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何かが消えてく

自分の感覚、センスを信じるということは非常に難しいんではないか、トボトボ歩きながら考えていた。あっちへ行ったりこっちへ行ったりしながら、いろいろなものとくっついたり離れたりしながら、ススス…と知らぬ間に動いていく。煙のような、水のような私という存在。風向きや潮流など、人の力の及ばない何かに動かされているだけかもしれない。だから、自分自身の何を信じれば良いのか!と思うことは当然で、考えること自体が無意味。けれど、それでさえ私には止められない。私は雨の中、傘も差さずにトボトボ歩いている。歩き始めたら止まらずに進んでいく。考えることを手放して。だから、そういうのを感覚やセンスと言うのかもしれない。夜の中に私はシュッと消えていった。


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