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ぼくの持ち物(不思議の国のアリス イカレお茶会のフィギュア)

不思議の国のアリスが好きだ。
特に好きなのはマッドハッター(気狂い帽子屋)で、イカれたお茶会のシーン。

アリスの実写映画化は今までに沢山あって、有名なのはティムバートンの作品だと思う。その映画では、マッドハッターをジョニーデップが演じており、アリスと同じかそれ以上に、主人公のような描かれ方をしている。

このティムバートン版のアリスは、もちろん嫌いではない(そもそもティムバートンは大好き)けれど、大好きなマッドハッターの描き方として僕が本当に好きなのは、1999年に実写化されたニック・ウィリング監督の「アリスインワンダーランド」で間違いない。実写化という意味では、とにかく原作の挿絵に忠実で、特に僕の大好きなマッドハッターや、3月ウサギなどのお茶会メンバーのシーンが素晴らしいのである。

さて、映画の話はこの持ち物からやや脱線するので、フィギュアに戻ると、見ての通り、こちらのフィギュアはディズニーのアニメ版「不思議の国のアリス」の造形物だ。

これが原作の挿絵を元にした、海洋堂のフィギュアのジオラマであれば100点満点だが、ディズニーの良さとしてはカートゥーンばりのパースの自由さと、今にも動き出しそうな(この表現は中々自分で使うことがないのでちょっと恥ずかしい)躍動感あふれるポージングが一つの台座の上で表現されていることだと思う。

よく見ると、台座自体は土?木の幹?アリスの世界に出てきそうな大きなキノコの茎?のような縦線のややねじれた形で、正面には物語の雰囲気にあった丸まった羊皮紙に「ALICE」の文字が印字されている。

ちなみにこの商品の正しい表記は、
「スクウェアエニックス フォーメーションアーツ 〜不思議の国のアリス〜全5種」で、他のディズニー作品のこうしたジオラマフィギュアもあるので、気になった人は自分の好きな作品を探してみると楽しいと思うよ。

台座の上はお茶会のテーブルになっていて、シーツが卓上に敷かれているが、テーブル自体は波打っていて水平ではない。それに合わせるようにいくつかのカップ、ポット、平皿がパースをふにゃふにゃさせながら踊るように並んでいる。ごちゃごちゃした机を持っている人なら分かると思うが、このテーブルもそうした多様な食器やらケーキやお菓子が積み上げられている愛らしい場所なので、見ているだけで楽しい、、、!

目線を上げると、左からアリス、マッドハッター、3月ウサギがお茶を楽しんでいる。本当はここに眠りヤマネがいるのだけど、4体目は予算、はたまた造形の物理的成約で実現できなかったのかもしれない。たしか、ポットの中で寝ている描写もあったので、大きめの黒いポットの中にいる設定の可能性もある。

フィギュアを後ろから見ると分かることで、実はマッドハッターも3月ウサギも席にはついておらず、踊っているのか、答弁しているのか、とにかく落ち着きのないキャラクターが見事に再現されているのも嬉しい。
3月ウサギが注いだお茶はカップからあふれ、そのままソーサーに滝のように流れ落ちている。テーブルの端にあるポットの注ぎ口からは湯気が黙々と立ち上り、蛇のように渦巻いている。

このジオラマフィギュアは、不思議の国のアリスのお茶会シーンの魅力をこの小さな台座の上に素敵にギュッと詰め込まれているので、机の上(散らかった)などに置いておくと、あら不思議。ちょっとだけ愉快になると思う。

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やや古いモノなので、細かい造形の隙間についてしまった埃などを、いかに綺麗にするか。今後の課題となった。綿棒、かな。

おしまい


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