度には動けるが、どのみち所詮は雑用係だ。戦力的には一切期待してないし、盗みを働く可能性があるなら足手纏いだ。それは面を外すことを許されている子飼いの連中でも同じだが。



獏牧場は廃界から自転車で数時間ほど走った場所にある。ちなみに服は旗袍では話にならないので、比較的育ちがよく見えて動きやすいものに着替えた。
表向きは食用の豚を育てている平凡な牧場だが、外から様子の伺えない中央の大型豚舎の中で獏を飼育しているそうだ。獏の昼間の餌は牧草や野菜なので、飼育はそれほど困難ではない。
むしろ悪夢を効率よく集める方法、そちらが大変なはずだ。
単純に悪夢を一人分集めるには人間がひとり必要となる。悪夢を見る確率はその人間の体調や精神状態に左右されるが、夢は自分で内容を決められるわけではない。ボクは悪夢をよく見る方だが、それでも毎日見るわけではない。夢を見ない日だってあるくらいだ。
仮に数日に1回しか悪夢を見ないとしたら、数倍の人数を用意しなければ毎日悪夢を食べさせることは出来ない計算となる。
となると大量の人間を集めるか、悪夢を見る回数を人為的に増やしていくか、或いはその両方か。

まずは正攻法でいくか。
「こんにちはー。私、骨董屋で働いておりますー、海鳥と申しますー。こちらで珍しい商品を扱っていると耳にしましてー、ぜひ牧場主様とお話しできないかと参った次第ですー」
骨董屋であることを正直に、ただし名前だけは海鳥(ハイニャー)と偽って名乗り、牧場主に取引が出来ないか交渉する。さすがに朱雀の名前は知られている可能性が高い。この牧場は廃界からそう遠くはない、もし非人道的な手法を用いるような輩であれば、同じ穴の狢であるフェイレンの龍頭の名前くらい知っていても不思議ではない。
そしてボクの予想は概ね当たっているようだ。
こちらを子供だと思って笑顔で出迎える牧場主だが、善良そうな中年男の表情の裏にどす黒い気配を漂わせている。それに芳香剤や豚の獣臭で隠しているが、それでも隠し切れない人間の血と臓物の臭い。

「珍しい商品と言ってもねえ、うちは見ての通り豚農家だからねえ。骨董屋に売れるものなんてねえ」
「そうなんですかー、なにかあると思うんですよー。例えばー、宝石とか」
声を一段階高めに変えて、頭の若干悪そうで見くびられそうな小娘を演じながら、大胆に探りを入れてみる。
「宝石? こんなところにあると思うかい?」
「お父様から教えてもらったんですよー。うちの父、宝石商を営んでるんですけどねー、同業の方からここですごくいいものを買ったって」
「あー、なるほどー。そういうことでしたら、ちょっと奥で話しましょうか」
さあ、鬼が出るか蛇が出るか。欲深い鬼が出たら交渉は可能、用心深い蛇が出たら交渉は決裂だが、別にそこはどちらでも構わない。宝石があることさえ確認できれば、あとはちょっとした体力勝負でしかないからだ。

豚舎の中へと招かれた瞬間、牧場主が掴み掛ろうと手を伸ばしてくる。
現れたのは用心深い蛇だ。どうやらボクを捕らえて情報の出処を確かめたいか、或いは身分証でも探して真偽を確かめたいのか、もしくは欲情でもしたのか、どちらにせよ交渉は決裂だ。

腕が伸びきる前に床を蹴って跳躍する。くるりと身を翻しながら、天井を通る梁の段差を指で掴み、そのまま重力を半回転させたかのように天井を両足で踏みしめて、真下にいる牧場主を見下ろす。
唖然とした表情を浮かべる敵対者の頭上へと身を落とし、咄嗟に掲げられた腕を蹴り払って、その顔と頭を爪先と踵で踊るように叩き、数度蹴っては跳び上がり、また数度蹴っての繰り返しで、皮膚を骨を削り砕き鈍く踏み鳴らす。

人間の死角は頭上にある。
仮に頭上を十分に警戒したとしても、頭上に居座り続ける敵への対処法を学んでいる者は滅多にいない。せいぜい相手の地の利を削ぐために、攻撃を避けながら立ち位置を移す程度だ。
であるならと師である先代の朱雀が仕込んだ、軽量痩身の弱者が強者に勝つ術が空中戦の技能だ。鳥でさえ飛ぶのに両の翼を大きく動かさねばならないが、片足跳びの要領で敵を蹴って空中に居座り続ける域にまで至れば、空は果てしなく自由だ。床という障害物が消え、身長差という概念が失われる、むしろ軽ければ軽い程に自由になる。
それに気付かせてくれた師は、己の技を超えられて、猛禽に襲われた雀の如く命を落としてしまったわけだが。


「……よっと」

すっかり床が血で汚れてしまったが、あまり悪く思わないで欲しい。人を襲うということは、逆に捕食される危険もあるということなのだ、どんな相手でもお互いに。
ねっとりと靴の裏に付着した血泥を床で拭いながら、豚舎の中を進んでいく。外観こそ豚舎を装っているが、中身は完全に別物だ。扉が必要以上に重ねられ、床は進むに連れて奥へ奥へと傾き、時折大きな段差が現れる。まるで奥から逃げようとする者を阻むように。
わかりやすい造りだ。奥へ深く潜れば、秘密も簡単に暴けるというものだ。

扉を何枚も開き、壁が薄い木の板から分厚い石に変わる辺りで、豚舎の中央に巨大な箱のような石の塊が置かれていることに気付く。
石の塊は石壁を前後左右上下と重ねて造られていて、重苦しい鉄製の扉がひとつ、あとは他に何もなく半分ほどが地面に埋もれている。その傍らに構えられた小さな飼育場では、噂で聞いた通りに獏が何匹も草や野菜を食べ散らかしながら、ぴぃぴぃと鳴いている。
そして尋常じゃない程の量の獏の涙。見たところ宝石状のものは無いが、柔らかく透明なものが何十個も、卵の様に箱に敷き詰められているのだ。
どうやら石壁の向こうで、なんらかの作業を行い、悪夢を見る確率を極端に増やしてから獏に喰わせる。
そのなんらかがボクの想像通りのことか、想像以上のことかは知らないが、そんなものを調べる趣味も覗く悪癖も持ち合わせていない。

いないのだが……。

「ボクは悪党なんだがな」

鉄の扉を乱暴に叩いて、その直後に扉の上へと跳び上がって石壁の天井部分に手を掛ける。
扉から出てきた間抜け野郎の首に、微細な硝子片を塗した鋼線を引っ掛け、そのままするりと皮膚を撫でるように滑らせる。
目の前で噴水の様に噴き出る血に驚いた間抜けの弐号の首の裏に短剣を突き刺し、柄を捻って仕掛部分を伸ばす。この短剣はボクの得意な獲物のひとつで、吸血鳥嘴(シーシェイニャオツェイ)という。刃の部分に銛のような返しが備わり、刃そのものにも細い穴が開けられ、柄に向かって内部を細い管が通してある。柄の部分は笛の様な穴が幾つも空いている上に、柄そのものが二重構造になっていて倍に伸びる。
つまり刺している間は体内の血を吸い続け、穴を塞ごうにも柄が人間の両拳よりも長くなるため出血を止めることも出来ないわけだ。
他にも幾つも道具は仕込んでいるが、どうやら間抜けはこいつらだけで、あとは悪夢を見させられる材料が中に残されている。

ボクは扉の中に漂う不快感に目を細めて、想像通りの悪の宴の行われた光景に呆れて溜息を吐いた。


・ ・ ・ ・ ・ ・


「そういうわけで、宝石も無かったし、とんだ骨折り損だったわけだ」
ボクは他の龍頭と囲む回転式の食卓台をぐるりと回し、甘い餡の詰まった桃饅頭を掴んで口に放り込む。
そう、骨折り損もいいところだ。結局手に入ったのは献上する程のものではない獏の涙に、飼い主を失った獏が数匹、それに人生に絶望するには十分な怪我を負った老若男女が十数名。医者に獏の涙を売った金を治療費に当てたら、銅銭や鉄銭の詰まった財布も逆さに振ったら埃しか出ない有り様だ。
怪我を治療したところで失われたその身の欠損と、精神に刻まれた恐怖は拭い切れるものでもないが、助けてと懇願されたらそうせざるを得ないのだ。ボクは悪党だが糞ではない、悪がそもそも糞みたいなものだと言われてしまえば、まあ糞と代わり映えしないわけだが。

膝の上では、何故かボクに懐いてしまった1匹の獏が桃饅頭を求めて、ぴぃぴぃと強請るような鳴き声を上げている。
「せめて悪夢を見ない程度には役に立てよ。餌代だって只じゃないんだからな」

ぴぃぴぃと解ってるんだか、解ってないんだかな返事しか返ってこない。
どうせ今夜も悪夢を見てしまうんだろうな、そう思いながら獏の頭を撫で回したのだった。


(続く)


є(・◇・。)эє(・◇・。)эє(・◇・。)эє(・◇・。)э

性別不明の店主と怪奇の話の第3話です。
身辺周りの説明と朱雀の技量お披露目回です。ほとんど変態に持っていかれた感もありますが、まあ仕方ありません。

というわけで獏の涙でした。
私も悪夢を結構見るので、枕元に獏とかいてほしいです。ネコチャンでもいいです。あ、でも猫アレルギー……。