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世界一美味しいコーヒーを作るという夢が破れた時

コーヒーサビ病が、島国のコナに入ってきた!でも、自分の農園のコーヒーが罹患するなんて思っても見なかった。だって、コロナが始まって、農園で働くのは私達だけ。コーヒーの選定も、ピックも私達だけでやっていた!だのに、2020年1月、一箇所のコーヒの葉に茶色の斑点を見つけた。まさかと思った。そして写真を取って、ハワイのUSDA(農業省)に送った。やっぱりこれがコーヒーサビ病だった。慌てて農園中を見回った。そして数箇所で見つけた。
サビ病に対処できる薬は、とても強い薬品。ガスマスクをつけ、住居に近いところには散布できないし、散布した後もしばらくは普通に入ることは禁止。なんて説明を聞いて、撒くことなんて出来ない!うちには、犬も、アヒルも、羊も居る!自然農でやってきたのに!そんな物撒けるはずがない!
だから、コーヒーは諦めた。
2006年、初めてハワイ島にやってきて、コーヒ農園を始めてから、まずは、コーヒの実を食べる、チェリーボアという虫がコナに入ってきた。一気に収穫が30%以上減った。やっと家のコーヒーの美味しさを知っってもらい、お客様がついて、一年分のコーヒーを売り切れるようになった時だった。コーヒーの賞も獲れた!これで生活していける。そう思った矢先だった。売り先が出来たのに、コーヒーの収穫が30%減った!ショックだった!でもこの時は、自然界に存在するファンガス(菌)を撒くことで、被害を減らすことが出来た。最もそのスプレーも、1年に最低でも4回は撒かないといけなかった。
余分なお金がかかる。それでも、被害を完全に抑えることは出来ない。15%ダメージに抑えることができれば良しとしなくてはいけない。しかもダメージを受けた収穫した実(捨てる実)は、虫の被害を広げないために、洗剤につける。ピッキングのバックも洗剤につけ虫を殺す、、、、手間もお金も余分にかかった。でもこの時はなんとか諦めて頑張った。

でももう駄目。病気には勝てない。そして、天候の不順も、コーヒーの開花、成熟に大きく作用した。雨が多すぎて、コーヒーの甘みが少ない。美味しいコーヒー、自慢できるコーヒーが出来ない、、、、

お天気が又変わり、病気が収まり、又自慢のコーヒーが実るまで、他の道を考えるしか無い。だから、様々な植物を植えることにした。
そうした第二の農業に切り替えて、ほぼ2年。まだまだ植え続けなくてはいけない。どんな天候になるか分からない。今のように雨が多いのか、一度有った、干ばつのような日が続くのかも分からない。だから、どっちにでも対応できるように、育つ果物の木は全て植えていくのだ!

頑張るしか無いのだ!

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