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お客様の成功に寄り添い、地図の新たな可能性を探る| Mapbox Spotlight Interview #3

2020年3月に合弁会社として設立されたMapbox Japan。まだまだスタートアップですが、その分プロダクトへの熱量が高く、魅力的なメンバーが揃っています。地図の可能性を追求し、地図を使った新しいユーザー体験を実装しようと、日々奮闘するメンバーたちの想いや仕事を覗いてみませんか?Mapbox Japanで働くメンバーに迫る本シリーズ「Mapbox Spotlight Interview」。第3回は、テクニカル・アカウント・マネージャーの尾崎直子が登場。

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【プロフィール】
尾崎 直子 / Naoko Ozaki

日本マイクロソフトにてテクニカル アカウント マネージャーとしてキャリアをスタート。その後 Tableau Software LLC, A Salesforce Company に入社、プリセールス エンジニアとして製品導入、製品の活用支援に携わる。 2021 年 3 月に Mapbox に入社。テクニカル アカウント マネージャーとして Mapbox 製品の活用支援に携わる。

お客様自身でやりたいことを実現できるようにするTableauのプリセールス

Mapboxに入社する前の経歴ですが、最初は2009年に新卒で日本マイクロソフトに入社し、約7年半在籍しました。その中の5年半を今と同じロール名のTAM(Technical Account Manager)をやっていて、残り2年はプリセールスをやっていました。 当時のTAMは今と結構違くて、基本的に障害が起きた時に駆けつけて故障を直すのがメインのミッションでした。

そこからTableauに転職してセールスコンサルタントを勤めました。セールスコンサルタントとは、プリセールスのエンジニアのことです。Mapboxでいうとソリューションアーキテクトに近いですね。

一般的なプリセールスはお客様要件を聞いて、「こういうことが実現できます、ほら実際に出来るでしょ」ってデモを作って説明して終わりということが多いですが、Tableauはデモの後、お客様自身で扱えるようにするというところが比重として大きかったので、お客様にエデュケーションもたくさんしました。結局ソフトウェアは道具なので、それを買うことがゴールではありません。お客様は製品を買って、やりたいことが実現できて、その実現の仕方も分かるし、お客様のビジネスで効果を出せる、というように、一連のお客様の業務を支えていくのがTableauのプリセールスでした。

当時はお客様が特定の機能があるから製品を買うのがメインでした。ただ機能単体で比べたら他の製品にもあるし、やりたい事をやろうと思えば、どの製品でも実現できるようになったんです。そんな中で、一連の導入までの流れであったり、やりたいことがどれだけできるかの実感が最終的に購入につながっていきます。これはまさに今Mapboxが必要としているところだと感じています。

分析ツールの一種類としてのMapboxとの出会い

「Mapbox」の名前を知った理由はTableauでした。Tableauの中で地図の分析をしようとすると、必ずMapboxの地図をデフォルトで使うことになります。最初はOpenStreetMapとかMapboxってなんだろうと思っていましたが、Tableau時代に官公庁のお客様を多く担当する機会がありました。官公庁の世界では、地図を中心とした分析であるとか、地図の表現に頼っていることが多いです。例えば、避難場所に指定されている小学校が人口をカバーしているかとか、徒歩15分で何人が避難場所へ到達できるだろうかとか。もっと簡単なところで言うと、市内のAEDの数はもちろんグラフ化されていて、それに加えて、市内のどこに設置してあって、どういう地域特性があるかを分析するんです。Tableauから見ると地図は分析の一種類でしかないのですが、その一種類に関わることが結構あって、「あれができるともっといいんじゃないか」と思っていたところに、Mapbox Japanの紹介をたまたま受けたのが入社のきっかけでした。

TableauとMapboxで大きく違うと思うことは、Tableauはデータありきでデータ分析をするので、わかる事は過去何が起きていたかです。過去何が起きていて、これから何が起きそうだっていう推測をするためのツールなのです。一方、Mapboxは地図上にデータを置き、今何が起きてるかを把握するための手段だと思うんです。過去の蓄積で何が起きているかっていうことも重要ですが、例えばCOVID-19のシチュエーションでは、いま自分の身の回りで何が起きてるのかっていうの1番把握できる方法はおそらく地図だと思います。

そこから地図に興味を持ち始めました。地図って昔から見ていたものですが、それを売るってどういうことなのかは、今もさまざまなシチュエーションを見て勉強中です。
Mapboxって小さい会社だからこそ、お客様とかマーケットに対してこれをやったらいいんじゃないかって思った時に、制限なくやれるところが良い部分だと思います。大きな会社になればなるほど、あなたの責任範囲はここまでですっていう形で区切られて、それから逸脱するのってすごい難しいですけど、逆にそういう枠はないんで好きにやってくださいってできるのは非常にカスタマーサクセス的な意味合いの中ではすごい良いことだと思うんですね。

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TAMの仕事ー「とりあえず尾崎に聞けばいい」を目指したい

今TAMで何をやっているかというと、お客様のサービスがつつがなく動くようにサポートする部分が大きいです。一方でマップボックスが今後どういうサービスを出していくのかをお客様に伝えることで、じゃあ次にお客様が何をしようって考えるきっかけを与えたり、それを手助けしたり、という部分もあります。理想的にはそれがお客様のアプリやサービスになって、最終的にそれがまたMapboxの成長に繋がるっていう形ですね。あとはお客様がどうMapboxを使うか、数多くあるMapboxのサービスからどれが合いそうかっていうことを伝えてく上では、そのお客様がどんなサービスを持っているのか、お客様が何をビジネスプライオリティにしてるのかの理解も必要ですし、Mapboxにどういう製品サービスがあってどう使えるかの部分も重要で、その両方を頑張ってキャッチアップしているところです。

TAMはアカウントマネージャーって名前がついてる通り、最初にお客様に対面して、お客様の要望によっては他のソリューションアーキテクトやサポートセールスに繋いだり、オーケストレーターのようなイメージです。
お客様と対面する上で難しいところは、お客様はMapboxの人と話すからにはMapboxのスペシャリストだと思ってくれますが、そこがまだ成長中のところなので、期待に応えきれないのが心苦しいところです。でもそれを乗り越えてくと、どの会社でもそうですが、「困ったらこの人に聞いてみよう」となった時に、一番先に私の顔を浮かべてくれると思うんです。それが目指したいところですし、一番楽しい所だと思います。

TAMがつくプレミアサポートは1年契約以上なので、基本的には1年間というスパンでお客様につきます。どうしてもTAM=サポートっていう印象を受けると思いますが、サポートはあくまで一要素です。実際のところは、「お客様に自分たちのサービスを通して何をやってもらうか」、「どうやってやってもらうか」、「リリース後にいかに維持しながら新しいことをやるのか」のように、1年の中でもざっくり三つのパートがあると思っています。

入社後に作った千葉県の水没マップ

Mapboxに入社してテックページは結構読みましたが、元々デベロッパーではないので、テクニカルドキュメントは理解しづらかったです。そんな中で一番理解の助けになったのは、過去作られたデモサイトを動かしてみることでした。自分でテストできる環境もあったので、とりあえず何ができるのかを触ってみて、デモを作れたのは大きいと思います。

国土交通省が浸水被害地域のデータを毎年更新して、どこに被害が出そうかとか、住宅価格の決定などで使っていて、それがShape Fileの形で公表されています。私は千葉県民なので、そのデータを使って「千葉県の水没マップ」を作りました。紫色になってるところが、水面が上昇した場合に水没する場所ですね。私は手順を調べながら作成したので時間がかかりましたが、おそらく慣れている人だったら2~3分で完成できると思います。しかも、これはあくまで土台なので、ここにどう味付けをしていくかは、もっと API を使ってもいいし、 Web ページ側の JavaScript で加工してもいいし、色んな発展性があるなと思います。

マップのピッチを変更して、真上視点以外の表現ができるのもかなり面白いと思います。前までは真上から見ることしかできなかったですし、そういうところは地図はもっとできるんだぞっていう想いはありますね。最近ですと地図の中で霧の表現ができますし、単純にデジタルで地図が表示できるだけじゃないっていうのが一番面白いし、これから成長していける領域だと思います。

Customer Success First - お客様の成功が嬉しい

− Mapbox Japanでは、社内の行動指針として「Mapbox Japan Value」を掲げています。どのValueを一番大切にしているのか、尾崎に尋ねてみました。

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▲ Mapbox Japanで掲げられている5つのValue。

#1 Love your productと#3 Customer Success Firstです。TAMのロール自体がお客様のカスタマーサクセスしてこそだろうって思います。それで、サクセスするための道具が我々のプロダクトなので、やっぱりプロダクトは好きじゃないとねって思います。

また、お客様が嬉しそうにすると私も嬉しいです。これまでやりたくてできなかったことがやれたっていう瞬間って、自分も嬉しいし、見てて一番楽しいと思うんです。自分も最初にIT業界に入った時、周りの人が何を言ってるかがさっぱり分からないっていう状態をかなり長く過ごしてきたので、新しい問題とか新しいツール新しい製品とかになった時に、言ってることがわからなくて不安だっていう気持ちは分かるんです。なので、それをこうするといいよっていうステップを敷いたりとか、あっちの方に行ったらいいんじゃないかみたいなロードマップを示してあげて、お客様と一緒に行っていくっていうのは、昔の自分を助けてるような気持ちになります。

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なんとなく地図を使っている人に地図のすごさを広めたい

私もまだわかってないですが、地図の使い道は他にもきっと色々あると思います。それをお客様と探すのも理想的だと思いますし、あるいはこちらからこういう風に使えるんですよっていう話をするのも面白いと思うんです。今後は地図の新しいジャーニーを作っていきたいと思っています。

一番面白くないのって、今あるものをテクノロジーだけ変えてくださいってことだと思います。そこからプラスαの何かはあまり生まれないじゃないですか。ちょっといいことがあったとか、本当に小さな見た目が変わったとかでもいいのですが、プラスになっていくことがないとやっぱり面白くないと思います。

あと、既にMapboxに関わりがある人は、地図に興味があって地図をどう使えるかを考えていると思いますが、そういう方って世間的に見ると本当にごく一部で、ほとんどの方は「地図を何かに使う」ことを意識したことすらないんです。それを、地図ってもっと簡単にこういうことに使えて、もっといろんな表現に使えると伝えたいです。プレゼンに使ってもいいですし、例えば自分のライフジャーニーみたいなものでも良いと思いますが、そういうことで使えたらもっと面白いと思うんです。Mapboxすごいっていうのは後からついてくると思いますが、地図に対してアンコンシャスな方々に地図って色々できるじゃんというのが、もっと広まるといいなと思いますし、いかに地図すごいって思わせるかがMapboxの大きなミッションなのではないかと思います。

地図って当たり前すぎて、まだそんなに使ってないってことを誰も思ってないと思うんですね。いや意外と別の使い方があるんですよ。というのは多分Mapboxの中にいるからこそ、発信できることなんじゃないかなと思いますし、やりがいでもあります。

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最後に尾崎から一言!


テクニカル・アカウント・マネージャーというロールは単に製品のサポートを行うだけと思われがちですが、Mapbox のテクニカル・アカウント・マネージャーは製品のサポートのみならず、お客様へ地図の活用シーンの提案なども行います。地図という製品を通してお客様のビジネスを一緒に拡大させていくようなイメージです。
何かが起きるのをただ待つだけでなく、地図を通してお客様と何かを作っていこう!という意志のある方のご応募お待ちしております。

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