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松本人志さんの裁判で考える 主観と客観を混同してると本質がわからなくなる

松本人志さんと週刊文春の裁判に関するマスコミ報道で「真実」という言葉がよく使われます。では「真実と事実」の違いは???

この裁判においては原告である松本人志さん側に、文春側の名誉毀損(事実無根)の立証責任があります。ゆえに非常に難しい面があるのです。

一方で文春側には「報道は事実」と証明する義務はありません。「真実と事実」の意味が違うからです。証言があったことが真実であれば良いのです。

法律における「事実」と「真実」の違いは?

主にその根拠や証明に関連します。簡単に説明します。

「事実」は、具体的で確認可能な現象や行動、状況を指します。法的文脈で、事実とは裁判所で証明され、認定された情報や状況のことです。事実は通常、証拠に基づいて裁判で認定されます。例えば、誰が特定の日に特定の場所にいたという事実は、監視カメラの映像などによって確認されることがあります。

一方で、「真実」はより抽象的な概念であり、主観的な見解や信念も含まれることがあり、その確証は必ずしも物理的な証拠に限定されません。法律の文脈で考えるとき、真実は裁判所で認定された事実に基づいて論じられるものですが、すべての真実が明らかにされるわけではありません。裁判所は提出された証拠に基づいて判断を下します。それが完全な真実であるとは限りません。

要するに、法律の世界における「事実」は裁判所で認定される具体的な情報のことであり、事実に基づくが、「真実」のすべてが明らかにされるわけではない、ということが言えます。

一般的な「事実」と「真実」の解釈は?

「事実」は、客観的に観察や検証が可能な状況や出来事を指します。このような事実は一般に、個々人の解釈や感情に左右されることなく共通した認識が得られるものです。例えばカメラ映像や音声記録などです。

一方で"真実"はより主観的な要素を含みます。真実は、人によってその解釈が異なる場合が多いからです。法律の文脈では、「真実」もしばしば客観的な事実に基づいて確立されるべきものと考えられます。法廷においては、提出された証拠や証言に基づいて、何が事実として起こったのか、そしてその事実がどのような法的結論を導くのかを判断することになります。

一般的な会話の中では事実と真実の間には微妙な違いが存在することが多々あり、その違いは主観性と客観性に関連しています。法律の領域においては、事実が客観的に確認され、それに基づいて真実が求められるプロセスが存在します。

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