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やさしい和菓子の世界〜羊羹編〜

和菓子屋で10年の修行を経て現在お店を開いています

専門用語を使わずにわかりやすくざっくりと和菓子を解説してみようと思います。
※お店や職人さん、地域によって見解が違う場合もあります。

羊羹(ようかんと読みます)

羊羹は、あんこと砂糖、寒天で固めたものです。水飴を入れたりもします。

左が糸寒天、ほかにも棒寒天、粉寒天などがあります

ほぼあんこなんですが、さらに砂糖を加えて寒天で煮詰めてから固めます。砂糖をたくさん入れて作ると時間が経つにつれ溶かしたはずの砂糖が元に戻る現象が起こります。しゃるって言うんですけど、それを防ぐために水飴をいれる場合が多いです。

水飴入れてても煮詰め過ぎてたりすると砂糖が元に戻ってじゃりじゃりした食感になったりしますが、むしろこれが好きという方もいたりします。

わざとやりたい方はラップとかしないで放置すると表面が白く固くなってきます。それが砂糖なので乾燥させてみてください。

羊羹は保存食みたいなものなので砂糖を大量に入れるんですね。保存状態によっては何年も日持ちしたりします。

よい保存状態とは空気と水分がいっさい入っていない状態で密封されていて、気温変化の少ない暗い場所に保管くらいの条件が整ってないと難しいです。

30年くらい前の羊羹が見つかっておそるおそる食べてみたら…普通に美味しかったという話を聞いたことがあります。かなり好条件が整ってた例だと思いますので、30年も放置しないでくださいね!!すぐ食べましょう。

羊羹買ったことある方はわかるかもですが、棒状で今は小さいのがコンビニでもありますがアルミのような袋に入ってたりして、きっちり密閉されてる。

これは出来立てを直接その袋に入れて封して固めるんですよね。さらに熱殺菌したりして。これだとかなり日持ちします。

宇宙にも持っていってましたね。

羊羹は単体だけでなく下↓のような半分だけ羊羹で半分は違う素材で組み合わせるという使い方もします。

下が羊羹です
こちらも下が羊羹です

こういうの「流し合わせ」って言うんですけどその名前の通り同じ容器に半分ずつ流して合わせることを言います。

ちなみにトップの画像の赤と黒の棒状のものはどちらも羊羹です。

これですよ

上の赤も下の黒もどちらも羊羹なんです。

上の赤は白あんを赤に着色したもので、下の黒はそのままこしあんの羊羹で作っています。

これは特別注文で作ったものですが、羊羹同士を流し合わせするってあんまりないんです。違う素材と組み合わせることが多いので。

まあやったことないけど勉強になるかなーと思って注文受けました。もうしません。

あとは飾りに使用したりします。

葉っぱの部分が羊羹ですよ

練り切りなどの茶席菓子なんかの飾りというかそういうのにも使用します。

上の写真は葉っぱなんですけど、クッキーの型のさらにめちゃ小さい型が色々あるんです。動物とかもあるし、魚もあるし、花もあります。

小さ過ぎてクッキーにはできません。焼いたら丸焦げになるかも。

薄く羊羹を流してから固めて抜いてあります。

こういった使い方もしています。

あとは水を多めにして炊き上げた水羊羹なんかもあります。

材料もほぼ同じですが名前の通り水が多いのでこだわってところは水も特別に用意したものを使用してるとこもありますよ。

こちらは冷やして食べます。日持ちもあまりしません。

日持ちする水羊羹は容器が完全に密閉されてるものだと大丈夫なんですけど、そうでないやつは早めに食べた方がいいですよ。

宇宙食にも認定されてる羊羹ですので皆さんも宇宙に行く際のお供にいかがでしょうか?

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