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おすすめ和菓子漫画

私たちはどうかしている

和菓子を題材にした本って色々あるんですけど私のオススメはこれ!

ドラマにもなりました!

和菓子屋を舞台に繰り広げられるラブサスペンスといった感じです。

電子書籍でも扱ってるので立ち読みもできますよ。

なので話の内容は割愛します。

この漫画の気に入ったところがあまり共感されないんですけど、その辺のこと書きます。

うまくいかない主人公に…

和菓子職人なんで和菓子を題材にした小説とか漫画読むんですけど、大体ほのぼのしてるんですよ。義理人情下町みたいな笑

和菓子のイメージなのかな?って思うんですけどひたむきな主人公に感化された頑固職人や周りの人達を優しく包み込んでいくみたいな。

生ぬるいな

と思って大体のやつ挫折したんですよ。

才能あって、ひたむきで性格よくて、前向きで周りも最初はなんだ!?みたいな感じなのが次第に打ち解けていく…みたいな。

まあなんとも平和な感じがして、こういうのがいいんでしょうけどなんか途中で読む気がなくなってしまって。

その時たまたま立ち読みしたのがこの「私たちはどうかしている」なんです。

まず和菓子屋で殺人事件がおこるんですよ!あの平和な和菓子屋で殺人て!!

ここからもう他とは違う!ってなって。

で、主人公のお母さん(和菓子職人)が捕まってしまうんです。(途中獄中死してしまいます)

殺人の容疑者の娘となってしまった主人公もお母さんと同じく和菓子職人目指して働くんですけど、殺人を犯した親の娘とわかるとみんなクビにしたり、受け入れてもらえなかったりするんです。冷たくされたり。

でもお母さんみたいな和菓子職人目指すためにひたむきに何でもやります!!みたいな感じで頑張るんですけどこういうところに共感したんです。

ひたむきってこういうことでしょ!!

もうお菓子作れて嬉しい!!って描写がよくあってあーわかるなその気持ちってなる。

しみじみと作れる喜びを噛み締めてたりするんです。

あんことかやり直しとか言われて「もう一回作れる!」って喜んでる。ここが違うんですよね。

あんまりこういうとこわかってもらえないんで、勝手に主人公に感情移入してしまって…。

もうほんとに和菓子が好きってわかる描写が多くて良きです!!

和菓子の絵がうますぎる

漫画なんで白黒なんですけどこれ色つけたらどうだろう?こんな感じかなあ?と思わせるくらい和菓子の絵がうますぎる。

いや、プロに何言って…となるかもですが、質感とか形とか白黒の濃淡だけであっ、これぼかし入れてるなとかわかるんですよ。

描いてる線がきれい。

実物見たことなくても美しさが伝わってくる。

そんなところも見どころですよ!

印象に残るエピソード

ラブサスペンスなんでラブもサスペンス要素ももちろんあるんですけど、ちゃんと和菓子屋のこととかその辺のことも丁寧に描かれていて。

あーわかる、わかるってとこ色々あるんですけど、とくに印象に残ってるのは、ある常連さんに失態をおかしてしまって、もう取引がなくなってしまう…となった矢先なぜかもなかの注文が入って。

ちなみにこの常連さんはいつも生菓子の注文ばかりでもなかの注文はしたことないということです。

お店のもなかのあんは正直美味しいと思ってない主人公は常連さんへの失態を挽回できるような美味しいもなかをと試行錯誤してあんこを作るんです。

これなら大丈夫というものができて、当日常連さんに出したもなかは…

お店の美味しいと思ってない、いつものもなかだったんです。

これよりも美味しいもなかあんができたのになぜ?と周りが驚くなか主人公は、いつも常連さんが立ち寄った際にもなかを買っていることに気づいて、日常の中でふと食べたくなるほっとひと息つくお菓子なのではないかと。だから美味しさよりもいつもの味を持ってきたと言うんです。

その常連さんもこれこれこの味!美味しいって喜ぶというシーン。

老舗の変わらない味

美味しさだけではなく、いつもの日常の変わらない味にホッとする。

私も老舗で修行させていただいてたので、実際こういうエピソードあるんですよ。

それも同じもなかで。こっちは小さい頃食べられなかった(貧しくて)いつか買いに行くぞと思ってたら戦争が始まってなんとか生き延びて必死に戦後復興して自分も年をとりそういえばとふとあの頃の憧れだったお店のもなかを…でももしかしたらお店もなくなってるかも?と思いつつ足を運ぶとそこには変わらないお店の姿とあの食べたかったもなかがそのまま変わらずにあった、という話だったかな。

ちょっと違うかもしれませんが、味って思い出なんですよね。

だから長く続けることに意味があるのかなぁと。

このエピソード読んでああ、そうかそういうことか〜と気付いたくらい。

私だったら美味しいと思うやつ出したと思う。

たぶんこれでも喜んでくれたと思うんですよ。美味しくなった!って。

でもこの常連さんは思い出の味を持ってきたと言ったことに感動してたんですよね。

その返事がああこの味、やっぱり美味しいなんです。

こんな美味しさがあるんだなと個人的に1番好きな話です。

和菓子は甘くない

まあ色々事件があり、ほのぼのあり、新たな謎がありとサスペンスなんで和菓子抜きでも楽しめるようになってます。

次々と主人公に不幸な出来事が起こるんですけどそれでもめげずにひたむきにお菓子作るのに向き合ってる。お菓子作るのが特別なんだって。

そんな職人の描き方をしてくれるこの漫画が私はいちばん好きです!

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