カタールワールドカップが終わってしまいました

とうとうカタールワールドカップが終わってしまいました。
僕にとっては人生で最も多くの試合を観たワールドカップで、「この期間中に友達無くすんじゃないか?」と思うほど、ワールドカップ中心のスケジュールで動きました。

結果は大満足でした!!

もう1つ上のステージに行って欲しかったとはいえ、日本代表はドイツ・スペインを破り、世界を驚かせる結果を残してくれた。
モロッコはアフリカ勢初のベスト4に進出し、テクニックとタフネスの融合した北アフリカ仕込みのニュースタイルを見せてくれた。
そして何より、10代の頃からのスターであったメッシが、ワールドカップキャリアの最後で優勝。マラドーナを超え、未だ見ぬ、そしてこの先に到達出来ない程の存在になった瞬間を見せてくれた。

全てが詰まったワールドカップと言っていいでしょう。


ということで、僕なりの総括的なものとベストイレブンを書いていきたいと思います。

☆FIFAワールドカップ2022カタールを終えて

12月18日の決勝戦。アルゼンチンとフランスはある種で同系統のスタイルだったと言えるだろう。
4バックと守備的なMFで堅いブロックを敷き、まずは点を取られない事を優先。攻撃は前線の個の力で押して捥ぎ取るといったローリスク型の戦術。
特にフランスはそれが顕著で、エムバペの速さ、ジルーの決定力、グリーズマンのゲームメイクで攻撃のほとんどをまかなっていた。
決勝戦では2点ビハインドをひっくり返す為に、4トップで個の勝負に全振り。この采配で見事追いつき、延長戦まで戦い抜いた。

アルゼンチンはメッシ。とにかくメッシ。全盛期と比べると、1人で攻撃を完結するようなシーンは減ったが、彼にボールが入ればDFが引きつけられ、かつボールは奪われない。メッシに合わせて全員が動き、メッシの赴くままに全員でゴールに迫る。そんなイメージ。
それでも決勝戦は、ディ・マリア、アルバレス、メッシと世界トップのアタッカーを3人並べ、フランスのお株を奪う不条理な攻撃を見せ、前半は完璧にゲームを掌握してみせた。

個の力とチームの総合力を兼ね備えていたのはブラジルとイングランド。
ブロックラインを高く設定し、高い位置からカウンタープレスでボールを奪い切る。
イングランドは奪ってからがとにかく速い。ケインが溜めを作って、他のアタッカーがゴールに向かってスプリントをかける様は、まさしくプレミアリーグオールスターズだ。
ブラジルはワンタッチを何度も繋ぎ、最も難しいはずの相手中央エリアを何度も攻略。「外から中」というのが通説化している現代サッカーにおいて、異常なほどスペクタクルなフットボールを見せた。
この2チームの試合は正直もっと観たかった。

逆に強固な組織力を誇ったが、個の力でぶん殴る圧力に欠けて早期敗退したのはアメリカやスペインか。
アメリカは4年後が楽しみなマッケニー、ムサ、アダムスの3センターにウイングやサイドバックがどんどん関わっていくダイナミックなチームでグループステージを沸かせたが、得点力に欠けラウンド16で敗退。イングランド戦で勝利を得ていれば流れは変わったかもしれない。
「FC.ルイスエンリケ」と呼ばれる程の組織力を4年間で積み上げ、初戦を衝撃の7-0で飾ったスペインも最後の詰めに課題を残した。堅く守られた日本やモロッコの牙城を崩せず、こちらもラウンド16で姿を消した。

今大会のモロッコのスタイルはサッカー先進国に1歩及ばない国が勝ち上がっていくモデルになって行くかもしれない。
まずは守る、ひたすら守る。その上で相手を引き込み、隙を見るや数人のタレントの力でゴールへ一直線に襲い掛かる。セットプレーの決定力も高く、ここからの4年間日本を含めたアジアやアフリカのチーム作りのヒントになるだろう。

そして、今大会の大きな特徴はゴールキーパーの躍動。ベスト4のゴールキーパー、E・マルティネス、ロリス、クラマリッチ、ブヌは大会を通じて安定感を見せ、スーパーセーブも連発。ロリスを除く3人はノックアウトステージの延長戦・PK戦でアタリまくって英雄になった。
安い失点が許されない短期決戦では、改めてゴールキーパーが重要なのだと思い知った。

☆マイベストイレブン


GK アンドレイ・クラマリッチ(クロアチア)

DF ヨシュコ・グヴァルディオール(クロアチア)
DF クリスティアン・ロメロ(アルゼンチン)
DF アクラフ・ハキミ(モロッコ)

MF デンゼル・ダンフリース(オランダ)
MF ソフィアン・アムラバト(モロッコ)
MF アレクシス・マクアリステル(アルゼンチン)
MF ジュード・ベリンガム(イングランド)
MF アントワーヌ・グリーズマン(フランス)

FW キリアン・エムバペ(フランス)
FW リオネル・メッシ(アルゼンチン)


やはり、エムバペとメッシが突出した大会だった事は間違いなく、この2人が決勝であのような試合を演じてくれたことには、とにかく感謝。
あとは当然、グリーズマンを選出。大会MVPでも良いくらい攻守に渡りピッチの全てを掌握していた。
E・フェルナンデス、デパウルと迷ったが、個人的にはマクアリステル。ボールを扱う技術が高く、ハードワークしつつ前線の選手と関わりながらチャンスメイク。メッシの次の10番も彼の背中になら似合うのではないか。

ベスト8勢からはダンフリースとベリンガムを推したい。ダンフリースは右ウイングバックから正確なクロスでチャンスを量産。大型でスピードにも秀で、攻守に渡ってチーム1の存在感を放っていた。
ベリンガムは今大会一番の衝撃だった。19歳ながら現時点で世界最高レベルのセンターハーフに仲間入り。技術やフィジカルはもちろん、推進力のあるダイナミックで迫力満点のプレーはまさしくイングランドの至宝。
アムラバトは最もファイターだった。マーク対象にどこまででも着いていく粘り強い守備で攻撃の芽を摘み続けた。出場時間も長く、ベスト鉄人賞があれば彼に贈りたい。

ハキミは世界No1の右サイドバックである事を結果で証明。ここから輝かしいキャリアが待っているに違いない。ロメロはお得意の前へのディフェンスはもちろん、オーストラリアのロングボール攻勢も完璧に弾き返し、アルゼンチンの壁となり対戦国の前に立ち塞がった。
今大会最もブレイクした若手選手はグバルディオル。横幅があって速い、前にも運べる左利きのセンターバックは世界中のクラブが喉から手が出る程欲しい逸材。

GKはやはりクラマリッチ。PK戦を2度制してチームをベスト4に導き、3位決定戦でもスーパーセーブを連発した。

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やはり、ベスト4の選手たちが傑出していましたが、ブラジルとイングランドがもう1つ駒を進めていればベストイレブンも大会の結果も大きく変わっていたでしょう。
そういう意味では、ブラジルを下したクロアチアが台風の目になったのは間違いないでしょう。

そして何より、今大会の決勝戦は後世まで語り継がれる最高のショーでした。
世界中から応援されるアルゼンチンとメッシ。それに立ち塞がる最強の敵・フランス。
メッシが勇者で、エムバペが魔王。
血みどろの総力戦となった戦いは、主人公と仲間達の絆の力で決着。

そんな少年漫画の様なストーリーに映りました。

4年後は一体どんなドラマが生まれるのか。
本当に楽しみです。

最後におめでとうメッシ!!
最高のワールドカップをありがとうございました!!

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