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迷走マラソン(タンドリーチキン)|酒と肴 その八十三

長いこと、世の中にはゴールがあると信じていました。
厄介ごとに見舞われても、最終的には大団円で「fin.」とか「劇終」なんて文字が現れて、めでたしめでたしで終わると思っていたんです。だけど、どうやら違うことに気づきました。

カレーってあるじゃないですか?
バリエーションの悪魔みたいな、一度こだわるとキリが無く、日本人としては道を究めたくなってしまうアレ・・です。
私の場合、心のマリー・アントワネット様(38歳・専業主婦)とコラボした「ひき肉と玉ねぎのカレー」が到達点だと思っていたんですよ。

その名の通り、具材はひき肉と玉ねぎのみ。
ルーの指定はなく、その時々に家にあるやつでOKです。もちろん1種類しか使いません。

これはある時、アントワネット様が
「カレーって、案外食べ切るまでが大変じゃない?あと洗い物も」
と、もはや元ネタ(お菓子が〜)からかけ離れたコメントをされたことに端を発します。

そこで半分は冷凍にして、残りをアレンジしやすくしたのがひき肉と玉ねぎのカレーなんです。

凍らせるとグズグズになる人参、じゃが芋は使わないので、冷凍しても食感は変わりません。
翌日以降、基本的には

①カレーパスタ
②カレートースト
③カレーうどん

の順でリメイクしますが、具材を絞ることでパスタにもよく絡み、トーストは食べやすくなります。そして最後、うどんにしても具がしっかり残っているという、試行錯誤の末にたどり着いたレシピ。
次第に煮詰まるものの、パンに塗るには具合が良く、〆のうどんはそのまま鍋で調理するので洗い物が楽になります。

なんてここまで書いておきながら、今回はタンドリーチキンのお話な訳でして。

ようやくカレーの終着駅を見つけたと思った矢先、カレー味の鶏肉に手を出したばっかりに、またイチから出直しです。

まあ、心のアントワネット様も
「セールの時には、鶏ももを多めに買っておくのが良くってよ」
「タンドリーフィッシュ、他にはシュリンプなんてのもあるらしいわ」
とお気に入りのご様子なので、いいんですけどね。

それでも時々ちょっと疲れます。
ようやく目処がついても、なし崩し的に次の案件が始まるあたり、要領を得ない私の仕事っぷりと似ているからだと思います。
とりあえず闇雲に走り回れば、ゴールが見えてくることでしょう。迷走マラソン、仕事も料理も終わりはありません。

メニューと材料
・タンドリーチキン(鶏もも肉、ヨーグルト、ケチャップ、オリーブオイル、カレー粉、にんにく、生姜、塩、胡椒)


■□■ 店番のお知らせ ■□■

西日暮里BOOK APARTMENTさんの棚をお借りして、酒と料理の読みものを中心に、集めた本を販売しています。

次回は7月8日(土)12〜16時。
カレーを煮込みながら本を読む、休日の過ごし方としてはかなりオツではないでしょうか?
80の個性豊かな棚が、皆さんのお越しをお待ちしています。

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