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「戻れる」かな

時々、ふっと不思議な感覚にとらわれることがある。
「明日は<戻れる>かな」

どこに「戻れる」のか?
カンタンに言ってしまえば、「いつもの日常」なのだけど、
決してどこかに旅に出ていたとか、イベントがあったとか、
そんな大げさな違いがない時にも、こんな思いを抱くことがある。

例えば、仕事が忙しくてまともな夕飯が作れなかったとか、
見たいテレビが見られなかったとか、
友人が遊びに来てBBQを楽しんだとか、
ちょっと「いつもの日常」からはずれただけ。

決して、几帳面な人間ではない。
どちらかといえばずぼらの面倒くさがり。
自分の生活を管理しようとも思っていない。
自分の生活はこうあるべき、なんて思うはずもない、
いい加減な大雑把人間。
なのに、ちょっと「いつもの日常」からはずれただけで、
私はいつも思ってしまう。
「明日は<戻れる>かな」

これは、きっと私が不安に思っているからだ。

なにがそんなに不安なのだろう。
いつもの生活からちょっとだけはずれることが、
どうしてこんなに不安なのだろう。
そもそも「いつもの日常」って何なの?

自分でもよくわからない。

たぶん、無意識の中に「私の日常」がすり込まれていて、
そこから逸脱すると、不安信号が点滅するんだろうなあ。

でも、意識の中の私は、そんな無意識の私を見て
「ちっちゃいなあ」て、ちょっと馬鹿にしている。

2種類の自分を抱えた私が、「いつもの日常」という道の上を
時々はずれながら、ふらふらと歩いている。
さて、この道はどこへ続いていくのだろう。


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