永遠はないと知っているからこそ〜いつまでも一緒にに涙した〜

別れ際に、静かに言ってくれた言葉。

『いつまでも、美味しいもの一緒に食べられるようにいたいね。だから、体調には気をつけて進みましょ』

不意を突かれた。

もう少しで涙がこぼれちゃいそうだった。

いつまでも


私はいろんな経験をしてしまった。

朝、電話で話していた父が夜には還らぬ人になってしまった。

歳を重ねたら、キャンピングカーで日本中を回ろうねと言っていた夫はもういない。

母は実家もろとも炎の中に消えてしまった。

定年まで働くのだと信じていた職場にいられなくなった。

こんな経験ばかりすると

絶対なんてない

と思い始めてしまうのです。

楽しいことがあっても、次の瞬間、消えてしまうんじゃないかという想いが常にある。

もうこれ以上、傷つきたくないのだと思います。

いつかは消えてしまう…

そう自分に言い聞かせ、何にも期待しない。

それが、自分を保つ術になっていました。


『頑張ってるよね』

『イキイキして見えるよ』

最近、こう言ってもらうことが増えてきました。

感動ポルノと言われたころからしたら

この方が楽だったりする。


前を向いていることの方が好感もてるもんね。

そんな風に自分を押し込めてしまうこともある。


本当は1人は悲しい。

日常の中で、冷蔵庫の扉を開けた瞬間とか

実家に帰った話を聴いたり

車の運転席に座った時とか

失ってしまったものが蘇り

涙のスイッチが入ることが今でもあるのです。

そして、泣くと、また何かを失ってしまうような気がして

慌てて違うことを考え、気を逸らしたりします。


望んだら消えてしまう

いろんな鎧をまとっていた私に

『いつまでも一緒に』


こんな人生を歩んで来たのだから

その定義に自分を当てはめていたのは

私なんだ。

私だって、未来を考えていい。

楽しいことを期待してワクワクしていい

ふわっと気持ちが溶けていきました。


夕陽がとても綺麗だった。

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私にも未来がある。

未来に期待したくなりました。






全国胃がんキャラバン、多くの人にがん情報を届けるグリーンルーペアクションに挑戦しています。藁をもすがるからこそ、根拠のある情報が必要なのだと思い、頑張っています。