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平成最後のマンバ読書会!『2010年代のマンガ』イベントレポート【2019年4月】

4月24日(土)に、東京・渋谷区道玄坂にある『BOOK LAB TOKYO』にて開催した平成マンガを振り返る会 最終回『2010年代のマンガ』。

今回もスペシャルゲストとしてご参加いただいた、マンガソムリエの兎来栄寿さんによるイベントレポートをお楽しみください!

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都内では桜も散り冬のような寒さから一足飛びに初夏のような暑さを帯びてきた今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。マンガソムリエの兎来栄寿です。

令和を目前に控え、平成を残すところあと10日となった4月20日(土)。平成を振り返って平成マンガを語る会の第3回目にして最終回、『2010年代のマンガ』を語るマンバ読書会が行われました!

土曜夜の渋谷、ハチ公口を出るとFREE HUGの看板を持ったり配信をしたりする若者たちでジョジョ3部のインドのようなカオスっぷり。

人混みをかき分け、マンガが大量に入った鞄でアスファルトを切りつけながら向かったのは道玄坂の途中にあるとてもオシャレな「BOOK LAB TOKYO」さん。ここがこの日の会場でした。

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広い!
明るい!!
天井も高い!!!


大変にオシャンティな空間でした。

「あまりにオシャレ過ぎて萎縮してしまった」
「本当にここで合ってます?」

という方も(笑)

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イベント開催中にはスクリーンで隠されてたのですが、実はその裏には……

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とても素敵なラインナップのマンガコーナーが!

かげきしょうじょ!!』、『我らコンタクティ』『チェンソーマン』などシブいチョイスを見せる列に面陳された『生理ちゃん』から、只者ではない棚のオーラがひしひしと。(※ちなみにイベントの翌日、『生理ちゃん』が第23回手塚治虫賞短編部門を受賞することになりました)

上段には昨年末のマンガプレゼン大会で優勝者が推していた『村井の恋』の姿も。

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個人的に2018年の一押しだった新井英樹さんの『セカイ、WORLD、世界』も! 棚を通して対話ができるようなこういう棚は、とても素敵で大好きです。

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そして、今回のイベントではおしゃれなカウンターからドリンク提供も可能でした。

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オーソードックスなメニューに加えてアマレットジンジャーなどが含まれている所がまたオシャンティですね。

思わず「酒!飲まずにはいられないッ!」というテンションになりかけましたが、司会業を控えていたためグレープフルーツジュースを飲みながら素数を数えて心を落ち着かせました。

そうして会場時間になると、さっそく参加者の方々がそれぞれの推しマンガを持って続々と来店。

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2010年代の様々な名作を、本当に溢れんばかりに数多く持って来ていただきました。

会がスタートすると、まずはテーブルごとに歓談しながらの『自己紹介タイム』

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毎回お馴染みとなっている、自己紹介シート。
ここに書かれた最近の推しマンガや好きな作家などの情報も用いながら、同じマンガ好き同士で距離を縮めていきます。偶然、最近の推し作品に『アオアシ』と書いている方が2人いて、それをきっかけに盛り上がるシーンも見られました。

次に、前回から始まった『クイズタイム』

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マンバのマスコットキャラクターであるマンバちゃんが様々な作品の色々なキャラのコスプレをしているこのフライヤー。それぞれどの作品の誰なのかを当てていきます。この日は非常にレベルが高く、3チーム中2チームが9問正解、残る1チームが全問正解という接戦でした。

皆さんは何個わかるでしょうか?
答えが気になる方はこちらにて!

その後は、僭越ながら私による『マンガトーク』

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90年代の回では「発行部数から見る90年代作品と師弟関係、女性の社会進出とマンガ界への影響、BLの誕生」、00年代の回では「web・携帯端末マンガの勃興、セカイ系と萌え」というテーマで語らせていただきました。

今回は、2010年代に入ってからのマンガのトピック(『花のズボラ飯』『孤独のグルメ』に端を発する一大グルメマンガブーム、Web・アプリマンガの台頭、各マンガアワードの新設、リバイバルブームetc...)を押さえつつ、Twitterによる大きな影響などもふまえて、作品の作り方・宣伝の仕方自体が大きく変化している現在について語りました。

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ちなみに、どれだけグルメマンガが今多いかをどうにか一目瞭然の形で示そうとしたのが上記の画像ですが、これだけあっても2010年代のグルメマンガの1/10にも及んでいません(笑)

その後、参加者が持参したマンガをすべて並べての『撮影タイム』

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この10年の中で現れた珠玉の作品たちが、凝縮されて一堂に会している画は非常に胸が熱くなりました。

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電子限定販売で紙の本がない作品もありますが、わざわざタブレットで『不朽のフェーネチカ』を出してくださった方や、

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ジョギリ屋ジョーがやって来る』を光沢紙に印刷して持ってきてくださった方も!

皆さんの愛の強さ・熱量に、昂ぶることしきりでした。

撮影会が終わった後は、各自テーブルに戻って『読書タイム』

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興味のあるもの、薦められたものを各々読んでいきます。そして読んだ後にお互いにそのマンガの良さを語り合う『感想タイム』

「普段自分からは読まないような作品に触れられて楽しかったです」

という感想もありました。

その後、席替えを挟んで『テーマトーク』のコーナーへ。用意されたいくつかの「お題」をランダムに引いて各テーブルで語り合っていきます。
ちなみにお題は任意でどんどん次のお題をめくって行ってOK。

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「推したいマンガ」では、「個人的には『映画大好きポンポさん』より『猫村博士の宇宙旅行』」と熱く語る方がいらっしゃり、その場でポチる方も。

「Twitterでバズったマンガ」のテーマでは

「Twitterでバズったといえば『ファイアパンチ』」
「『こぐまのケーキ屋さん』も書籍化がとても早くて、しかも売れててすごい」
「『オンラインの羊たち』は平成初期のインターネットを描いた作品なので令和前に読むと良いかも」

という声も。

さらに、「推したいマンガ」での一幕。
先日サンデーに掲載された最終話を読むために、わざわざ有給を取って聖地に行ってきたという『初恋ゾンビ』への愛が止まらない方が、熱弁をふるい、布教用の単行本を初対面の方にプレゼントしておりました。

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マンバ読書会での宗教の布教はNGですが、こうした作品やキャラクターの布教活動は大歓迎です!

中にはマンガの装丁について語っていらっしゃる方も。

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『良いコミックデザイン』(発行元: PIE International)

ストーリーやキャラクターはもちろんのこと、様々な切り口で語れてまたそれが楽しいのもマンガの魅力ですね。

この日も大盛況の内にイベントは終了。「まだまだ語り足りない!」と二次会にくり出す方も沢山いらっしゃいました。

令和になっても末永く、過去のマンガも新しいマンガも楽しんでいきたいですね。

次回のマンバ読書会は5月18日(土)に池袋『Cafe & Bar しょかんさんにて「懐かしい少女マンガ・女性マンガ」というテーマで開催します。

また、テーマは未定ですが6月29日(土)にもマンバ読書会を開催予定です。ぜひ一緒にマンガについて語りましょう!


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