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「扉、扉、また扉」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

「おい急げ急げ急げ!もうこの世界崩壊しかかってんぞ!」

がんがん!足元の”相棒”を蹴り飛ばし最速を出せと催促する(私、上手いこと言ったという顔)。

『うるせえこれが最大出力だよ馬鹿!てめえがダイエットすりゃあいいんだよ!』

つい2,3個前の世界でなんやかんやで一緒になった反重力式空中推進ボードが叫ぶ。

「は~?聞こえません~乙女の体重の重さとか聞く~?」

『うるせ~!重いもんは重いんだよ!大体乙女って年かてめー!』

バゴン。ついサッカーボールキックで蹴ったが事故だよ。そうですね?

『ッてぇ~!何しやがる!』

「いーからもっとスピード出せ!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…後ろの火砕流が私たちに迫ってくる!

「そうじゃねえと私たちもお陀仏だよ!」

『わあってらあ!でも重いんだよお前ー!』

ぎゃいのぎゃいの叫びながら”扉”を探す。もうこの世界に用はない!

「どこだどこだどこだ…!」

『うおおおー!戻ったらメンテしてもらうから覚悟しろよー!』

ばしゅっ!軽めの上傾斜からスケボートリックみたいに飛び出し――

「――あった!あれっ!」

そのまま空中で方向転換、直接ダイレクトに扉を狙う!

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

『うおおー!ボンダム!最大パワ―ッ!』

「その台詞は色々危ない気がする!!!」

反重力推進は地面が無くとも問題ない!一直線に加速し――

――っがらがしゃぁあん!!!「あごごごご!!!」『おがああ――!!』

ゴゴゴゴ…『急げ急げ!閉めろ早く!マグマ入ってくる入ってくる!』

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…「わー!閉まれ閉まれー!!!」

バタン!「はーっ…はーっ…セ――――フ……」

やっと”部屋”に戻ってきた。

「ここもダメ…と」戻ってきた扉に×をつける。

その”部屋”にある夥しいほどの”扉”を見る。

「さてはて、いつ”当たり”が来るのかなあ」

『知らん、メンテと休み入れたら次だ次』

――私は旅人。”世界”の。

今日も私は旅をする。


【続く】

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