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Dヲタ家族、6時間の地蔵に挑む④

それは、ダンサーさんたちやキャラクターによる観客への
「ファンサ」なのでした。

思いのほか彼らは観客側をよく観察しているのか、手を振ったり推しキャラのぬいばをアピールしているのを見かけると
ジェスチャーで答えてくれたり、人によっては近寄ってハイタッチまでしてくれる。

演者さんたちの方から観客との距離を詰めようとしてくれているので、見ている場所が前方であればあるほど没入感は高い上、それになによりダンサーさんのハイレベルなダンスをすぐ近くで見られて臨場感も申し分ない。

これか。この空間を何としても我がものにするがために皆必死で早朝から開園待ちに並び、さらにそのあとも自分にとってのベストポジションでパレードに没頭するべく、さらなる待ち時間に耐えているというわけか…

そんなことを頭の片隅で考えながら最前列で見ていた私たちにもダンサーさんやキャラはやってきて、あるダンサーさんは私たちの衣装を見て笑顔で親指を立て、アラジンはハイタッチしてきて、フロート上のラプンツェルはエルサの衣装を着た私を見て寒そうに体を震わせていました。

演者と観客の間には今までずっと深くて暗い川があると思い込んでいた私ではありましたが、その「川」が実は想像していたより横幅が狭かったことを実感し、思わずつぶやきました。
「こりゃ、最前ポジりたくなるわけだわ…」

怒涛のハーモニーインカラーが終わった2時間後に始まったのは大本命「スプーキーBooパレード」。

朝からパレードルートを埋め尽くした観客はほぼ全員このパレードが目当てといっていいので(ハーモニーインカラーが終わっても、誰も席を立たなかった)観客の集中と食いつきはすごかったです。

何せこのパレードは季節限定なうえ、来年また再演されるかどうかは今の時点ではわかりません。つまり、今のうちに見ておかないともう2度と見られないかもしれないという一期一会の覚悟をもって観客たちはそこに集まっているのです。

あとで調べて分かったことですが、6時間の地蔵なんて正直まだまだ甘く、ミッキーやミニーといった主要キャラの乗ったフロートが停止するポジションを我がものにすべく午前4時台から開園待ちをしている猛者が毎日のようにいるのでした。

つまりはパレードのために約12時間、まだ夜中とも言えそうな時間から寒さももろともせずじっと身動きせずその場に座り込み続けるという苦行に嬉々として耐えている人がこれだけいるということを考えると、パレードというのも大変なものであると言わざるを得ません。6時間くらいで膝が痛いとか腰が痛いとか言えない雰囲気すら感じてきます。

実際のところ、ダンサーさんたちのハイレベルなダンスをかぶりつきで見られるのはやはり贅沢だと言わざるを得ませんし、それだけの価値は十分にあると改めて実感したのでした。

それにしても、私たちが6時間座り込んでゲットしたポジションは一番人気の場所ではなく、いくつかあるフロート停止位置の中でも人気がまぁまぁのエリア、しかも18時半閉園の平日というある意味特殊な日だったから6時間で済んだだけであって、ミッキーやミニーの停止位置に最前列で見たい、ともなるともはや求められるのはひとえに「信仰心」と呼べるものになってくるなぁ。ま、私たちもはたから見たら
相当やってることは無茶に見えるのだと思いますが…

そんなわけで、6時間地蔵して鑑賞したパレードは2つとも
十分すぎるほどの満足度と充実度だったわけですが。

これを季節のパレードが変わるごとに(クリスマスやイースターとか)、そこにさらに寒さ対策まで求められながら地蔵するとなるとさすがに命の危険まで心配しないとならなくなるので「何をどこまでディズニーに求めるのか」という、自身の身の振り方まで今後は考えていかないとなあ、と一人考えながらレジャーシートを片付ける私なのでした。


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