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南砺市桜ヶ池でゼミ・研究活動発表!~学生大会後編

前編はこちらから!

湯涌温泉街から南砺市桜ヶ池に移動!

1日目の湯涌温泉から富山県南砺市にある南砺市クリエイタープラザ(以下、桜クリエ)に移動して、学生大会“MANOYAMA U-25”の2日目が始まりました。
 2日目の午前中はフリータイム。早めに現地入りし、桜クリエ内にあるアトリエで展示を見たり、カフェトリアンを覗いてみたりする参加者もいれば、屋外のテーブルで発表の打ち合わせをする姿もみられました。

三者三様のプレゼンテーション!

 2日目の午後は、参加学生 による研究発表・ゼミ活動発表です。今回は、金沢星稜大学(石川県)、敬和学園大学(新潟県)、横浜国立大学(神奈川県)から3つのエントリーがありました。(※1つの発表につき、発表時間20分・質疑応答10分)

  1. アニメコンテンツを使用した地域振興に関する研究:白川郷とアニメ『ひぐらしのなく頃に』(金沢星稜大学 石川ゼミ4年 清水瑛心)

  2. 須川スタジオにおけるポピュラー文化を使った実践について(横浜国立大学 須川スタジオ3年 隈元凪・須藤健太郎・諸見里真生)

  3. 地域資源を活用したゲーム制作について(敬和学園大学 松本ゼミ3年 大湊士・清田耀介・杉山高天)

敬和学園大学・松本先生からひとこと

アニメコンテンツを使用した地域振興に関する研究:白川郷とアニメ『ひぐらしのなく頃に』

最初の発表者は、毎月のように白川郷に通っている清水さん。彼によれば、白川郷とアニメ『ひぐらしのなく頃に』に関する研究は意外にも少なく、神田孝治先生による研究ノート等(例えば、神田孝治, 2012, 「白川郷へのアニメ聖地巡礼と現地の反応 : 場所イメージおよび観光客をめぐる文化政治」『観光学』7: 23-28. DOI: 10.19002/AA12438820.7.23)の報告はあるものの、いずれも10年以上前の白川郷が調査対象であることが報告されました。

その当時と現在では、白川郷と『ひぐらしのなく頃に』シリーズの関係もいわゆるアニメ聖地巡礼に対する人びとの認識も変化しているため、現在の両者の関係を考えたいというのが、卒業研究のきっかけだそうです。調査は現在も継続中かつ分析も作業途中ですが、白川郷(村)ではCOVID-19による観光客の激減とその回復方法を議論するなかで、『ひぐらしのなく頃に』シリーズを活用するに至ったのではないかとのことでした。2023年2月に白川村役場観光課と竜騎士07先生の名前で公式コラボマップが発行されたことは、驚きをもって受け止められた側面もあるかもしれません。

卒業研究完遂まであと少し!今後のさらなる調査・分析、そしてそれらを踏まえたうえでの考察に期待したいですね。

作品のTシャツを着用し発表する清水さん

須川スタジオにおけるポピュラー文化を使った実践について

続いての発表は、中止となった昨年度からこの学生大会に参加したいと考えていたという須川スタジオの3名、隈元さん・須藤さん・諸見里さんによるスタジオ活動発表です。須川スタジオでは「ポピュラー文化を通じて、都市とコミュニテイを考える」をテーマに活動していて、その一環として毎年さまざまな企画を立案・実施しています。

発表では、まず先輩たちが携わった2021年度のプロジェクトから、現在自分たちが関わっている「YNUミュージアム」プロジェクトが時系列で紹介されました。その上で、大学の敷地内にあるYNUミュージアムの周知ならびに大学周辺の地域住民と大学生とのつながりをつくるという2つの目的に対して、どのようなアプローチで挑もうとしているかについて話がありました。

香川県男木島のSummer Pocketsの事例を参考にしながら、今後プロジェクトを前進させていくそうです。なお、会場からは、マネタイズや大学構内・敷地の開放度(散歩する近所の人はいるのか?等)に関する質問が挙がりました。


発表後、金沢・高岡・高山へ向かった3人。城端の町を散策した学生も。

地域資源を活用したゲーム制作について

最後の発表は、敬和学園大学松本ゼミの大湊さん・清田さん・杉山さんによるゼミ活動発表です。松本ゼミでは、大学が立地する新発田市で生まれ育ったり、在学中は新発田市に住んでいたりする学生であっても、新発田という地域に関心が薄いことが地域課題だと考え、その改善方法として「ゲーム」に着目しました。具体的には、市内にある新発田城や諏訪神社をゲームの舞台とし、新発田にゆかりのある人物やアヤメの花、アスパラガス、金魚台輪(山車)などの地域資源をモチーフに登場キャラクターを創作し、RPGゲームを制作したことが報告されました。

会場では試作段階のゲーム「妖トラベル」を体験しましたが、敵はかなり強かったですね。今後はゲームを完成させ、大学祭等のイベントで幅広い方々に体験してもらいながら、まずは新発田という地域に興味を持ってもらうきっかけづくりを目指すそうです。

質疑応答では、横浜国立大学の学生から「大学生と地域とのつながりをつくるという点では、私たちの活動と問題意識は共通していると思った。ただ、全国各地から集まってきた学生が多い横国と、新発田市や新潟県出身の学生が多いみなさんの大学では、構造や状況が異なると感じた。」という意見が挙がったことが印象的でした。

新発田市の地域資源をモチーフにしたキャラクター。キャラデも松本ゼミの学生による。

最後に

3者のプレゼンテーション後に、間野山研究学会副会長・佐竹さんから講評をいただき、2日間の学生大会“MANOYAMA U-25”は終了しました。終了後に記念撮影を。

年齢や居住地、普段学んでいること等が異なる人びとが出会い、接点をもち、交流すると、新しい化学変化が起こるのではないか、予想もしていなかった質問が飛んでくるのではないかと、わくわくしますね。

2024年度も引き続き開催する・・・とは決まっていませんし、まだ白紙の状態ですが、ぜひ継続させていきたいと思った2日間でした。

最後まで読んでいただいたU-25の皆様、来年度のご参加お待ちしていますー!

間野山研究学会副会長・佐竹さんによる講評

(※今回、参加者は全員大学生だったため便宜的に「学生」と表記しました。MANOYAMA U-25は25歳以下であれば参加できますので、U-25の皆様の来年のご参加をお待ちしております!)

書いた人:石川美澄

金沢星稜大学経済学部 准教授(博士:観光学)。
旅行会社勤務、共栄大学専任講師を経て2018年4月より現職。最近の研究関心は、頻繁に移動する人びとのサードプレイスのあり方とビアツーリズムによるまちづくり。間野山研究学会の全会員の中で、メディアコンテンツに最も疎い自信がある。2022年度から間野山研究学会 学生委員会委員長。

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