紀まどい

総合表現サークル“P. Name”代表|詩誌「#ファイノメナ」主宰|立命館大学政策科学…

紀まどい

総合表現サークル“P. Name”代表|詩誌「#ファイノメナ」主宰|立命館大学政策科学部2回|ポートフォリオ▶︎https://shizen-writing.amebaownd.com/

マガジン

  • GU・研究書評読む用

    上久保ゼミの先輩や同級生のThe Guardian書評や研究書評を、僕が読むために、勝手ながらまとめようと思います。もしうまくやれたら僕以外にもこのマガジンを便利に使える人がいるかもと思うので、公開状態にしておきます。

  • 課題

    大学で所属しているゼミの課題のnoteをまとめます

  • 文章

    僕の書いたエッセイっぽいものです。

  • 小説

    僕の書いた小説たちです。

  • 報告

    報告です。基本的に、ポートフォリオに記事が追加されたときに、特に大事な記事についてはこちらでも似たようなものを投稿します。 ポートフォリオ▶︎https://shizen-writing.amebaownd.com

最近の記事

研究書評

所属しているゼミの課題です。 これまで読んできた論文を要約して書評します。 【5/2】 沖裕貴(2016)「立命館大学のピア・サポート・プログラム : その特徴と課題、今後の展望」『立命館高等教育研究』第16号. 1p背景「「ピア」の視点から自治の課題をひもときたい!」 序論 昔から「ピア」の考え方に共感することが多く、私が設立したサークルの今の規約には、よく「ピアサポーターとして……」といった文言が登場する。「ピア」の考え方とは何なのかを改めて調べようと思い探すと、

    • Guardian書評

      ゼミの課題です。 The Guardianというイギリスのメディアの記事を、読んで、日本語で要約して、書評します。 【5/2】 Number of writers jailed in China exceeds 100 for first time, says report訳:中国で投獄された記者の数が初めて100を超えた 要約 中国で投獄された記者の数が100を超えたと、ペン・アメリカがレポートした。このうち半数近くがオンラインでの表現活動によるものである。自由な表

      • 鼓動のために|小説

        君はもういない 君はもういない 夜風が肌をなぞった君はもういない君はもういない夜祭に行きたいと言った君は花火になった照らしている夜空に祭りが終わる君はもういない君はもういない君はもういない君はもういない君はもういない君はもういない君はもういない君はもういない君はもういない君はもういない君はもういない君はもういない君はもういない君はもういない君はもういない 僕が最後のひとりになったとき!!! 君は 君は…… 君は。 ……●● 君の●● 君の●●が鳴った ●●

        • 過去を喰らう(Defeated you)Give me|二次創作小説【#BirthdaySHELF】

           花火が背後で鳴り響き、私の影を校庭に落とす。  影は掘っている。  穴を掘っている。  負けるわけにはいかないのだ。  私は勝たなければいけない。  私は、過去を喰らわなければいけないのだ。 うぐいすがどこかへ行った夏の夜。鈴虫が春の残香を保存して、私はひとり、浴衣で佇んでいる。 彼が現れるかもしれない。 そんな期待が私をそうさせていた。 しかし彼は現れなかった。花火大会、河原の夏祭り。千里川が大阪でいちばん綺麗な川だが、かえって水面に私の顔が映って、ほとほと疲れた

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          1本

        記事

          私小説「走れオレ」を書きました。

          僕の書いた文章が、僕の個人のnoteから飛ぶことがままならない、というのはなんだか変な話だなあと思いましたので、これからは、僕が個人としてではなく団体から発表した文章については、こんなふうにして「書きました」という記事をupしようと思います。 総合表現サークル“P.Name”会誌「P.ink」学祭号、OIC学祭およびBKC学祭で配布した冊子に掲載され、1月6日、サークル公式noteでも公開されました。 「9月1日、19歳の回転」とか「19歳の終点」とかと重なる内容ではあり

          私小説「走れオレ」を書きました。

          19歳の終点

          ふと、僕は20になるより前に無意識のうちに自死しちまうんじゃないのかと思って、明日が誕生日なので、自室のホワイトボードに遺書らしいものを書いてからカフェに来た。 さようなら、19歳の僕。 いや死なんが。 20歳になった。去年の9月1日、あれだけ大人になりたくないと喚いていた19歳が、20歳になった。 先に謝っておきたいのだが、僕は先日、高野悦子の「二十歳の原点」を読み終えたばかりである。だから、文体とかそういうものが、遺憾ながら、大きくあれに影響を受けているかもしれな

          19歳の終点

          #カンザキイオリ非公式誕生祭 をふりかえって 〜僕は焼肉定食を布告した〜

          まず、参加者の皆様に感謝を。次に、共同主催としてすばらしい働きをみせたゆうさくさくさんに最大の感謝を。そして、カンザキイオリおよびそのプロデュースに携わる人々へ、私たちの勝手な行いを見逃してくださったことに形容不可の感謝を。 P.S. 冒頭に追伸を書くとかいうアホなことを少しやるのですが、何かっていうと、今、神椿フェス帰りで最終推敲をしているんです。 手短に。 さようなら2022年度。 さようなら花譜。 さようなら神椿スタジオ。 さようなら、観測者としての僕。 おか

          #カンザキイオリ非公式誕生祭 をふりかえって 〜僕は焼肉定食を布告した〜

          9月1日、19歳の回転

          16歳。 人間のいちばんうつくしい年齢は16歳だ。これは方々で喚きちらかしているが、僕は、永遠に16歳でいたかった。 水晶玉にかぶさる半透明の衣のみたいな「あどけなさ」が外れた年齢。その中で、いちばん、オトナの雰囲気から遠い年齢。16歳。これより一歳でも歳をとると、オトナの汚れた空気が立ち込めてくる。 20歳。酒なんてもんを飲みやがる。19歳。いちばん微妙。あと一年でタバコを吸うし、ポルノを見られるようになって一年もたってる。18歳。選挙権がある。17歳。俺は高校生探偵

          9月1日、19歳の回転

          反まにまに主義

           台風が過ぎ、ようやく警報が明けたので、私はその村に向かった。山上ジャンクションから村を一望できた。北関東海岸の、山と海に挟まれた漁村。晩秋、早くも雪が降っていて、ゲレンデから見下ろすような景色だった。  サービスエリアで休んでいた時、ふと思考がもう一段進む。ゲレンデ……? 「ずいぶん木が少ないですね。禿山じゃないですか。ソリで滑っていけそう」 「あぁ、この村のやり方なんです。ほら、あそこ」  今回お世話になる民泊のおじさんが、少し下の方を指し示した。フードコートから

          反まにまに主義

          小説「あかつき」4/4

          ——辞世の句 「笑い話だ。結局その手紙を置いてく勇気も出なかったし、僕はいま生きてるし」  少女Aが読み終わったらしいのを見計って少年Aがそう補足した。すると少女Aは何も言わずに手紙をひるがえして裏側を見る。 「ああ、気づいちゃった?」  こう書いてあった。 ——人間の十人十色を示すなら五輪の赤は僕の無チ色—— 「辞世の句だよ。あーあー厨二病。バッカみてえ。いや、実際バカなんだな。僕はもう」  すると、「なんだ、君、私なんかより『えらい』じゃん」と少女Aがつぶや

          小説「あかつき」4/4

          小説「あかつき」3/4

          ——カブト  二人は一晩そこで寝て、次の日は遅く起きた。といっても、少年Aは早く起きていた。少女Aだけが遅起きすることになったのは、昨晩、ひとつ考え事をしていて、眠れなかったからだった。 「おはよう」隣で座っていた少年Aが挨拶する。 「おはよう……」  採光窓からの光がすっかり縦向きになった昼過ぎ、二人は行動しはじめた。 「このカブトすごいね。鉄砲の弾を跳ね除けたって書いてあるよ」とガラスケースに手を置く少年Aに、少女Aが尋ねた。 「ねえ、なんで——」  少年A

          小説「あかつき」3/4

          小説「あかつき」2/4

          ——二人の逃げ  関ヶ原SAで二人はタクシーを降りた。雑談しながらフードコートに入り、「何を食おうか」とか「ちょっとくらい贅沢してもいいよね」とかと話していると、少女Aのスマホが揺れた。「ちょっとゴメン」と言い、事を急くように画面を起こす。一件のメールが届いていた。——母や祖父からではなく、父から。 ——母さんたちに、反省する気は全くないみたいだ。もうすぐ「条件をのんだフリ」のメールが届くだろうが、信じるな。警察が絡みはじめたから、その携帯のGPSが手がかりになってしまう

          小説「あかつき」2/4

          小説「あかつき」1/4

          ——僕の語り  小さいころに大人たちの都合で家族ごと追い出されて、だのにその追い出した連中に迎合しろと言われて、イヤだと言うと理由を求められる。  何度も何度も「小学生の駄々みたいな理由だな」と言われたこの正しい「イヤ」は、正しいのに、人に言うのが怖い。だから、けっきょく僕は、ただ大人たちから嫌われるしかない。今の学校でそれを知るのは、たった一人の友人だけだ。  大人らしさとは、特定の主張や人格を子供らしさと呼んでバカにすることに抵抗がない状態のことだ。少なくとも、僕に

          小説「あかつき」1/4