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マミの東京上京物語#3「ベッドを探しに三千里」

念願の新居が決まりました。

まさか、東京に来て、こんなに素敵な部屋に住めるなんて・・・・・・。
私の心は高鳴るばかりでした。

そして、実は私には、東京に来たら実現したいことがひとつありました。
それは、「言葉を勉強したい」というものでした。


言葉といっても、英語ではありません。
・・・・・・日本語です。


私は昔から文章を書くのが苦手で、国語は超が付くほどの嫌いな教科。
だから、普段の話し言葉もギャルみたいな言葉ばかり使っていました。

でも、年を重ねるごとに、周りの人が賢そうな言葉を使っているのが目に入るようになり、私はこのままで良いんだろうか・・・・・・と不安になってきたんです。

また、以前、事務仕事をしていたときにも、お客さまへ送るメールがなかなか書けなくて、苦労した経験があります。
頭では「こう伝えたい!」と思っているのに、それが上手く言葉にできないもどかしさ。

ああ!素敵な大人だと思ってもらえるような日本語が使いたい!!

だから、東京に来たからには、言葉の使い方をしっかり学びたい!!賢そうな文章が書けるようになりたい!!そう思っていたんです。


そして、そのために私が考えたこと。
それは、新居の部屋を「勉強する気になる部屋にしたい!」というものでした。

「まずは形から」が性分の私にとって、部屋のイメージはとっても大事だったんです。

でも、「やる気のでる部屋」ってどんな部屋だろう?

うーん、物が少なくて生活感のない、例えるとオフィスの中にある会議室のような部屋ならいいのかも・・・・・・。
あとは、座り続けても疲れないイスがあったり、広めのデスクがあったり・・・・・・。


そう、いろいろ考えていた私。
・・・・・・ただ、よくよく考えると、ものすごく重大なことに気付きました。


それは・・・・・・


お金がないッ!!!


そう、そうなのです!
私は引っ越してきたばかりでお金がない・・・・・・。

勉強がはかどる素敵な部屋に憧れるのはいいけれど、まずは「最低限の生活ができる環境」をつくらなくちゃいけない・・・・・・。
うーん、まずはベッドだけでも買わなくちゃな・・・・・・。

というわけで、私は、東京に来て初めての家具屋へ足を運ぶことにしました。


しかし、私は東京初心者。
どこに家具屋があるかがわからない。

そこで思いついた場所が『銀座』。

なんとなく、銀座なら、この世のあらゆるモノが集まっている気がしたのです。


人ごみでごった返す改札を勢いよく飛び出し、銀座駅の階段を上った私。


・・・・・・ああ、まぶしすぎる。


道行く人のファッションがお洒落すぎる・・・・・・。
すべての人が芸能人に見える・・・・・・。
道路を走る車が知らない車だらけ・・・・・・。
フラリと入ったお店の服が高すぎる・・・・・・。

これが銀座・・・・・・。

私などが来ていい街なのだろうか・・・・・・。

銀座のまぶしいオーラに目眩を感じながら、フラフラと銀座の街をふらついていた私。
すると、見覚えのあるロゴが目に止まりました。


『ニトリ』


ああああ、ニトリだ!!!
お、ねだん以上のニトリだ!!!

おつまみの「なとり」とよく勘違いしてしまうニトリだ!!!


ここになら、私の探すベッドがあるかもしれない・・・・・・!!


ありがとう、ニトリ・・・・・・。
あなたがいてくれてよかった・・・・・・。

そうして私はニトリに吸い込まれていったのでした。

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