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ミドル世代会社員が新しいことを始める前に実現しておくこと

会社員の副業解禁が話題になり久しいですが、会社の周りの人を見渡すと、副業はおろか、まだまだ本業以外で何かをする(ボランティアやコミュニティー参加含め)ことに壁を感じている方が多いように感じます。

その理由は
・時間がない。
・仕事が忙しくそれどころではない。
・興味はあるけど何からすればいいかわからない。
・そもそも外の世界を知らない。知る機会がない。
などいろいろ聞きます。

おっしゃる通り、ミドル世代は仕事に家族、その他の付き合いなど、物理的なものから、お金の不安、雇用不安、会社や家族の人間関係や、将来不安、など心理的負担も多く、たくさんの負荷が双肩にのしかかっていて、今の状態でいっぱいいっぱいと言う方が多いです。

しかし、ずっとこのままで良いのでしょうか?

この状態は短期的なものではなく、数年~10数年続くこと。
この状況を甘んじて受け入れ、あきらめて日々を過ごしていると、あっという間に数年の時が経ってしまい、気が付いた時には
・定年が目前に迫ったが定年後の目途がない
・やりたい事が出来なくなっている
・会社の人間関係しかない
という状況になってしまいます。

ただ何かを始めるには、それをやる時間を作る必要があります。
そのためには現状の何かを変えなければその時間は作れません。

分かっちゃいるけど、どうしようもないじゃん!
と思われてる方に、ミドル世代の会社員がまず会社でやっておくことについて、私の考えを書きたいと思います。

結論から書くと
会社であなたにしかできない役割を果たす立場を確立する事
そしてそれに集中できる環境を整える事
です。

これは「仕事を抱えよう、立場を守ろう」という話ではなく
むしろあなたがやらなくていい仕事を手放し、自分しかできないことに集中し、しかも揺ぎ無い信頼を得ることに繋がります。

モチベーションを認識する

まず、この自己改革には強い意志が必要です。
「なにかしたい」という曖昧な動機では
人の思考、行動は変わりません。
一瞬変わっても、いつの間には元に戻ります。
まずは
「何をしたいのか、何のためにしたいのか」
をハッキリさせる必要があります。
そういうものが今ははっきりしないと言う方は
「こうなりたくない。この状況は避けたい」
という事から入ってもまずはOKです。

とにかく、なぜ現状を変えたいのかの理由を
ハッキリさせることから始めましょう。

その為の簡単なワークとしては「書き出し」があります。
今後、やりたいこと、その理由を書き出す。
今後、避けたいことと、その理由を書き出す。

一つ注意としては現状の不満は書かないことです。
人の脳は不満を書き出すと、それを回避する思考が働き
逃げに走るか、受け入れてあきらめに走るかの思考が強化され
現状維持を強化してしまう可能性があります。

今がどんな状況であれ、あくまで将来のことについて書き出してください。

沢山書き出していくと、自分の傾向が見えてくると思います。
人は世の中で起きている事、自分に起きている事
全てのことに不満を持っているわけではありません。
得たいことにも、さけたいことにも、何かしらの傾向があるはずです。

時間を作る

得たいこと、避けたいことの傾向が見えて
明確にならないにしても、なんとなく方向性がつかめたら
それを実行するための時間を作ります。

時間の作り方は2つあります。

①日常の中で

よく時間がないと言うと、「時間は作るもの」と言われます。
それはその通りで、24時間1分1秒管理されている非人道的な極限状態であれば別ですが、会社員ならそんなことまずないですよね。
なので24時間の中で、自分が自由にできる時間が必ずあるはずです。

会社員が陥りがちなのが「まとまった時間を確保しなきゃできない」
という風に一番最初のハードルを自分で上げてしまう事。
1日の中でまとまった1時間、2時間をいきなりとるのは相当の精神力が必要です。なのでまずは15分確保できないかから始めましょう。
例えば、日々の振り返り、次の日の予定確認なら5分で済みます。
15分もあれば、読書、勉強、ブログを書いたり

15分というのは、24時間の約1%
毎日1%の複利だと1年365日後には
1.01✕365=37.78倍 の効果になります。
投資と一緒で複利効果は偉大ですね。
複利でなく積み重ねだとしても
1+0.01✕365=4.65倍
この1%がなければ、ゼロはゼロのまま。
1年で今より4倍の効果が出たら人生変わると思いませんか?

例えば私の場合、読書が苦手で積読は得意でした。
以前は最後まで読み切れる本は1年で3冊程度・・・
しかし1日15分確保して毎日できなくても少しずつ読み進めることで
今は月3冊読めるようになりました。
これだけでも12倍の効果です。
この調子で読書できない人から少しずつ脱却していきたいと思います。

②日々の仕事で

日々の仕事の中でも時間を作れないか探します。
しかし単に本業の時間を削ると
残業代や給与が減ったり
周りからの不満が挙がったり
上司の評価が下がったり
するかもしれません。

収入に余裕があり、減給が受け入れられるなら、それでも良いかもしれませんが、減給や低評価は自己肯定感の低下にもつながるので出来ればそれは避けたいところ。最初は良くても、だんだんモチベーションが下がり、継続が難しくなり、結局やりたいことができなくなる事もあり得ます。

なので、今までより短い時間で、今まで以上の評価を得て収入も減らないようにしておくことが大事です。

まず最初に
・無駄なことがないか?
・その会議1時間やらないとダメ?
・出なくてもいい会議はないか?
・他の人にお願いできることはないか?
・もっと簡単にできることはないか?
など探してみましょう。
これも日常と同じで15分捻出するには?から始めるといいでしょう。

得意、強みに集中する

現状の仕事時間から、仕事内容、やり方を全く変えずに捻出できる時間は限られています。今のあなたは仕事で多くの会議や調整、中には雑用もやられてるかもしれません。本当に必要な仕事以外の雑多な作業に追い回されているかもしれません。その状態ではいくらあっても時間が足りないでしょう。

目指したいのは「得意、強みに集中する」という事です。

社会人歴が何十年と長いミドル世代なら、ご自身の得意分野、専門分野があると思います。「そんなのないよ」と思われる方もいるかもしれませんが、自分では当たり前過ぎて、大した事ないと思いこんでいるかもしれません。
仕事の好き嫌い、得意不得意とは関係なく、何かしら長く続けてこられた理由があるはずです。

今まで経験してきた業務、成し遂げてきたこと、会社で評価されたり、重宝されてきた事を棚卸し、その「得意、強みを」を明らかにしてみましょう。そして、その分野に集中できるような環境作りをしていきます。この環境作りにはそれなりに時間がかかります。
なぜなら、今までやってきたことのいくつかを、やめるか他の人にやってもらうかしなければならず、上司や周りの人の理解と信頼関係を築いていなければ、上手くいかないからです。

すでに専門領域でご活躍の方は、その領域での信頼性をさらに上げ、それ以外のことを如何に「やらないか」を意識して、業務調整や仕事の割り振り調整を図っていくと良いでしょう。ミドル世代&専門家であれば多少わがまま言っても、周りも文句は言いにくいもの。多少の図々しさも必要です。

明確な専門がない場合は、難しくなります。まずその「得意、強み」領域での信頼を構築するところに集中します。そして期待されることはその期待の2倍を目指して、期待されていないことも自分が必要とあれば率先してやって行く意識が必要です。長年の経験からくる知恵やノウハウを駆使しながら他の人が気が付かないような細かな貢献をしていくことで、周りの信頼も増していくでしょう。年上だからと言って、口だけ出して自分は何もしないというのは言語道断です。こちらのケースは地道で、それなりの時間がかかりますが、じわじわ他のメンバーに浸透していき、何かあったらあなたに相談してみようという立場が確立できれば、第一弾はクリアーです。

隙間を埋める存在になる

「マイインターン」という映画をご存じでしょうか?
ロバート・デ・ニーロ扮するシニアインターンが、ファッション通販サイトのベンチャー企業にインターンとして入るものの、最初は邪魔者扱いされている中でも自らの役割を見つけ、次第に周りとの信頼関係を築いていくという話です。

映画と同様、「得意、強み」に限らずミドル世代ができることが「隙間を埋めること」だと思います。長い業務経験の中で培った現場感覚や仕事感覚から若い人より俯瞰して客観的に物事を見られる方が多いように感じます。
例えば、いろんな業務経験がある、業務の全体象を知っている、社内の人脈が広い、偉い人とツーカーの中とか。このような方は他の人が気が付かないような、業務の隙間に落ちがちな問題や課題に気が付きやすいのではないでしょうか?

特に忙しい現場では、目の前の業務に気を取られていて、視野が狭くなってしまう方が多いので、そんな時に隙間に落ちている課題を見つけて拾い、問題になる前に解決する、もしくは注意喚起したり、報告したりする。これを繰り返していくことで、「他の人が気づかないことを見つけられる人」という印象が少しずつ広まっていくことになります。

ただし、一つ注意が必要で「他人ごとにしない」ということです。アドバイザーや評論家気取りで口だけ出す人は、信頼にはつながらず、むしろ「忙しいのに口うるさい何もしない人」という印象を植え付けかねません。

自ら解決できればベストですが、自分でできなくても、問題を整理する、解決策を提案する、人脈を使って解決できそうな人を探す。など方法はいろいろあります。丸投げは印象悪いですが、問題を整理して、ポイントを絞って相手が受け取りやすい形にすることも大事です。ただし、自分で抱えてしまっては、むしろ解決が遅れて周りに迷惑になる可能性もある為、上手く周りを頼ることも必要でしょう。

会社の中ではこのような曖昧な役割は定義しにくく、みんな誰かにやって欲しいと頭のどこかで思っているし、問題が減るのはみんな嬉しい。それをあなたが買って出れば、あなたに対する信頼感は上がっていくはずです。とにかくこの段階では「チームや組織を良くするため」を意識して取り組むことが大切です。

時間の使い方を変える

周りの人との信頼関係ができ、自分独自の役割を確保し、周りから頼られる存在になれたら、自分の「得意・強み領域」以外のところを少しずつやめるか、他の人に移管していきます。
手放す順番は
1.効率化する
2.手順化する
3.他の誰かにお願いする
となります。
誰でもできるところまで手順化もしくはツール化しておけば
人にも渡しやすいでしょう。
また、このプロセスに入る前の上司との事前のコミュニケーションも欠かせません。なぜなら上司から評価されていることが前提ですし、他の人に渡していく意味合いも認識合わせしておく必要があるからです。
この説明の為にも最初の「目的」が大事になりますし、所属組織のメリットも説明できる必要があります。

このように、少しずつ、自分の「得意・強み」に集中し、自分がやらなくていいことを、やらない環境を構築していきます。
この状態が構築できれば、仕事時間の使い方はある程度コントロールできるようになるはずです。コントロールできれば残業を減らし、更に余裕を持った働き方も実現しやすくなります。何より自分のストレスが減り働きやすくなるため、他のことにチャレンジする意欲も沸きやすくなることでしょう。

まとめ

まとめると
・目的を明確にする
・隙間時間を作る
・信頼を獲得し、得意・強みのに集中する環境を作る
・時間の使い方を変える
となりますが、いかがでしょうか?
難しいことはなく、決意と多少の図々しさがあれば、誰でもできます。

一時的に忙しくなったり、時にはプライドが傷つくこともあるでしょう。自分がやっている仕事を手放すことに不安を感じることもあるかもしれません。そんな時は「この先、得たい事、避けたい事」を思い出してください。今を変えなければ、いつまでも得たいものは得られず、避けたいものがやってくる未来になってしまうかもしれません。

この環境作りが、新しいことを始める為だけでなく、今の会社で活躍し続けることにもつながります。

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