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一度死んだから言えること


◉リハビリというもの②

さて今日は、リハビリのコツと言うか、どうしたら効率良く回復して行くのか?について、私が実際に行った事を書きますね。

そもそも入院するまで健全体であり、特に持病もなく、病院に何年もかかった事がありませんでした。

そんな私が数ヶ月寝たきりで、体重も16キロ落ちたからといって、動けなくなるなんてオカシイと合う考えから、自分なりにリハビリについて考えみました。

その手始めに、PTがしている事やしようとしているトレーニングについて、「それはどこの筋肉への刺激なのか?」「それはどういう働きを促しているのか?」「あなたは何を目的にそれを私にしようと考えているのか?」などなど毎回聞く事にしました。

私はリハビリ病棟では無いので、リハビリ施設は使えない状態で、自分の病棟の廊下を使って、車イスや歩行の訓練をするしかありません。

そしてPTは、私のベッドへと来てくれて、ベッド上で身体のコンディショニングを行なってくれます。

マッサージとは違って、衰えた筋肉を探して、そこを緩めたり強化(筋トレ)したり、と身体の手入れをしてくれます。

あくまでも慰安では無くて、トレーニングなのです。

私は何をしようとしたのか? です。
①家の事情もあってどうしても8月退院予定を6月に早めたかった。
②その為には、PTが月末に行うリハビリ評価点が上がらねば、そういう話にはならない仕組みである。

つまり早期退院を目指すには、健康だという数値的なエビデンスが必要で、それを担当している2人のPTが下すリハビリ評価なのです。

転院当初が90点を下回る数字で、合格ラインまで後50点以上は稼がないといけません。

ですがその時の月末には100点までいきなり上昇したので、PTが喜んでくれていたのを思い出し、身体がどうなっていけば良いのかを知る為にも、PTの考えや目標を知らねばならなかったのです。

そして、自分の体について思いを巡らせ、最初に書いた様に、ほんの数ヶ月前まで動けていた身体が、脳性系の麻痺でも無いのに動かないという事は、記憶の時と同じ様に「私の体が忘れているだけなんだ」と気づいたのです。

最初の病院でもPTに指や腕が動かない理由を聞いて、そこから動かしたら変化した事を思い出し、機能を失ったのも機能が衰えたのでも無く、「ただ忘れている事に気づけば変われるはず」との考えに至ったのです。

これらが【理解】という行為です。

例えば、筋肉トレーニングをしているとして、トレーナーは鍛えている部位の筋肉を意識しろ!とアドバイスをします。なかやまきんに君は誇張してギャグにしていますが、正にそうなのです。

人は理解して意識的になり、それに基づいた行動をするものです。それ自体の仕組みを忘れているからリハビリも効果がまたまたなのです。

理解して意識を持ち、それに沿って行動する事が最善である!

だから細かく聞いたのです。そしてそこをイメージして、その筋肉が起こす動作をイメージして体を動かすのです。

理解→意識→イメージ→やる!みたいなものですかね。

すると昨日できなかった事が、突然に今日はできるようになるんです。PTはたった1日で変化するので驚きますが、いやいや意識して命令して頑張れと声をかけて動かすと、ちゃんと思い出すのです。

そこを起点に、毎回前述の様に質問をしながら、目標に向かって思い出すためのリハビリを行うのです。

筋肉に触れてもらっているだけでも、そこを意識し、その筋肉が起こす行動をイメージして励ますのです。

そうして、毎月の様に評価点数は上がり続け、PTはこんな人はリハビリ棟にも居ないと言い、目を輝かせて興奮気味に説明してくれました。

人は凄いのです。理解して意識をした行動やイメージや目的をハッキリさせると早くに変化するのです。リハビリでそうであるなら、通常のトレーニングだってその様にトレーナーがしているのが分かるでしょう。

ただ受けている方が理解していないと、時間がかかるのは当然なのです。人とは意識する動物だからです。その努力も人任せなら、リハビリが上手くいかないのも当然なのです。

変わりたければ、【自分を自分で理解し意識しイメージして行動する】ただそれだけなのです。



続く


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