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大分県湯布院 「たけお」のたけお丼

人類は昔から「おいしさ」を追い求めてきました。

そう、それは素材と素材の果てしない組み合わせの旅…。カレーに納豆、豆腐にチーズなど、市民権を得たものからひんしゅくを買うものまで、我々は(時に舌を負傷しながら)奇跡の組み合わせを探し求めてきたのです。

私はその組み合わせの真骨頂とも言える一品と、大分・湯布院で出会いました。

その店は由布院駅からほど近いところにあります。まず駅前通りを北東へ進むと、大きな鳥居がある交差点に出ます。ここで、多くの人はそのまままっすぐ進み、土産屋などが建ち並ぶ湯の坪街道へ向かいますが、目指す店ははななめ右方向の道の先にあります。なので、湯の坪街道を向かう観光客を尻目に、ツウぶった顔で進みましょう。そうしてしばらく進んで左側にある店が、今回紹介する店、『たけお』です。
 
さて、ここで紹介したい一品とは、『たけお丼』です。
ただの丼と侮るなかれ、たけお丼は唯一無二の存在なのです。

まず、その見た目に驚かされます。平ための皿に平たく盛られたその出で立ちは、今まで見てきた「丼」と似ても似つかず、「丼」という概念に一石を投じているかのようです。そしてご飯の上には、ねぎ・卵・のり・かいわれ・キムチ(!)など多種多様な具材がのっかって、まるでちらし寿司の様相です。こんなにたくさんの具材があって、大丈夫だろうかと思うかもしれませんが心配は無用。

食べてみるとあら不思議、色々な具材があったにも関わらず、口に含んだ途端、それぞれの具材の区別がつかなくなるのです。「たけお丼」という1つの存在に全ての具材が溶け込んでいると言ったらいいでしょうか。みんなでたけお丼なんだ!という団結感が感じられるのです。そのまとめ役には、店主がおもむろにつぼを取り出し、かけていた「謎のタレ」の存在があると私はにらんでいます。ダシが効いた醤油ベースの甘いタレはみんなの特徴を活かしつつまとめてくれていました。

そして食べ進むと、燻された牛肉や魚が混ざっていることに気づきます。小さくはないので何口かに一回口に入るペースなのですがそれがクジ感覚で楽しいのです。スモーキーな風味でたけお丼に良いアクセントを効かせていました。

最初に心配していた具材の多さは、たちまち味の変化を楽しませてくれるエンターテイナーに大変身。毎回の一口が楽しみでパクパク進み、あっという間に完食してしまいます。セットで付いてくる赤だしの味噌汁と漬物で息を整えたら、もう完璧。温泉に向かう準備万端です。

皆さんも湯布院に訪れた際は、温泉に入る前の腹ごしらえに是非ご賞味あれ!


たけお
大分県由布院市湯布院町川上2931-2
営業時間:11:30〜14:30/17:00〜20:00
定休日:月曜

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