見出し画像

【レオマブ考察】さらざんまい8皿目まで(ネタバレ)

※最新の考察はこちら(諸々訂正しています)

久々の投稿である。アイナナ4部についても、もちろん考察したいのだが、私の中で大変激アツになってしまった、アニメ「さらざんまい」のレオマブこと玲央と真武について書き殴らせていただきたい。
前半はアニメ自体の考察なので、レオマブ関連を読みたい方は、中盤までスクロールをお願いしたい。そして、ネタバレの極地であるのでご注意ねがいたい。

「さらざんまい」はご存知の通り、ノイタミナ枠で2019年4月より放送されているオリジナルアニメ。簡単に言うと、河童VSカワウソの、欲望と愛をめぐる戦い…のアニメである(たぶん)
欲望を暴走させた人間がゾンビ化したものを、カワウソはそのまま箱詰めしてエネルギー化。河童はしりこだまだけ抜き出して、希望の皿にしてエネルギー化。しりこだまはその人固有のものというよりは、欲望を具現化する装置みたいなもので、他人のものを飲み込んでも欲望が漏れてしまう。どっちにしても欲望はエネルギー…でもエネルギーの大きさ的には、欲望<希望<愛、であるため、ケッピは最重要人物なのだろう。
しりこだまを取られてしまった人は、「つながり」を失うというのが河童側の論理らしいので、欲望の前提として「愛(を欲する)」があるという考えがあるのかもしれない。つまり河童側がつなぎたいのは「愛」。それに対してカワウソは「欲望をつないだものだけが未来を手にできる」的なことを言っている&愛はいらない(愛の価値を知らない?)と言っているので、つなぎたいのは「欲望」。似て非なる考え方なので、対立してるってことだろうか(たぶん)

1.白ケッピ、黒ケッピについて

アニメ前史として、河童王国をカワウソが殲滅させたという大戦争があったらしい。その際に崩壊した凌雲閣(明治時代にあった浅草のタワー)が、河童王国の城であったと思われる。
ケッピは第一皇位継承者とのことだが、6皿目の回想で出てきた感じだと、実質国王なのでは?6皿目の様子を見る限り、ケッピの欲望が「白と黒に分離」したことがわかる。その黒(ダークネス?)は、現在カワウソ王国に監禁されている模様。黒ケッピをつかって、カワウソ帝国は人間界の欲望エネルギーを搾取しようとしているのだと思われる。
完全に妄想だが、白ケッピも黒ケッピも、欲望を搾取できる能力は一緒なのではないか。ただ白ケッピは希望に昇華できるのに対し、黒ケッピは絶望だの破壊だの、そういうエネルギーにしかできないのでは。だからカワウソはそのエネルギーを使って、地上(人間の世界)を壊し、自分たちが地上に浮上しようと考えているのでは?

2.マブは何を失ったのか

さて、白黒ケッピについて整理したところで、ようやくレオマブにとっての大事件である、マブがレオを庇う場面を確認していきたい。


レオマブが遭遇したのは、欲望分割直後のケッピ。黒ケッピが体から出て行く軌道にレオがいたため、マブがそれをかばった。つまりマブが接触したのは黒ケッピ。しりこだまは抜かれていないものの、マブは欲望を抜かれたのだと思われる。科学長が言っているのが本当だとしたら、マブが抜かれたのは心臓(現在は機械の心臓を保持するとされる)?だとすると、カワウソの欲望の源=心臓?それゆえにシンボルマークがハートなのだろうか。


欲望を搾取されたため、マブはレオとのつながりを失ってしまった。人格が再現できても、もともとのつながりは復活しない。だからレオは「お前は嘘ばっかり」「お前をマブとは認めない」と言っているのである。マブが食事できないのも、食欲(=欲望)が搾取されたからである。それでもレオは朝食の焼きそばを用意する。マブが食べられないとわかっているのに、である。姿形が同じなのだから、むげにできないのは当然だ。6皿目のサブタイが「つながりたいからあきらめない」なのは、カズキのテーマである一方で、実はレオのテーマである。
そのレオが「希望を見つけた」と言っているのは白ケッピのこと。おそらく前の戦争の時には、マブのことで動揺したレオは白ケッピの捕獲に失敗したのだろう(黒ケッピはどうやって…?)。そして、黒ケッピは希望の皿を作れない。つまり欲望を愛にできない。白ケッピがいれば、おそらく…マブの心臓を再構築できると考えているのではないか。

ここで注目したいのは、ソイヤソングのラストである。

決めポーズは、レオがマブの心臓を搾取する姿。
年代がバレそうだが、ここでウテナのあのシーンを思い出した方は多いはずだ。そう、アンシーの胸からディオスの剣を抜くあの場面である。


ディオスの剣は、抑制された自我のようなものであった。この作品にとって心臓=ディオスの剣だとすれば…レオはそれを、マブの自我を解放しようとしているのである。欲望を搾取することによって…!

3,今のマブは従順すぎる?―自我抑制の可能性

レオ視点でも考えておこう。
6皿目の一瞬ではあるが、欲望(やら感情)がしっかりある状態のマブにかばわれたレオは「なんでお前が俺をかばうんだよ!」と声を荒げている。深読みは重々承知しているのだが、これはもともと「お前、俺のこときらいなはずだろ!?」的なセリフが裏にあるのではないか。つまり、現在のマブのようにレオを気遣う従順な性格ではなかったわけである。いわゆるケンカップルみたいな状態だったのだと思われる。それなのにかばった。
…ゲキアツのブロマンスではないか!!最後の瞬間になってようやく、レオはマブの愛を感じたにちがいない。昏睡状態のマブを救いたいか聞かれて、「もう一度マブの声が聞きたい」と懇願したもの、彼の口から直接彼の真意を聞きたいというところが大きいと思われる。最高じゃないか?最高じゃないか!?

…だからこそ、「私ははやく望まれた私になりたい」と、レオが望むマブに近づこうとする現在のマブは、従順すぎて、ますます過去と乖離してしまうのであろう。聞きたいのはもっと、嫌味で、可愛げのないマブの声なのだ。
それにしても、レオは現在のマブと過去のマブは別物と考えているようだが、果たしてそうなのだろうか。
というのも、どうもカワウソの科学長が気になるのである。彼はマブを「私の人形」と言った。そして度重なる個人的メンテナンス。「まだ早い…」とはどういう意味か。彼によって、マブに残された自我が抑制されているような気がしてならない。7皿目のソイヤソングの歌詞に「支配された真実の心切り裂いて…」とマブが言ってるを深読みしてしまう。そして前述した、心臓を解放するというソイヤソングのモチーフ…
マブの心臓は、もしや機械ではないのでは?レオが眠っている間に処置は終わっていたのであり、確認しようがない。むしろその際に、ペースメーカーでも植え付けられたのではないか。それを解放すれば、自我が戻るかも…

書いていてなんだか切なくなってきてしまった。
レオマブはとても切ない。
よく考えれば、登場するゾンビの誰よりも、カズキたちよりも、欲望に支配されているのはレオである。彼の中には「マブを取り戻す」という欲望しかない。カワウソ王国に反発すらするほどに、である。その欲望を察知しはじめた現マブは、レオの欲望の通りになろうとする。この欲望のすれ違いよ。
これから物語は終盤に向かっていくわけだが、最終回直前あたりで、レオ本人がゾンビ化するような気がしてならない。その段階になっておそらく、マブに変化が起きるだろう。それが自我の解放であれば、レオはマブの姿を見て、正気に…戻るかもしれない。欲望よりも希望よりも強い、愛を知るかもしれない…そんなハッピーエンドを、私は期待したいのだ。

長文にお付き合いいただきありがとうございました…!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?