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『チコちゃんに叱られる』漫画版と、ビートたけしさんによる『ちびまる子ちゃん』評

先週末、娘2人を連れて書店を訪れたら、『チコちゃんに叱られる』の絵本が店頭に置かれていた。

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チコちゃん、人気だな~。子どもに人気で年末の紅白にも登場してたし…と思いつつ、書店を歩いていると、漫画雑誌のコーナーで再び、チコちゃんに出くわした。

別冊「コロコロコミック」の表紙にチコちゃん

「え、コロコロ…?男児向け漫画誌でチコちゃん??」と驚いた。ちなみにこちらは別冊で、隣には「コロコロコミック」本誌もあった。

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「コロコロコミック」表紙にも、小さいけれど、チコちゃんがいる。(ドラえもんの頭の上です。)

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「コロコロコミック」で漫画版チコちゃんが連載スタート

家に帰ってコロコロのサイトを見てみると、「コロコロコミック」でチコちゃんのマンガ連載がスタートしたらしい。

コロコロコミック>今月の見どころ

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立ち読みはこちら」をクリックすると、1話がまるまる読める。テレビとは違って、チコちゃんの日常を描くような流れ。全体感は悪くないけど、トリビアにもう少しにエッジが欲しいような…。絵もかわいいし、単行本が出たら娘と読むために買おうかしら。

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「チコちゃん」は男児にも人気?

我が家には娘2人しかいないので、男児の様子はよく分からない。でも、「コロコロコミック」で連載を出来るということは、チコちゃんは男児にも人気なのだろう。

うちの娘2人もチコちゃんが好きだ。なんで好きなのかはよく分からない。

チコちゃんみたいな女児キャラクターが人気を得るのは、結構珍しいのではなかろうか。男の子だから男のキャラ、ではなく、性別不明な妖怪やロボット、女のキャラが好きでも良い。ランドセルの色が増えたように、子供たちには多様な選択肢を提示したいと思う。

軽く自分の記憶の中で「男児に人気の女の子キャラクター」を思い浮かべたが、思いつかず。例えば『ちびまる子ちゃん』を見ている・読んでいる男の子もいるだろうけれど、まる子が男の子に人気とは思いにくいような…。

30年前に始まった『ちびまる子ちゃん』

『ちびまる子ちゃん』は私が小学生の頃、「集英社りぼん」で連載していたマンガである。私はアニメ化前から「りぼん」の連載を読んでいたが、アニメ化して、国民的アニメになるなど、想像してなかった。

絵もうまいとは言えなかったし、友達との間でも、岡田あーみんさんの『お父さんは心配症』や『ルナティック雑技団』の方が人気だったので、「おどるポンポコリン」のヒットと共に、国民的漫画となっていくのが不思議な感じだった。

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ビートたけしさんによる『ちびまる子ちゃん』評

ちょっと前にビートたけしさんの『「さみしさ」の研究』を読んだ。たけしさんが老いや死をテーマに書いたエッセイ集である。

この中で、近年、主に2018年亡くなった著名人との思い出を語っている。その中の1人が、『ちびまる子ちゃん』の作者、さくらももこさんであった。

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『ちびまる子ちゃん』には「タケちゃんマン」に扮したビートたけしさんが登場する。ウマが合ったとのことで、漫画をきっかけに、プライベートでも仲良くしていたらしい。

この中でたけしさんは、さくらももこさん、あるいは『ちびまる子ちゃん』について、こう評している。

(『ちびまる子ちゃん』は)一見して子供向けのように感じるけど、実はシニカルな視点がある。まる子ってのは単に素直な子どもじゃなくて、物事を裏やナナメから見て、ずる賢く立ち回ろうとするところがあるから面白いんだよね。だから子供だけじゃなく、大人も楽しめる作品になる。
最近になって、シニカルな笑いができる女芸人がちょいちょい出てきたのも、さくらももこの影響じゃないか?そういうセンスを子供たちに広めたのは、すごく価値のあることだと思うよね。PTA推奨じゃない笑いを、誰も嫌がらない形で広めたのはすごいよ。

※()部分は私が加えました

読んで、ああ、この視点はなかったなあ…と、感心した。

私はお笑いのことが分からないので、たけしさんが指す「シニカルな笑いができる女芸人」が誰を指すのかは分からないが、女性芸人の種類や特徴、バリエーションは増えたと思う。

そういった変化の発端を『ちびまる子ちゃん』に見る、という発想が面白い。

コンテンツが持つ影響力

自分が漫画を読んで、アニメを見て育ったのもあるが、コンテンツの影響力はバカにできないと思っている。

『ちびまる子ちゃん』が”女性のお笑い”を変えたように、『チコちゃんに叱られる』の人気も、何かを変えるんじゃないかな~と思っている。

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