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金沢一泊おんな二人旅 〜後編〜

顔やら目やら喉やらの乾燥で起きる。加湿器があることに朝気がつく我々、おはようございます。初動が遅れ朝メシ難民となる。俺たちの台所、近江町市場に行こうぜとなった。雨庵では夜に無料の蕎麦などのサービスもあったけど昨晩は倫敦屋酒場でイケイケだったので雨庵の素晴らしいサービスは客室とお茶の思い出。入浴剤を持って帰った。私は竹、ゆかぴは桜。

雨庵、良い宿でした。
逆からも撮る。

荷物を置いて近江町市場へ。今日も賑わっている。昨夜、無料の蕎麦を食べ損ねた我々はお店で金を払って蕎麦を食べる。ラーメン食べようかなと思ったけど、蕎麦にしておいた。温かい蕎麦だったか冷たい蕎麦だったか忘れてしまう…。天ざるだったかな?えげつないボリュームの蕎麦でお得だけど頑張って食べた。後から来たご婦人も天ざるを頼んでて「ちょっと量多いよ!」と忠告しようかと思ったほど。ゆかぴは何食べたっけ…。

朝蕎麦。

本日のメインイベントはひがし茶屋街での器漁り。九谷焼の良いセレクトの店があるとのことでそこをひとまずのゴールとしてまた苦手なバスに乗る。東茶屋街で降りるとまるで江戸時代のような街並みでフワー!っとテンションが上がった。頭の中で鬼平犯科帳のメロディが流れる。橋から眺める街並みは遠くに現代のマンションと近くに昔の家とあって面白かった。

綺麗な街並み。

ああー来てよかった。ウロウロしつつ公園で一休み。なんてことない公園のようだけどとても綺麗。どうやら目指していたところとは反対に歩いてたようで方向転換する。住宅街を少し歩くと良い感じの古びた店があったので撮った。見知らぬ街の散歩ってどうしてこんなに楽しいんだろう。

くもった窓ガラスと日に当たり焼けた紙袋。

目指していたひがし茶屋街のメインストリーム着。早速九谷焼のお店「宮」へ。確かに可愛い品揃えで目が楽しい!店員さんの器好きが伝わってくる。どれを手に取っても優しい解説や一言を付け加えてくれ愛を感じた。ゆかぴはいくつか目ぼしいものを見つけたが、荷物が重くなるので他の店へ物色しに行く。歩いてすぐ見つけた「喜八工房」は、入るや否やゆかぴのテンションが爆上がり。滑らかで肌触りの良い器。山中漆器を多く取り揃えたお店。またしても店員さんの愛ある解説にゆかぴはどんどん興奮して行く。どれもこれも美しく良いな〜と私も思ったが、何を盛り付けて良いのか分からず購入しなかった。ゆかぴは料理のイメージが浮かびまくっていた様子で沢山の器を購入。さすが女将です。こうして徐々に目を養いながら私自身の生活を見直しながら日本文化を私のペースで取り入れていきたいな、と思った。まず触れること知ることから始めます。

少し歩き疲れたので小休憩、ウイスキーが沢山並ぶ座敷の喫茶店に。私は紅茶とケーキ、ゆかぴは赤ワイン。洋酒天国を発見した!やっぱりこういう小冊子が好き。またマガジン一服を作りたくなってきた。神保町の雰囲気と似ていた。

座ってたところから見える景色。
洋酒天国見つけた〜。

一服した我々は満を持して九谷焼のお店「宮」に舞い戻る。実はさっき気になっていたヤモリの九谷焼をもう一度見る。ピンク色のなんとなく生々しいヤモリが特に気に入っていて、スベスベしてるけどツヤ消しのような肌の質感と、いろいろワチャチャと柄を描かれてしまっていて、でも口はニッコリ笑ってるのが可愛い。家を守るというジンクスでも有名なヤモリを持って帰ることにした。大事そうに包まれているのを見るのも可愛くて買って良かった!!!となった。ゆかぴは安定の大量買い。見てるこっちが気持ち良い。

私のヤモリ、自宅にて。生々しいのに可愛い。

各々のお土産を手にして、もう一軒見たいところがあるらしいゆかぴの道案内で金沢の本当に普通の(しかし豪邸ばかりが並ぶ)住宅街を歩く。親戚の家に遊びに行った日を思い出す。ひっそりと、しかしどっしりとしたお家に辿り着く。入ってすぐに色とりどりの生花が目に入り、器が等間隔に静かに陳列していた。しばらく器を見ていると作礼さんの展示見にいらしたんですか?と奥から慎太郎ママが出てきて案内してもらう。奥に入ると水色と紫の模様が入ったまるっこい器が沢山並んでいた。器たちのあまりの行儀の良さに私たちもいつの間にか正座していた。器はもちろん、室内にあった仏像や生花にも圧倒される。生花は慎太郎ママが生けたらしい。そしてお庭の素晴らしいこと。ゆかぴの目の付け所は本当に凄い。普段からアンテナ張ってないと絶対に辿り着かない素晴らしい場所。私って運が良いなーラララ♪と思った。そういう私の軽さもなんだか面白く思った。世の中には私の知らない沢山の素晴らしいものが日々生きているんだと知ることだけで心が満たされていく。

本当に良い天気の二日間。
あたたかい気持ちになりました。

さて友人に教えてもらっていた鈴木大拙館に私はどうしても行ってみたく、我々は慎太郎ママにいただいたお芋パイ片手にタクシーに乗り込む。金沢のタクシーの運転手さんの距離感が本当にちょうど良い。

仏教哲学者の鈴木大拙の著書や書が並んでいるのを見つつ、露路の庭を眺めるとちょうど夕日が差し込み何か良いことがありそうな気がした。タイミングが良かった。何でもタイミングなのよきっと。水鏡の庭は一定のリズムなのか波紋がたまに広がる。裏山の方も散歩、食べてばかりではあるけど意外と歩いてる今回の旅。水がこんこんと湧き出るところでなんとなく手をかざしてみたりする。体の裏返して内側を隅々まで水洗いしたような気分。

水鏡の庭、夕日が綺麗に影を作る。

禅に少し触れたあとは最後のメシ。タクシーにまた乗り、ホテルで荷物を受け取りおでんを探す。行きたい店はあと30分ほどで開くとのことでその前に一軒行きたいね、と最後まで貪欲に食に執着する。コロナの影響なのかGoogleマップに載ってても閉まっていたりして、トボトボ歩いていたら開いてる店を発見、入ってみようと冒険する。

大将が一人で切り盛りする店はかなりシンプルな内装で、私たちが1組目の客らしく他に誰もいない。なんとなく不安になるけれど、出てくるお料理のどれも美味しいこと!熱燗ならぬ、ぬる燗を頼むと大将が奥から木の箱を持ってきてお猪口を選ばせてくれた。

イカに最近ハマってる🦑
煮物。
のどぐろ!
感動したやつ。
おこわ可愛い。

一人で調理し、お酒を振る舞い、口下手だけどとても親切で、銀杏100%のかき餅はとてもとても美味しく、そしてこれが出来上がるまでの数え切れないほどのトライアンドエラーのお話を聞いて、二人とも感動。特にゆかぴは心に響いてた。酔っ払って泣く二人。でも淡々と話し続ける大将。行きたかったおでん屋には行かず、新幹線の発車ギリギリまでこの店に留まることに決めた。なんなら新幹線の時間ずらそうとしてたけどそれは出来なかった…。割引の兼ね合いとあまりにも時間が迫っていたため。

帰りの新幹線で持たせてくれた銀杏のかき餅をビールと共にパクパク食べる。金沢最高の時間をありがとう…。爆睡。

そして東京帰ってきてもなお名残惜しく謎にゆかぴの家で振り返る会をする。また行きたい、金沢。これにて旅行記終わります。読んでくれた人すごいです!!ありがとうございます♪

国内旅行たくさんしたい。

#わたしの旅行記

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