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世界一美しい背中を追いかけて

スポーツはするのは苦手だけど見るのは大好きで、種目関係なくなんでもできれば現地観戦したいと思ってはいるのですが、野球に関しては球場で観るのは正直ハードルが高いなと感じていて……。

私は応援歌やグッズでガンガン応援するというタイプではなく、一球一球じっくり落ち着いて観たい派なので、隣の席の人がガンガンいこうぜタイプだとちょっとなぁ……と尻込みしてしまい(実際そういう人が隣になってしまい試合に集中できなかったことが。座席選びは難しい……)、さらにコロナ禍ということもあり、球場から足が遠のいていました。

ただ、そうも言ってられない時が来ました。

同い年でひそかに応援しているオリックス・バファローズの能見篤史投手兼任コーチが今季限りでの引退を表明したからです。

気づけば高校球児が年下になり、いつの間にかプロ野球選手も年下の選手ばかりになって、そしてついにこの時が来たかと。選手としてのユニフォーム姿、現地で観たいなと思う反面、先の懸念事項もあって引退試合に行くかどうしようか迷っていましたが、友人2人が「行きたい!行こう!」と言ってくれて、9月30日、引退試合とセレモニーを観に行ってきました。

いつぶりの球場か思い出せないくらい久しぶりの京セラドーム。仕事終わりに駆け込むと、隣には心強い友人。心配した反対側の隣の席の方は、変に大騒ぎしたりせず、比較的落ち着いていらしてホッとしました。

カメラを手にして10数年。人を撮るのが大好きで、甲子園での阪神戦にも何度かカメラを持って行くことはありましたが、先発の巡りあわせに合わず能見投手を撮る機会はありませんでした。ピッチャー能見篤史を撮れる最初で最後のチャンス。撮影技術は全く持ち合わせてないけど、あの美しいワインドアップを生で見られたこと、撮れたことは最高の喜びでした。

手足の長い能見さん、撮るなら基本縦!という先人の教えをツイッターで見かけたので縦で。すらっと真っすぐ伸びた背筋と腕、そこからのしなやかなフォームが本当に美しいです。世界一は決して言い過ぎじゃない。

この日取れた席は3塁側の内野指定席。比較的グランドが近い席で、目の前のネットにピントがあってしまうのを外してから撮るのにちょっと苦労しましたが、技術がないなりに自分にできる範囲で撮ることができました。全然上手くないし、もっと綺麗に撮れたらよかったけど、今の技術と機材でできることはやりきったので、悔いはないです。

ずっとこの背中で語ってきたんだなと、ファインダー越しに、そして直接自分の目で見つめることができて、球場行ってよかったなって思いました。

カメラはSONYのα6000を長らく愛用しています。レンズは本体に同梱されてた55-210mm。全画素超解像ズーム(だと思うたぶん)という機能を使って撮りました。

前列の人の頭が右下に入っちゃってるし、ピントも甘いし、後ろ姿で表情はわからないけど、バファローベルちゃんとお話ししてるかのように撮れたこの一枚、わりと気に入ってます。

感動的な映像が流れた後に感動のスピーチ……のはずが、途中で飛んでカンペを取り出すというほっこり展開に、泣き笑いで寂しさを吹き飛ばしてくれました。「やりきりました!」の清々しさにこちらまで爽やかな気持ちになれました。

引退セレモニーは済んだけど、まだ投手兼任コーチです。そうです、明日から日本シリーズが始まります。出場資格者名簿、投手欄にしっかり名前があります。コーチとしてはもちろん、投手としての仕事はまだ終わっていません。

今年こそ日本一になって、もう一度胴上げを。そしてこの美しくて強い背中を、戦いに挑む姿をもう一度見たいです!「全員でW(笑)おう!!

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