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”いつか”はきっとやってこない。だから、

明日やろうは馬鹿野郎。

今年のわたしは、このスタンスで生きていこうと思って4ヶ月が経った。

高校1年生の年末に、父親といった近所の喫茶店。そこで出会ったナポリタンが、誰にも紹介したくないくらい美味しかったのだ。
食レポは控えるが、私の理想形のナポリタン。ひとくちめの感動は忘れられない。頬張った瞬間に、父親と目を合わせた。

それからというものの、行きたいなあと思い続けて月日は過ぎ。近いからいつでも行けるがゆえに、なかなか足を運ばず大学4年生になってしまった。

月に一度、いや10日に一度は思い出しているんじゃないかと思うくらい、私を虜にしているあの喫茶店のナポリタン。
あの日も、ナポリタンのことを想っていた。

ふと立ち寄った地下鉄の改札口近くの本屋さん。立ち寄ることなんてめったにないのだけど、10分だけ時間があったこの日。目に入った雑誌の表紙に、私の住む地域の名前が書いてあった。

開くと、高校1年生のときにみたあの喫茶店の風景があった。ああ懐かしいなあなんて思っていると、なんとびっくり今年いっぱいでお店を閉じるって。

しかも、喫茶店だけじゃない。あの辺り一帯が、工事のためにどこも閉店したり移転したりするのだというのだ。立ち読みしていたのにも関わらず、声をあげてしまった。(本当に。)


明日やろうは馬鹿野郎。

いつかやろう、今度行きたい、きっとそのうち…日々はそんなことばかりかもしれない。でも、そうしているうちにその”いつか”はどこかにいってしまう。

そんなのやっぱり、悲しすぎるよね。




そしてやっぱり、ナポリタンはおいしかった。
6年前に食べたときよりも、もっとずっと、おいしかった。

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