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中学生と公衆電話

小学生から、中学に進学したタイミングで、子供にスマホを持たせる家庭は、そう少なくない。

実際に、それを示すデータがある。

個別指導学習塾の明光義塾が行った調査では、中学生のスマホ保有率50%という結果も出ている。

引用元:https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00442/

それほどまでに、令和時代では、スマホ所有の低年齢化が進んでいるのだ。

これが意味することは、やはり今を生きている子供達、そして、これからを生きていく子供たちが

ICT(Information and Communication Technology「情報通信技術」)と共に暮らしていくということを表しているのだと想像できる。

ほとんど見かけなくなった公衆電話

都道府県別公衆電話の設置状況についてhttps://www.ntt-west.co.jp/info/support/univ/pt/02.html

私の記憶だと、20年程前は、コンビニには必ず公衆電話があった記憶。

公衆電話ボックスもあちこちにあり、当時のドラマでは、恋人通しの切ないシーンや、刑事ドラマでの犯人とのやりとりに、欠かせないツールだった。

今となれば、公共施設や交通機関の一部、学校などといった、限られた場所にしかないレアアイテムの位置付けになった様に思います。

参考データ:通信機器保有率の推移

引用元:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd252110.html

 
プライベートにおいては、スマホでのやりとりで事足りていることになる。

そして、現代のコミュニケーションツールとして、主軸ともいえるLINEの普及は、中学生あるいは親のスマホを借りるなどして、小学生までもLINEで友達とやりとりをしている。

引用元:2020年一般向けモバイル動向調査

参考サイト:https://www.moba-ken.jp/project/others/sns_index.html

ある公衆電話のエピソード

プライベートでは、スマホを使いこなす中学生にとって、電話をするのに困ることはない。

それが、中学生にあがると突如現れる、公衆電話の存在と、頼らざるを得ない状況。

とくに、一年生にとっては、とても新鮮な存在となる。そして、始めて学校で使う事が、少し照れくさい。

操作方法がわからない相手が、便りの綱となるとは、思ってもなかったのだろう。

初めてのチャレンジを楽しめる子であれば良いが、使えないことで、戸惑う事を恥ずかしいと感じてしまう子にとっては、どこかで、使い方を学ばなければならないし、試しに使ってみたいと思うようだ。

10円を使った電話のかけ方。

テレフォンカードを使った電話のかけ方。

そして、どんな手順で通話をするのか、繫がっている時間はどれくらいか。

ある中学生1年生は、保護者と一緒にいる時に、コンビニで公衆電話を見つけ、少し照れくさそうに、でも目を輝かせ、こう言った。

「試しに(保護者のスマホに)電話かけても良い?」

そばで、保護者の見守りとアドバイスを受けながら、10円の活用方法を習得したその子は、小さな成功体験を胸に、後日、学校から下校時間の変更を伝えるために、休み時間を使って、保護者のスマホに電話をかけた。

その様子は、ただ要件を伝えるとそそくさに電話を切ったという。

周りに、会話の様子を聞かれないように慌てている様に感じたと、その保護者が子どものチャレンジと成長のエピソードを嬉しそう話してくれた。

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