五輪書

◆勝つ為に万事に備える事
才能が無くても自分の能力に応じて鍛錬を努めるべき。
理由は何事においても必ず人に勝つためである。
人に勝つには日頃からなんでも実践実地に活かせるように工夫して文武に励むことで得られる。

◆武器
どんな武器にも得手不得手があるので、よく知る必要がある、これをしないと道具を選ぶ事が出来ない。
道具を偏って愛すると特定な物しか出来ず、杓子定規になり、かえって動きづらくなり勝ちが遠のく。
必要以上に武器を持ちすぎると、不足するのと同じ状態になる。

◆上に立つ人
上に立つ者は自分のいる世界を熟知する必要がある。
大工の棟梁もまっすぐで丈夫な木材だけで家を立ててる訳ではなく、素材を巧みに配置して使う。
まっすぐで節のない木は表の柱に使い、少し節があっても強い木なら裏を支える柱にする。
多少弱くても節がなくきれいな木は戸や障子に使う。
曲がりや弱い木は薪にしたりと適正を最大限に活用する必要がある。
他にも、何事も気を緩めず、油断しない。
大切な要点は自分でまとめること。
部下の気力の上中下を見極める事。
覇気を持つこと。
無理を心得る事。
を薦めている。

◆拍子
浮き沈みは何事もあり、波がある事を知る。

◆9つの掟
①邪心を持たない事(自分のすべき事に注力する)
②道は観念ではなく実践によって鍛える事(頭では無く行動しろよ)
③一芸ではなく広く多芸に触れる事(色々な物に関心を持てよ)
④おのれの職能だけでなく、広く多くの職能の道を知る事
⑤合理的に物事の利害と損得を知る事
⑥あらゆることについて直観的判断力を養う事(本物と本質を見極めろよ)
⑦判断力と洞察力を養うこと
⑧わずかな現象も注意を怠らない事
⑨役に立たない無駄な事はしない事

◆外柔内剛
一見頼りなさそうしていても心の底では強く。
本心を誰にも悟られないようにするのが兵法者。
何か起こった時に構えるよりも、普段から構える身のこなしを身につける。
平常心とはこのように作られる。

◆物事の主導権を握る事が大切
先手を取るためには自分は動じることなく相手の心を見てとり、心の隙きを見つけて一撃を放つ。
素早く動く事は大切だが焦りは禁物。

◆無念無想の打ち
目的の為に全神経を統一する、恐れ不安など雑念があれば負ける。
最初に狙いがつけていた事が外れても、そこにとらわれず、次に当てる所に当てる。

◆各個撃破
集団で戦う時は隊列を見出して個別になった所を打ち込む。

◆自分が有利になる所が戦う
太陽や篝火があれば、後ろに配置したりと自分が有利な場所を取るようにする。
高低差があるなら高い場所を選ぶ。

◆戦う前に相手の情報を知り、相手の目線に立って考える

◆人が動揺する場面は3つ
・危機に直面する
・困難を乗り越えなくてはならない
・予想していない事態が起きる
敵と戦う時はこの場面に陥れ有利に進める。
佐々木小次郎との戦いもこれを実行した。

◆相手の平静を失わせて有利にする
苛立たせる、怯えさせるには、奇襲、不意打ち、伏兵。

◆達人の動きはせかせかしたように見えない
ゆったり動く事は無駄ない、神秘的に見える。

◆水の心
心が何かにとらわれて止めてもいけないし、気を抜いて、注意散漫なのもいけない。
 動きが静かな時も、心は止めてしまわず、動きが激しい時も、心を波たてない常に水のような一定の心に保つ事が大切です。
ブルース・リーのフィール・ソー・グッドもここからきている。

◆物事の本質を突き詰めて覚えてこそ応用が出来る


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