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22.3度目の補給に向けて

・現地ビデオ会社もスポンサーに

5月10日 AM1:40・・・・CRV (カナディアンロッキービデオ)蓮見様へ 

いろいろな面(FAX機の手配・ELT・スリーピングバックの手配等)で大場さんの支援をしてもらい感謝しております。ぜひスポンサーのところへ名を載せていただきたいのですが、OKでしたら日本事務局へ連絡します。
御社のカメラマン三浦さんには良く協力してもらっています。スチールカメラマンの鈴木君は、レゾリュートに残るか、帰るか、日本からの連絡が来ませんでした。もし、鈴木君が日本に帰っていなくなる場合は、次回補給時の写真はピーターさんに頼みました。忙しくなければ協力してもらいます。

大場さんは、5月9日15時9分、北極点よりカナダ側へ176.574km南下しており、1日26.6kmのペースで歩いています。すごい人ですね。ビデオもいい記録を残してあげたいですね。
                         AM1:40  志賀


・これからが難所

5月12日PM6:00・・・・東京事務局にFAX送信

カナダ時間、5月12日朝7時、新しく開設されたベースキャンプのFAX受信と同時に村田君より、小アルゴスが発信された事を伝える電話があった。夕べはピーターさんと夜12時過ぎまで今後の補給の対策をたてていたので、朝はつらい。すぐにガレージ2階のピーターさんとビデオカメラマンの三浦さんにも伝える。三浦さんはすでにカメラマンの立場を越え、サポート隊の手伝いをしてもらっている。たのもしい大場チームの一員だ。

朝食をとり、ファーストエアー社のモレルさんに大場さんの補給のためのフライトスケジュールを取ってもらう。電話をしてくれたピーターさんが、すまなそうに私に説明してくれた。明日フライトスケジュールを取ることはできるが、大場さんのいる北緯88度付近は見通しが悪く、行っても100%近くの確率で着陸はできず、ドロップオフ(投下)だけだという。

前回の補給時に聞いた大場さんとのトランシーバーの交信
「そりは? ハーネスは? ロープは? 持ってきているか?」
を思い出す。今度補給する時は、次の物を必ず手渡す必要を感じている。

 1 小アルゴス(16チャンネルのメッセージが送信できる。)
 2 無線機(UHF帯、大場さんと交信できる。前回も補給を試みたがドロップオフで壊れていると思われる)
 3 ELT(イーパブと同じ様な物で、緊急用発信機。この信号は、発信すると各国の救助隊が動く可能性がある。入手済み。)
 4 そり(FRPのため投下はできない。)
 5 GPS(河野チームの助言によれば、GPSも壊れる可能性有。大場さんはすでに予備は捨てている。)

他に、北緯88度以南になると開氷面が大きくなる事を考え1人乗り用ゴムボート(4kg位)を入手している。

パイロットの話では、見通しが悪いとグランドコンディションを確認できないので着陸できない。また無線機がなく、出発時に大場さんのいる氷の状態がわからないのも難しくしている要素だ。

現在の大場さんの位置での天候回復は5月15日から5月16日になると言われた。もし大場さんが緊急要請で小アルゴスを発信していたら(イーパブはすでに電池がなくなっている)との考えも頭をよぎるが、どちらにしても着陸できなければピックアップもできないので、私は待つ事を決断した。

気になるのは、食料・燃料残の事。前回の投下メッセージに小アルゴス発信後、到着まで数日かかる事は十分ありえるのを書いておいたので、余裕を持っててくれればいいが・・・。それとせっかく北極点から北緯88度まで、1日25km以上のスピードで歩いていたのが、4日から5日無駄になるのが残念だ。今回は大場さんが1ヶ所に留まらず、曇り空を見てそのまま歩いてくれると有り難い。今後のアルゴスデータにより、そのことが判断されるだろう。

これからが難所なので、補給は燃料・食料とも20日前後を持って行き、荷を軽くして距離をかせぐ方法を提案する予定だ。補給のタイミングを決めるためには、大場さんの情報を知らせる小アルゴスと会話できる無線機が不可欠。これを使うと、今回心配しているような時間のロスがなくなる。ベースキャンプの考えは、補給時考えられるすべての準備をし、あとは大場さんに選んでもらう事だ。これは余分な費用がかかる場合が十分考えられる。今回の光文社さんの追加支援は非常に有り難い話で、感謝している。

デジタルハウス様よりの依頼で現地取材に来ていた、カナディアンロッキービデオ代表の蓮見さんが、大場さんの強い精神力に深く感銘し、ELT・スリーピングバックの現地手配やFAXマシーン・パソコンのレンタル及び現地情報のEメール手配等と大変な協力をしてもらっています。ぜひスポンサー欄に早急に載せてくれるよう手配してください。彼の仕事については、別紙にて送ります。又、彼の本拠地バンフでは、バンフタイムズという情報誌に掲載し、バンフ在住の日本人に大場さんの北極での状況も流してくれています。



■YBC山形放送大山さんの回答の件■

1  補給時及びピックアップ時のチャーター便余席についてはピーターさんに確認してもらったところ、今のベースキャンプの予定では、志賀・三浦(ビデオ)・鈴木若しくはピーター(写真)の3名の計画です。もう1人の席を確保する事は可能です。

2  ただし、人数を増やし重量を増やす事は、チャーター費用が相当変わってくる事が考えられます。よって100万以上の協賛を頂けるかどうかを前提に検討してもらう必要があります。

3  現地宿泊は、3食付で1泊15,000円かかります。予約については、テリーさんのところに聞いて下さい。(空港近くのホテルは1泊25000円)テリーさんのところはホテルといっても民宿だと思ってもらえばいいでしょう。

4  現地に来られる方は、できるだけ英語の話せる人で、現地スタッフとうまくやれる人柄を希望します。特に補給体制の足を引っ張ることがないような人選が必要と思います。

5 チケットの手配をしたのは別紙の会社です。予約が早ければ、往復で15万円位のチケットがあります。成田・レゾリュート間がすべてカナディアン航空ですと、成田・バンクーバーがオープンチケットでなくてもレゾリュートのカウンターでは、変更を大目に見てくれるようです。

分からない事があったら、直接私に電話をしてください。

(時差を考えて 日本時間 AM9:00からPM12:00)

                                志賀

・山形からエールを

5月16日 AM12:00・・・・山形放送 大山様へ     

メールありがとうございます。レゾリュートの状況は、5月16日12:00、ファーストエアー社よりのフライトの連絡を待っています。予定では、今日午後ユーレイカへ移動し5月17日、大場さんに補給できると思います。(ただし天候回復しだいです。)

5月11日の補給要請より5日経っており、大場さんの待ちくたびれているのが想像され、心配しています。横断続行についてのすべての準備は万全です。

また、ピックアップされた場合、鼻の凍傷が相当ひどいことを踏まえ、すぐエドモント大学病院へ入院する用意もしています。5月17日夕方6:30のレゾリュート発に間に合えば、即日移動します。(山形出身・ケローナ在住の柴田さんに手伝ってもらっています。)

河野さんの盛り上がり、こちらでも感じています。当日は新聞号外も出たようですね。大場さんを支援する人たちにとっては、チョッとさびしい気がします。私が撮影したビデオはすでに日本にあります。使えるようなシーン(前回補給時の様子)が何秒かあります。友人の会社、「映像記録社」の名和社長に連絡してみて下さい。使ってもOKです。

せめて山形で盛り上がるようがんばって下さい。

                レゾリュート ベースキャンプ 志賀

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