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色を塗ること。

私は、
色を塗るのが怖かった。

今の私を知っている人達からしたら、
信じられないかもしれない。

そんな私の、とある過去のARTと共に遡る…

物心ついた時から絵を描くのが大好きで、
落書き帳の山だった。

描いて失敗したら次のページにすぐいってしまうから、まだ描けるページがあるのに1枚は表だけで終わりで裏には描きたくなかった。

気に食わなかったらほとんど描いてないのに、消しゴムもほとんど使わずに次に進みたがるタイプだ。

失敗したくない。

そして、下書きが上手くいった!って思った絵に色を塗って、思い通りの色合いに出来ず汚くなったら描かなくなる。

色塗りでの失敗は本当に嫌だった。

想像の中では凄く良い絵が見えていたのに、
現実それを表現出来ない自分にむしゃくしゃ。

そんな自分にとってターニングポイントとなる出来事が。

1999年

毎年夏になると絵画コンクールがあった。

朝日生命「全国児童生徒絵画コンクール」

この年も絵画コンクールに出すための絵を描こうと、題材を探していた。

家に帰って
お母さんが「おかえりなさーい!」

「………そうだ。
お母さんを描こう。」

いつものように煎茶を飲みながらテレビを観るお母さんの真横にいて、下書きを描いた。

自分でもビックリするほど"お母さん"だったので、これは良いのが描けそう!!と自信満々だった!

そして、色塗り。

いい感じに出来て来て、ワクワクが止まらなかった!

しかし、

肌色にまさかの暗い色が付いたまま塗ってしまった。
お母さんの肌がきっったなくなった!

(上手くいってたのに……)

せっかく最高の下書きが出来たのに、色塗りで失敗。
画用紙なので水分吸いすぎて塗り重ねたとて紙がもう持たなくなる。。

だったら…

コンクールに出すのやーめたっ!!

っと意地を張ってしまって、画材も絵もそのまま放置して、別の部屋でとりあえず寝っ転がった。

悔しくて、ゴロゴロ。
思い通りにいかなくてゴロゴロ。

描くのを放棄した私に、いとこのママが話しかけてきた。

いとこママ
「えぇー!?描かないの!?本当に描かないの??
素敵な絵ぢゃない!」

MAOBAB
「失敗したの!汚くなったからもういーのっ!コンクールにも出さないのっ!」

と(笑)

すると、
いとこのママがまさかの行動に!

「ぢゃあ私が描く!!」

…ぇ(゜ロ゜)?

そう言うと、放置した絵の具たちを使い、色を塗り始めた。

いとこのママは、
絵を自分から生み出して描くのは苦手だけど、
見てそっくりそのまま描くのは得意だった。

そんないとこのママが、失敗した絵に色を塗っている…

(どうせ失敗した絵なんだから、どうやったって良い絵にはならないよ。)

と心で思いつつも、
ひたすら丁寧に塗り続けるいとこのママが気になってきた。

ゆっくり近づいて、どう塗ってるのかチラリ。

いとこのママ
「どう?我ながら良い感じぢゃない!?♪」

楽しそうに塗り続けるいとこのママ。


「ねぇ、描いてみない?もう一回♪」

………ゥン(._.)

いとこのママの続きをまた描き始める私。

そして、、

完成した!

いとこのママ
「すてきー!!!ほらぁ!やっぱり描いてみて良かったでしょ?♪素敵な絵だもん!」


失敗した絵。

それでも

完成した絵。

コンクールに応募。

しばらく経ち、
先生が変な時間に教室に入ってくるなり
「マオに招待状が来てるよ!東京から」

……え?( ´ー`)

手紙を開いてみると……

絵画コンクールに入賞の通知だった!!!

【 審査員長賞 】

全国で100人が受賞する賞で、景品に36色?45色ぐらい入ったコピックペンセットとラミネートされたカレンダーがもらえた。

新宿で行われる授与式の招待状もあった。

( シンジュク… )

行ってみたかった。

行ってみたかったし、きっと家族にも友人にも先生にも行って欲しかったと思う。

でも、
それは私には出来なかった。

これは、いとこのママのおかげ。
堂々と行く気にはなれなかった。

一度手放し、諦めた絵。
いとこのママが諦めずにトライさせてくれた絵。

複雑だけど、やっぱり嬉しかった!!

いとこのママも家族もみんな大喜び!

この時初めて、
失敗と思われるモノでも、完成させたら面白い結果に繋がる事を知った。

それから失敗を生かすように
色を重ねるようになった。

過去作品 *高校 /細密描写

描いてすぐ帰ろうとする私を全力で引き止める先生(笑)
もいちょっと塗ってみて!と言われ反論しまくるも細密描写をとことんやり完成させた。

絵を描くことが楽しくてしょーがなかった
20歳付近のBLACKなARTたち!

↓↓↓

いつの間にか…

…ふと気付いたら

色を塗ることが"好き"になった。

そして、

徐々に徐々に


下書き無しで、
から入るように。

*吉四六ボトルに直接ペイント。

*直接カラダにペイント、装飾パフォーマンス。

*マタニティーART 直接妊婦さんに。

*LIVE performance
島おこしイベントにて。

2段階で展開するパフォーマンス。

*performance場所制作
*和裁士/Mojha Eriさんとの着物×ART session

*兵庫県 ヒロコーヒーさんにて
巨大壁画、フリーハンド。下書き無し。

*けん玉ART 直接けん玉に。

思いっきり失敗を楽しめるように意識し、
パフォーマンスに熱意を込め始める。

*キッズダンサーたちに、私の描いた木に色で花を咲かせてもらう。

どんなやり方でも良い。
破けたってかっこいい。
はみ出したって味になる。
汚れてもアートはアート。

色を塗ることに対しての恐怖は無くなり、
失敗からクリエイトする楽しさを様々なモノと関わり合いながら学んで強くなった。

塗り重ねるだけで良いわけぢゃないけど、

積み重ねから完成した後の達成感は感無量!

今のMAOBAB.soulartには、
描き始めたら迷いや恐怖は全くない。

もはや新しいモノを自ら取り入れたり、飛び入り参加でも誰が邪魔しに来たって何したってARTに変えてしまえば良いやん!って心持ち。

もはや飛び込んできて欲しい!

あの日、

またもう一度色を塗ることを選んで良かった。

ART performer / MAOBAB.soulart 青森は田舎館村出身の゙津軽人゙ 自然の力と地元に根付ぐ津軽魂゙で SoulfulにARTを極める。