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テクノロジーが凄いのは、人間が凄いからなんだ。

今日は、Perfume「Reframe Tour 2021」のライブビューイングを見に、
数カ月ぶりの映画館へ。

「Reframe=再構築」の名の通り、
Perfumeの過去20年間の楽曲、MV、インタビュー、ライブパフォーマンスなど、その膨大なデータを再構築し、新しいパフォーマンスとして昇華させる「Reframe」公演。
2018年にNHKホールで初演された公演を現地で観て以来だったのですが、
当時の内容を踏襲する部分もあり、またそこから重ねた3年という時を踏まえてアップデートされた部分もあり、今回も今回でまた楽しめました…!

通常、音楽ライブというと、MCを挟んで2〜3時間というスタイルが一般的かと思うのですが、
「Reframe」公演は、約1時間、途中のMCは一切なし、ノンストップでひたすらパフォーマンスを見せ続けていくという、かなり異色のスタイル。
全編通してライゾマティクスさんお得意の技術的要素がもうこれでもかというほど盛り込まれていて、とにかく圧巻としか言いようがないのは、今回も変わらずでした。

もうとにかく見ていても「凄い」の一言しかないのですが、
何がどう凄いのか、どうにも言語化しようがない辺り、
もはや「エンタメ」というより「芸術」、アートの領域に達していると言っても過言ではないだろうなあ、と思います。


そんなPerfumeの「テクノロジー」的側面を前面に押し出した「Reframe」公演ですが、
2018年の初演の際も、今日の全国ツアー千穐楽公演でも、
最後のカーテンコールのMCで、まったく共通して語られていたことがひとつあったのが、個人的にはすごく印象に残っています。

それは
「テクノロジーって、あったかいものなんだ」
という言葉で。

「テクノロジーというと、無機質・冷たいものって感じがちだけど、
テクノロジーってすごくあったかいものなんだな、って、この公演を通じて感じてもらえたら嬉しいです。」

そんな言葉が、2018年のときも、今日も、同じように語られていて、
公演の内容を改めてかみしめながらその言葉を振り返ると、確かにそうだなあ、と感じます。


たとえば、Perfumeの公演で度々用いられる、
テクノロジーと生身の本人たちが「シンクロ」するパフォーマンス。
シンクロされるのは、ドローンやプロジェクションマッピング、モーションキャプチャーなどそのときどきですが、
そのシンクロ具合があまりにぴったりすぎて、
これは今リアルタイムに行われているパフォーマンスをキャプチャーしたものが技術側に反映されているのか、
それとも事前にキャプチャーしたものに、生身のPerfumeが完璧に合わせているのか、
見ていてときどきわからなくなります。

前者だとするならば、リアルタイムでシンクロを実現させるライゾマさんの技術力がもの凄いし、
後者ならば、過去の自分達にぴったりと息を合わせていくPerfumeのお三方のパフォーマンス力がえげつなく凄いわけですが、
どちらにしても変わらないのは、この「凄いテクノロジー」を成り立たせているのは、人間の熱量・執念なのだ、ということで。

この技術を使って、すばらしいパフォーマンスを作り上げたい。
そのことで、お客さんに楽しんでもらいたい。
そんな強い想いがあるからこそ、これだけ難しい公演に取り組み、実際に成功させる。
1公演、決まった箱でのパフォーマンスを成立させるだけでもさぞかし大変だろうに、
今回は全国ツアーということで、全く違う箱、全く違う環境の中で、同じクオリティの公演を成立させなければならない。
そこには、きっとまた違った難しさもあったはずです。

それをこうやって成立させるのは、
ひとえに「よいものを届けたい」という、関わる人たちの思いや熱意があってこそだし、それを表現するためのひとつのツールとして、テクノロジーが使われている。
そしてそのテクノロジーの土台となっているのは、Perfumeがこれまで20年積みかねてきた歴史の数々で、過去のツアーやリリースなどの要素がところどころに織り込まれているのを見ると、関わる人たちのPerfumeへの「愛」すらも感じることができて。

そう考えると、テクノロジーはそこに関わる人たちの思いそのものだし、
そうやって思いの乗ったテクノロジーは確かに「あったかい」ものなんだろうなあ、と思います。

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