月と六文銭・第十四章(65)
工作員・田口静香は厚生労働省での新薬承認にまつわる自殺や怪死事件を追い、時には生保営業社員の高島都に扮し、米大手製薬会社の営業社員・ネイサン・ウェインスタインに迫っていた。
田口はターゲットであるウェインスタインの上司・オイダンに狙いを定め、二人きりになるチャンスを作ろうとしていた。部屋はまずいので、車で出かける機会を作りたかったのだが…。
~ファラデーの揺り籠~(65)
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「マナーのしっかりしたベテランのホステスさんですよね?」
「ベテランかどうかはわからな