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コロナ禍の夏期合宿⑥

〈銭湯の体験〉

子どもたちは毎日銭湯へ出かけたのですが、初日は女の子9人全員で行ったため、「ほかのお客さんの迷惑になる。二組に分かれて来て」と銭湯の女主人からお叱りを受けました。

そこで翌日からは「洗髪をする組」が最初に出かけ、着替え終わったら連絡をして後発隊が出発するという方法を取ることにしたのです。

合宿の写真のなかには、お風呂の順番を楽院で待つグループで小学生のお姉さんが幼児に絵本を読み聞かせているものがあります。日々の集団生活で、自然に年長者が小さい子のためになにかをしたりする姿が見えるようになりました。

初日には迷惑がられた銭湯通いでしたが、二日三日と通ううちに「音楽を勉強している子たちは行儀がいい。いい子たちだね」とほかのお客さんからもおほめの言葉をかけていただけるようになりました。

それぞれが家庭でするように自分の好きに行動していた子どもたちが、徐々(じょじょ)に集団行動ができるようになり、打たせ湯や水風呂、薬湯などもほかのお客さんの迷惑にならずに楽しめるようになったからでしょう。

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