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家族旅行

最近行ってないなあ
仕方ないよ世の中があれだったんだからさ
一家で集まるとまず老いてきた母が言うことは決まってゆっくり温泉に浸かって美味しいもん食べに行きたいねって孫との会話が楽しい

我が家は幼い頃から父の運転する愛車カローラでスキー旅行へ出かけるのが恒例だった
冬休みと春休みには必ず行くことになっていたが今考えると母が父の言うことに従ってやっていたんだなあと感心してしまう

とにかく出発する日の前夜は風呂を早めに終わらせて二層式洗濯機をまわして部屋干しだったか外干しだったかは定かでない

早朝からおにぎり握ってタラコ焼いたり海苔巻いて冷めたらアルミ箔で包んでお手拭きも忘れない

水筒にお茶入れてリンゴの皮むいて塩水に浸けないから色が変わるのも愛嬌なのさ
時には美味しい有名な蕎麦屋が見つかると気に入って必ず立ち寄っていた頃もあった

今でも語り継がれているのは九州まで往復半端ない距離を父が運転して途中母方の叔父の家に泊めてもらったこともあった
よく叔母が許したもんだと思うけど大手鉄鋼メーカーに就職した叔父は転勤を繰り返して従姉妹たちの転校の回数たるやこれまた半端ないらしい

途中の阿蘇だったか馬が何頭か車と並走してきたことがあって馬の尻をいくつも追いかけるという面白い光景がなつかしい
こういう体験は忘れられない思い出になる

そんな楽しい家族旅行ではいつも母の膝で物語のようなただひたすら延々としゃべり続けるような子だったらしい

両親はてっきり将来は作家になるのだろうか?

そう思ったらしいがそんな気配は何処へ行ってしまったのだろう笑笑

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