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新宿駅でうずくまっている

(前置き)
私はうつ病を患った友人と同居生活を送っているアラサーの会社員です。
友人との関係や日常について、「#日記」のタグで備忘録や頭の整理を目的にnoteを書いています。


折角いつもより早い電車に乗れたのに。

あれ?なんかおかしいな?
真っすぐ立ってるのがしんどいぞ?

満員電車の中で、
猫背になって冷や汗をかきながら鼻息荒くなっている私。

ふーっ、ふーっ、

前に立っている女性に対して申し訳なくなる。
お嬢さん、ごめんなさいね‥‥。

この後、乗り換えが2回あるけど、
私大丈夫そうかな?と不安で頭がいっぱいになる。

1回目は乗ってる今だけ耐えれば大丈夫、
降りたらベンチもあるし、座って回復を待てばいい。
問題はその次、新宿駅‥‥!

一日の乗車人員が一番多い駅、新宿。

あんなのどこで休めばいいんだよ。
頭の中で歩くルートを思い浮かべて、
座れる場所を探すけど、人しかおらん。

人、人、人、人、‥‥

とりあえず1回目の乗り換え駅についた。
降車すると少し息がしやすくなった。
頭でシミュレーションした通り、ベンチに座って落ち着くのを待った。
けろっと回復するのを待った。

‥‥回復しない!
でも、休憩もそこそこにして次の電車に乗らないと遅刻してしまう。
歩けるかも、と思ったタイミングでベンチから立ち上がり、
乗り換え改札を通ってまた電車に乗る。

やっぱりしんどい。
どうしよう、どうしよう。

目の前で小柄なご婦人3人が小さく談笑している。
学生の頃、阪急京都線で死ぬほど見た光景。懐かしい。
目の前のシルバーの髪のマダムが着ているダウンジャケットの首元から
ピンクのチェックシャツがのぞいている。

(今日はどちらへ行かれるんですか?)
(素敵な着こなしですね‥‥)
心の中で話しかけながら気を紛らわせる。

新宿駅が近づいて電車が減速し始める。
早く降りたい、でも、どこで休憩したら‥‥

休憩場所が思いつかないまま駅に到着した。
勢いよく人が流れ出ていく。
私も一生懸命歩く。
どこか、混雑の邪魔にならないところを目指して。

人、人、人、人、‥‥

どこもかしこも人が歩いていて、
休める場所がない。
視界がグレーになっていよいよ絶体絶命。

と、階段の横に、ロッカーがあった。
少しだけ場所がひらけていて、
歩いていく人の流れを考えても‥‥、
うん、ここなら。

並んでいるロッカーの終わりのところで、
ついにしゃがみ込んだ。

見られてるかもしれないとか考えられなかった。
おびただしい人の流れを音だけで少し感じる。
そう、きっと誰も気にしないから、大丈夫。

何も考えられないまま、
少し時間が経った。

ようやく頭が思考できるようになって、
パニック障害になった友人のことを思い出していた。
今でも電車は苦手だと言う友人。

こういうしんどい思いをたくさんしてきたのかな。
今でもたまにしてるのかな。

思考の隙間をぬって
『遅刻』の二文字が飛び出てきた。

歩けるかも、と思ってまた立ち上がる。

改札を出て最後の乗り換え。
この電車は平日朝でも空いていて座れるので本当に良かった。

結局会社にはいつもの時間に着いた。
すごく損した気分だし、午前中は不調であまり仕事にならなかった。
仕事のパフォーマンスが悪いのは完全に私都合。

でも、新宿駅で周りを気にしながらうずくまって、
そこから会社へちゃんとやってきた自分のことを
めちゃくちゃ褒めてあげる。

自分にすごく甘い。
そのせいで尊敬されるような大人になれないままだ。
しかしそのおかげで心はすごく健康的なんだと思う。
体はへにゃへにゃだけどね。

友人は、みんなは、無理してない?
大丈夫?



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