PPIって言う前に

昨日は、PPHプロジェクトみんつくゼミナール
【PPI(患者市民参画)っていう前に~コミュニケーションのズレをどうするか~】
パネリストとして参加しました。


パネルディスカッションの最初に「ズレを感じた経験」を問われ、
私は以前、教員をしていた時に教育の現場で感じていたことを話しました。

『先生のおっしゃる通り』となる状況を打開すべく、教育界はより良い双方向を目指しました。
何が目指すことなのかを見失ってしまうと、学級崩壊、教員の疲弊、敵対を生んでしまうのだという事例を多く見聞きしてきました。
その原因は、「話を聞く」という行為をしたかどうかにフォーカスしてしまったことと、「話したことを取り入れてくれない」ことが悪いことという空気が生じてしまったことにあるように思います。

「良い○○」になることを目指すとズレていくのではないかと思っています。

立場が違えば見える景色も違う。


「違う」ことを恐れず、「ズレ」があることを悪いこととしない安心が大事で、そこから率直な対話が生まれるのではないかと考えています。

私は幼稚園教諭だったのですが、小さい子供と大人には言葉や情報に差がありました。
言葉を易しくすれば伝わるというパターンはなく、それぞれに伝わりやすい表現がありました。
話したら「伝えた」ではなく、伝わったかなと様子をみて、手ごたえを感じなかったら伝え方が合っていなかったのだという経験や、
「この人は、自分のことを見ていてくれた」と思ったときに子どもはぐっと心を開いたという経験もお話ししました。

講演、ディスカッションのモデレーターは市川衛さん。
参加者を置き去りにすることなく、双方向の場づくりは学ぶことばかりでした。
そして、何より、ライフサイエンス企業の立場から、パネリストとして参加してくださったお二人の率直な意見がディスカッションを深め、ご参加のみなさまからもどんどん意見が届きました。
対話で心が動いていくことを感じた素晴らしい時間でした。


全国胃がんキャラバン、多くの人にがん情報を届けるグリーンルーペアクションに挑戦しています。藁をもすがるからこそ、根拠のある情報が必要なのだと思い、頑張っています。