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口紅の魔法

昔からコスメが大好きで、母のドレッサーにあった口紅を友達が遊びにきたときに塗ってみせて、あとで母に「勝手に塗ったでしょ!」と怒られたことを覚えています。「塗ってない!!」と言ったけど、私の唇はさぞかし赤かったことでしょう。あの口紅はディオールだったと思う。

赤い口紅というのは幼い頃から刷り込まれたメイクの基本アイテムというか、いや、赤い口紅ほど難しいものはないと今は思うのですが、やはりこうバチっとキマッた赤い口紅を纏ってみたい思いはあの頃から消えることなく灯り続けている願望であります。

私の中で赤い口紅といえば、シャネルがゲラン。えぇ、偏見です。シャネルかゲランの赤い口紅が似合えばもう一丁前の女だろ、みたいな。最近はここにトムフォードが加わりました。学生の頃、意を決してそのゲランのカウンターに向かいました。当時、ゲランといえば上品で裕福なマダムのお化粧品、というイメージがありまして、それはそれは勇気が必要でした。こんな小娘が来るんじゃないわよって思われるんだろうなって。それでもいい、ゲランの口紅がどうしても欲しい、と欲望が上回っての帰結でした。

ミラーつきの深い赤の口紅を見立てていただき、それはそれは大事に使っていました。友人や親戚の結婚式など、一大イベントで絶対に使ってたなぁ。それからしばらく、すっかり足が遠のいていたのですが、最近再び戻ってきました。赤い口紅ではなく、今流行りのティントリップ。相変わらず高価格帯のものも多いですが、若者層もターゲットにしたティントリップをゲランが出したことに時代の流れを感じますね。

これまでの人生でいったい何本の口紅とグロスを買ったのか、恐ろしくて数えたくもないですが、最後まで使い切ったものはほとんどありません。消費期限までになかなか使いきれない…が、ゲランのキスキスビーグロウは使い切りました!!まるでリップクリームのようにスルスルと塗れ、故に、急いでる時はリップクリームを塗らずに直接これでも大丈夫。一見ギョッとする色ですが、塗布するととてもクリアでほんのり色付くくらい。でも確実に顔色は明るくしてくれる。ノールックで無問題なのでバタバタしてるお出かけ前も外食したあとも、ささっと塗れる。使い勝手が抜群なのです。ムチっとした潤い感も最高です。そしてなんと言っても見た目がかわいい。上がる。ここ大事。先日、お出かけ前に塗ろうと思ったらもう2.3ミリしかなくて困惑、無意識にゲランのカウンターに向かい気が付けば新しいものを購入していました。それくらいなくてはならない存在になってしまったキスキスビーグロウ。幼い頃からなにも変わらない、今も私は口紅の魅力に取り憑かれたまんまです。

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