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2023.12 / 健康的に持ち物を減らす

メキシコ人の漁師の寓話を時々思い出す。

↓正式なソースが不明なので、和文と英文があるサイトを引用します


メキシコも見たし、MBA持ち(?)も見た一年。


振り返ると、自分の持ち物が一番パンパンだったのは、2018〜2019年あたりだった気がする。
きらびやかなビルにあるお客さん先に行き、リーダーを任され、連日のPC作業からくる肩こりを治すためにベリーダンスと整骨院に通い、土日は街歩きに参加し、結婚して同居生活も始まった。
その中で、しっくりきていないことがたくさんあった。
自分はこういう肩書で名前を覚えられたいのか、この役割で責任を負っていきたいのか、こうお金を使いたいのか、時間を使いたいのか、パートナーの職場との折衷案で選んだこの土地に住みたいのか。

短期的に見たら、確かに何か積み上がっているだろう。
このままなんとなく仕事上の実績や、家やお金や子どもを積み上げていくこともできるだろう。
でも長期的に見たときに、この積み上げ方でいいのかという疑問があった。


人間やりたいことはたくさんある。
でもやりたいことがどんなにたくさんあっても、持てる時間は一日24時間。
持っているものに何かを足したら、そこから何かを引かないと、いずれキャパオーバーになってしまう。

この「引き算」がなかなか難しい。
ただ一ヶ所から一ヶ所に移るだけだと、「引いた」分はマイナスであるかのように見えてしまうからだ。
前はこんなに稼いでいたのに、前の職場は家からこんなに近かったのに、前はこんなにいい人に囲まれていたのに。

そしてなにより、自分は健康的に引き算したかった。
自分の限界を超えて稼働して身体が動かなくなったら、確かにゼロベースにはなるけれど、そこから何かを積み上げようと思う気力を復活させるのにとても時間がかかる。
ということを高校一年生のときに経験していたため、それをもう一度繰り返したくはなかった。


2020年に転職をして、自分の仕事についてはもっと心の底から語れるようになった。
同時に世界がコロナ禍に突入したことで、ライフスタイルも絞られた。
まずベリーダンススタジオがなくなってしまい、他の方法で健康を維持しないといけなくなった。
そしてコロナ前はよく参加していた大勢の飲み会も減った。
コロナがなかったら、もっと結婚式や結婚式の二次会も参加していたかもしれない。
大勢の飲み会は、色々な人と話すことができていまだに断れないくらい好きなのだけど、もっと財布と健康に良い方法があるのではとも思う。

ライフスタイルの変化はあったにせよ、まだまだ自分の持ち物を減らし切れていない気がした。
そんな中、一年間の留学に行くことにした。
留学中に学んだことはたくさんあるけど、一番の大きな収穫は「健康的にお金や時間の使い方を変える」方法を自分でも実践できたし、世界中の人がどう向き合っているのかを知ることができたことだったと思う。
貯金残高が減ることへの耐性がかなりついたし、東京以外でも暮らしていけることがわかったし、料理する材料があることのありがたみや、友達とホームパーティーなどで語らいながら過ごす時間の豊かさを知ることができた。


そして名古屋での半年間は、日本でも持ち物を減らし続けることができるのかという実験の延長だった。
名古屋には直接会える友達が少なく、正直PCに向かいながらなぜこんなところにいるのだろうと悩む日もたくさんあった。
でも名古屋はとても荷物を減らしやすい場所だった。
街は整っているけど人通りは少ないし、サードプレイスになるような喫茶店は多いし、地下鉄に乗っていてもシンプルな気がする。
なにより対面で話すことができるのがパートナーしかいないので、パートナーと留学に行っていたときの分まで話すことができた。
半年間で家族や知り合いも9名ほど会いに来てくれて、そのことに対してのありがたみも深く感じた。


周りの知り合いが色々なものを積み上げている中、4〜5年かけて、ゆっくりと色々な持ち物を減らしてきた。
健康的に減らすというプロセスの底が、だいぶ見えてきたと感じる。
そして2024年は「自分で住む場所を選ぶことができる」という、自分にとって生きる力の根源であるプロセスが、すぐ手元まで戻ってきている。
自分が暮らしたい場所で、一緒に話したい人と、やりたいことをやる。
そんな旅路にわくわくしている。


最後に、健康的に減らすプロセスがだいぶ底をついてきたので、その底から「自分がやりたいからやる」力も湧いてきた。
その一つが、自分と社会のつながりについてみんなで話す、TAKIBIだ。
パートナーと準備しながら話すのは、TAKIBIは自分とパートナーが毎晩やっていることだし、TAKIBIの原型は我々が出会ったきっかけだし、たとえTAKIBIに誰も集まらなかったとしても、自分たちはきっと話し続けるよねということ。
でもTAKIBIが必要なのか、何か学びや気づきや行動を生み出すのか、あえて世界に問いたい。
そういう想いで、1/27と1/28に向けて準備を進めている。


前例も実績もない中、一緒にお話ししたら面白いと思うのですが参加しませんか?といつもお世話になっている方にひとりひとりお誘いする。
たとえ参加できなかったとしてもお返事をもらえるだけで、読んでくださってありがとうございますという気持ちに包まれる。
投稿へのいいねやPeatixのフォローをしてくれるだけで感動する。
参加しますという連絡を受けると、それだけでエネルギーが湧いてくる。

「何も持っていない」ということはこんなにもパワフルで、ありがたいことなんだ。
同時に、自分は今まで、挑戦している人のことを心から応援できていなかったのではないか?
「自分はこんなに辛いことを頑張っているのに、あの人は自由に挑戦して」という気持ちが心の中に渦巻いていたのではないか。
そう猛省するくらい、今自分がTAKIBIに向かう気持ちは、青空の中の飛行機雲のように白く、ただ一本線だ。
何かを持っていても、持っていなくても、自分はただ自分であり、今日いただいている時間をせいいっぱい生きたい。


今年つながってくださったみなさん、本当にありがとうございました。
2024年も自分に素直になれる一年になりますよう。


▶︎TAKIBIのPeatixページ


▶︎TAKIBI開催についての想い


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