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扉は開かれた、ここは東中野ガレッジ

ようこそ、ここがガレッジです。店の前まで着いたものなら、彼の手によって、その扉はあっさり開かれたのだった。

神保町にグリッチというコーヒースタンドがある。ここで働くヒゲ面のケンタという人が、東中野でガレッジというバーを持っている。というのを知ったのは春頃、すでに季節は夏になろうとしている。いよいよ今日こそ行ってみようと決意し、女ひとり、ガレッジへと来た次第である。

中に入るともう一人のヒゲ面メガネ、タックがいた。白山眼鏡店で買ったのかしらという、良いメガネだった。しかし、これまた、2人揃って顔が整っていて、尚且つ優しい接客で、フレッシュ、これは病みつきになること請け合い。面食いどもよ、気を付けろ。通うぞ。ちなみに他の店員も粒ぞろいとのこと、毎日が狙い目である。

ここらで一丁前に言わせてもらうが、バーに行くと必ず頼みたいのはジントニックである。メニューは見たが、やはり飲みたいものはジントニック。しかしケンタは首を縦に振らない。ここはコーヒーとのカップリングを楽しむバー。よって私はキングスマンを頼むことにした。これはジンとコーヒーのガレッジならではの逸品である。

スッキリ美味しいキングスマン。コーヒーに苦味がないので、水より飲みやすい。水を頼む前にキングスマンを頼むべきである。いや、水ではなくまずキングスマンを提供してほしい。喉に突っかかりがない。お酒であることをお忘れなく。もちろんノンアルコールのコーヒーもある。お酒を頼まなくても良いのである。

イケてる店員2人をしばらく独り占めしていたわけだが、なんてことない、それは本当に一瞬の出来事、夜遅くとも軽く4組は来店、流行りの店であると感じた。

こんなに良い店、もっと早く来たら良かった、と思ったが、全てが揃った時に、自然と扉は開かれる。自分自身の手でなくても、扉は開く。

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