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カッチンコッチン

ある年の暮れ、気心の知れた学生時代の友人らと久々に会った時のこと。

それぞれ近況報告をしたのだが、紅一点で参加していた女の子の話があまりにも衝撃的だったので、ここに書き残しておきたい。

その子はけっこう長いあいだ彼氏がいなかった。

「で、今年はどうやった?」と聞くと、ちょっとときめくことがあったらしい。相手は、合コンで出会った6つ年下の教師。とにかくマジメで、「いかにも教師!」という感じの人だという。

そのわりに、数回食事に行っただけで、いきなり岡山に一泊旅行へ出かけることになったらしい。

大の大人が二人きりで一泊旅行と言えば、それはもう、そういうことだろう。その子にしてはあり得ないほどの急展開である。

「おお、マジかよ!すげーな!じゃあ当然、そういうことになったん?」

それに対する彼女の答えに、僕らは驚愕した。

「いやそれがな、カッチンコッチンやねん……」

ちょっと待て。そこまで教えてくれと言った覚えはない。

「カッチンコッチンって……。それは、つまり、アレが、そんなことになってたと……」

「え?いや、違うって!マジメすぎて態度がカッチンコッチンやってん! だから結局何もなかってんって!!」

「そうなん?まぎらわしいな!何のダブルミーニングやねん!!」

どうやらその男性からは全くそういうアプローチはなく、こちらからもしなかったので、本当に何もなかったらしい。

そのエピソードを聞いたあと、仲間6人でずいぶん長い時間くだらない話をしたが、ことあるごとに「カッチンコッチン」という言葉が飛び交ったことは言うまでもない。

来年こそは、いい意味でカッチンコッチンでありますように。

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