見出し画像

「読書の力」1000日1000冊1000文字チャレンジ 第39日「仕事に効く教養としての『世界史』

読書ノート 2024/4/11

❶[1BOOK]
「仕事に効く教養としての『世界史』」
出口治明著 祥伝社
2014年2月25日初版第1刷発行 2014年4月10日第5刷発行

❷[3POINT +1]
◎「はじめに」なぜ歴史を学ぶのか
歴史を学ぶことは、楽しいことであり仕事にも効く
一部の人は、よく民族の数だけ歴史があると言ったりしますが、その考え方は間違っています。歴史の正しい姿はやはり一つなので、丁寧に文献を読み、いろいろな自然科学の手法を駆使することによって、例えば土器や花粉や地層を調べたりして、いろいろなことがわかってきて、より正しい姿に近づくことができる。それが歴史なのだという気がします。

① 歴史は、なぜ中国で発達したのか
〜始皇帝が完成させた文書行政、孟子の革命思想
☆文字が残る決め手は筆写材料にあった
歴史は、ほとんどが文字で書かれたものです。文字は情報量が圧倒的に多い。絵などと比べると情報量がまったく違うので、文字を抜きにした人間の歴史はないと言っても過言ではないと思うのです。

② 中国を理解する4つの鍵
☆難解で大きな隣国を誤解なく知るために
1)中華思想
2)諸子百家
3)遊牧民と農耕民の対立と吸収の歴史
4)始皇帝のグランドデザイン

③ アヘン戦争〜東洋の没落と西洋の勃興の分水嶺
☆歴史は勝者が書き残す
アヘン戦争が終わり、1858年にインドが大英帝国の植民地になって、中国が列強に切り取られはじめた19世紀に、西洋は何を考えたのでしょうか。もはや地球上に、俺たちに対抗する勢力はない。
西洋が優れていて、東洋は遅れているという19世紀のいまここにある現実は、じつは歴史的にも証明できるのではないかと。
こうして19世紀のヨーロッパの人々がつくり上げた西洋史観、「理想とする」世界史像が、われわれの世界史のベースになってしまいました。

❸[1ACTION]
[実行すること=自分との約束]
自分たちが習った「西洋史観」中心の世界史を見直す。

❹[1episode]
☆おわりに
ですから、とりわけ未来ある若い皆さんには、人生の出来事に一喜一憂するのではなく、長いスパンで物事を考え、たくましく生き抜いてほしいと思います。そのためには、目前の現実にばかり心を奪われることなく、自分のアンテナを高く広く張りめぐらして勉強してほしい。そして、今日まで流れ続け、明日へと流れていく大河のような人間の歴史と、そこに語られてきたさまざまな人々の物語や非喜劇を知ってほしいと思います。それが人生を生き抜いていく大きな武器になると思うのです。
「自分が生まれる前のことについて無知でいることは、ずっと子どものままでいること」(キケロ)なのです。

❺「本を語る」
私の読書歴において、「歴史」は重要であり、出口治明さんは、歴史を学ぶ上での私のメンターです。
[思いついたこと]
この本は、2021年8月12日に取り上げました。そのときの文章を確認すると、「世界史の中の日本」という視点で、ポイントを拾っていました。私は、カタカナアレルギーと偏狭な興味のおかげで、日本史は満点、世界史は0点という極端な傾向を持っていました。香港映画や韓流ドラマにハマったせいで、少しずつ視野が広がり、周辺諸国の歴史、そしてその交流の過程から、ようやく「世界史」へと一歩を踏み出したのです。
[そして]
今回は、「中国」に着目して、この本を読んでみました。そういえば、中学生の頃、「三国志」や「水滸伝」(現代語訳された本です)を、ワクワクしながら読んだ記憶があります。映画やドラマも、歴史物をたくさん見てきましたが、隣国の歴史に登場する「日本」が間違った印象や酷い表現をされることに、少々ムカついたこともあります。
[しかし]
明治維新以降、日本は欧州の列強に「不平等条約」を強要されましたが、それと同じことを韓国や中国などアジア諸国に対して突きつけたのです。強い国への屈辱を、弱い国に対して「雪辱」することによって、日本国内の世論の反発をかわした訳です。その強引な方法の結果が、相次ぐ戦争を招いたのです。知っていますか? 昭和の前半は、軍部の暴走を止められず、中国大陸から発して、太平洋戦争へと発展します。そして「無条件降伏」でようやく終息するのです。これらは「日本史」特に近現代史を自分で勉強することで、得られた知識です。学校で習ったわけではありません。
[だからこそ]
大人になったからの勉強は、大切なのです。大学受験で終わってしまうのは、とってももったいないし、今ではいろんな方法で「学び続ける」ことができます。歴史を学ぶと言っても、石器時代から読み始める必要はないのです。一番大事なのは「直近の歴史」です。自分が生まれる前、自分の両親や祖父母の時代の歴史から学ぶべきだと思います。そうすれば、今生きている人の口から、経験を聞くこともでき、より一層、「歴史」が身近なものとして感じられると思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?