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満月の夜のお散歩、ただそれが起きている

「まま、お財布にお金なくて
電車の乗り越し代チャージ出来ないから
駅までお金持ってきてくれない?( ; ; )」と

LINEがきた

そろそろお風呂入ろうかなと
思っていたのをやめて
自転車に乗って駅に向かう

こんな夜遅くに外に出るのは久しぶりで
全然違う雰囲気につつまれている
いつもの見慣れた街を
通り抜ける


車から降りて
休憩しているタクシーの運転手さん

2人でいるのが
嬉しくてたまらないのが
伝わってくるカップル

暗闇にこうこうと光る
お店の明かり

冷たい空気


全部が細切れのフィルムみたい



駅の改札で娘を待っていると

何語か分からない言葉が
大声で飛び交い

終電を知らせる
駅員さんの声が響く

娘が乗ってるであろう
電車が到着する音がする

フィルムごとに音が変わる


「まま、ごめーん。
わざわざありがとう」

娘の言葉が聞こえ
娘という人物が目の前に現れる

彼女に手渡すお金が私のお財布から出てくる



たくさんのモノが出現して、消えていく
フィルムがコロコロと変わっていく   



寒いだろうと思って
家を出る前に
冬物の棚から引っ張り出してきた
フリースのジャケットを渡す

「ダサっ」と笑いながら、袖を通すのを
笑いながらみている

ふっと何かが変わる

わたし1人から
彼女との2人の空間が生まれる  

自転車をおしながら
彼女の話を聞きながら
家に向かって歩きだす


行きと同じ道だけど
なんだか、違う道のように感じる



「わぁー、きれーい」

目の前にまんまるい月が光っているのが見えた

そういえば、今日は満月だ 


私が決めてることなんて
そこに何もない

このタイミングで
この月を
娘と見るというフィルムが
起きるのは決まっていた


そっか、

全てはフィルムで
起きるべきことが、起きている


「私」の自由意思はない

そこに向かって動かされ
また次の起きることに向かって
動かされていく


ただ、それだけのこと


満月、お財布の中身、冷たい空気
騒々しい駅、すれ違う人、夜の街
ダサいフリース、なんでもない話

そんな
現れては消えていく物事に
意味をつけ
筋道が通るようなストーリーをつくり
それを人生と呼び
まるで「私」がいるような錯覚を起こし
一喜一憂している


でも、本当は
繋がってはいない

現れては消えていく
全部バラバラのフィルム


行為者、選択者としての
エゴの私は本当はいない。



でも
消えたくないエゴの私は
そんなことはないと抵抗する


その抵抗が苦しみを生む
ストーリーをリアルにする



(よく言う
「抵抗を手放しなさい」とは

*行為者、選択者という
「私」はいないという事実
*全ては起きるべきことが
ただ起きているだけだという事実に

抵抗するのをやめましょう

ということ)


エゴの私の抵抗を緩めるには
頭の中の思考を静かにさせること

絶え間なく流れている
頭の中おしゃべりをやめることが必要で


それには
瞑想や呼吸法、エネルギーワーク
運動など身体を動かすことなど
エゴの私から一旦距離を話す時間を持つことが大切



頭の中が静かになると
目の前で起きてることが
バラバラのフィルムで
全然繋がっていないことがみえてくる

ストーリーから抜け出せる

ただ起きることが起きているだけ

私がコントロールするべきことは
何もない

それが分かる


それは退屈なんじゃないかと
恐れてしまうけれど

それはエゴのまやかし


退屈だなんてとんでもない
ここからが本番

小さなエゴの私ではない
大いなるわたしが立ち現れる

この神なる意識のわたしに委ねるという
新しい生き方が始まっていく


曇りのない夜空に
まんまると輝く満月は

エゴという霞が消え
大いなる意識が輝き始めている

そんなサインなんだ♪

そんな気がした満月の夜散歩だった








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