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奈良県の超進学校(西大和学園高等学校)の先生から連絡があって生徒の前で喋ってきた件

起業する上で、最も驚いたことや辛かったことはなんですか。

 起業自体は、もともとフリーランスのエンジニアとして働いていたので特に違和感なく書類を出すだけでした。社長になることに資格は何も必要ありません。労働基準法なんか知らなくても社長になれちゃいます。それ自体にも驚いたんですが辛かったことは起業ではなく会社を継続させていくことです。

 社長は孤独だと良く言われますが、何故か社員と社長というものは距離が少しずつ離れていきます。会社の銀行からの借入れで大きな借金をしたり事務を1人でやったりしているのに社長だから儲かってるでしょ?みたいに言われます。

 立場が違うだけで、みんなと同じことで笑ったり泣いたりしたいってことがなかなか伝わらないのです。それが一番辛かったなぁ。そしてそれに慣れていってしまうのがもっと辛いかなって思います。


人をまとめるのに大事なこと

 人をまとめるには、誰かには嫌われることだと思います。みんながみんな納得のいく仕組みは難しいのです。離れていく人もいれば、新しく入ってくる仲間もいて人をまとめると言うよりは、「共通の目標を持った仲間を集める」の方が的確かもしれません。

 まとめようとしてまとまらない。そういうリーダーポジションを一度経験してみると良いかと思います。そうするとサブリーダーのポジションをメチャクチャ有能にこなす人材になれます。そこから共通の目標を設定して自分が率先して動けるリーダーになれるのでは?


メイプルシステムズは実力主義で外資系企業のような印象。他の企業が真似しないのは何故でしょうか?

 同業者はメイプルの同じ仕組みを取り入れてきたところはあります。給与テーブルの仕組みは各社取り入れているようですよ。最近、中小企業診断士の勉強をしているのですが、他社との違いを出すことで先行利益を守るべきだと学びました。

 そして真似できる部分と、そうではない部分をしっかりと認識し、長所を伸ばしていくことだということです。では、メイプルの長所はなんなのでしょうか。それはボク自身がエンジニアであることと、バックオフィスに精通していること、社内に会計士を抱えていること、顔出しでSNSをやっていることかなと思います。

 もっと積極的に発信していき、それがタイムラインで流れてしまわないように動画やコンテンツで残していく必要があると考えています。


会社として生き残るためにいちばん大事なこと。

 「全てに逆張りを」のキャッチフレーズのように、世間で当たり前だと思われていることを把握して、それとは違う発想を考えることです。

 

離職率100%を打ち出して、実際どれくらいの成果が出ましたか?

 離職は減り、入社が増え、会社の規模は最大時で3倍になりました。採用費用は他社が1人採用するのに50万かかるのに対して、メイプルは採用費用1万程度まで抑えることが出来ていました。

 採用費用を抑えるとエンジニアに還元することが出来ます。良く分からんお爺さんたちの給料に自分の売上げを払いたくないんですよ、みんな。フラットな組織でオープンな働き方で、いつでも集まっていつでも転職していくような、そんな会社になっちゃうのです、離職率100%とか言ってるのに。


コンサルが話題の職種としての地位を保てるのはいつまでだと思われますか?

 いわゆるAIに仕事を奪われる職種に該当するかと言う意味では、想像力、発想力の必要な仕事ではあると思うので、ずっとあり続けるんじゃないでしょうか。

 例えば多数決の仕組みを考えてみてください。あれは誰かに依存して責任の所在を分散する仕組みです。日本では当たり前のように多数決を使いますが、誰かの意見を聞くことで責任逃れをしようとする日本では少なくともしばらくあり続ける仕事な気がします。


これから何を目指して何をしようと考えているのか

 これからは農業法人を作り綺麗な水と肥沃な土、なだらかな傾斜地ならではの日照条件を活かして、熊本で海外向け農作物を生産したいなと考えています。

 そのために熊本のどこかの市で市議会議員になり、行政からの働きかけで海外向け農業組合を作ったりブランディング施作を進めて、儲かる農家を地方創生の一つとしてみたいなと思います。

 もちろん市議会議員になるからには、自社への利益誘導も欠かせません。というのは冗談でもありません。「ウチの会社にも利益ちゃんと出して欲しいから、こういう取り組みをしたい!」って録画でもしながら発信していきたいなって思っているくらいです。


これまでの事業とは全然違うことをしようと思ったきっかけ

 同じことをやり続けると飽きてきちゃうってのもありますが、仕組みの改善をするのが、とても好きなので違う業界の仕組み改善をしてみたいなと思ったからです。

 どう考えても非効率なことをしている業界もあって、IT化だけではなく、ちょっとしたやり方やブランディングで改善することも多いのではないかなと考えています。


今の時代で成功するために大事なこと

 ボクら自身も成功しているわけではないですが、一番大切なことは今の時代ではなく、少し先の時代がどうなるのかを見ていく必要があるのかなと思います。

 例えば日本は高度経済成長も終わってしまい、今後は人口がどんどん減っていく時代です。労働力が失われていくとき、必要とされるものは何なのか機械を使ったオートメーション化なのか、海外からの労働力の受け入れなのか、円安の時代にそもそも出稼ぎに来てくれる人なんて増えるのだろうか、多角的に分析していく必要があると思います。


SNSでの社長はとてもラフですが、現実でも接しやすいのですか

 なっちゃんが回答:そのまんまです。なんならSNSの方がちゃんとしていると思います。


望月さん自身が当たり前の社長にならないように気をつけていることってありますか?

 常に勉強することを続けています。8月までは社会保険労務士の資格試験に向けて結局1500時間くらい勉強しました。いまは中小企業診断士の資格試験に向けてスクールに通い始めました。合格までに800時間くらいは必要って言われているので、まぁそれくらいはやってみようかなと。

 外注といって、他社に頼めば良いんですけどね、他社の人間が見てああやれこうやれって決められたことで会社の経営が良くなるとは思わないんです。

 起業して自分で経営するってそういうことじゃない。責任も重くなるけど、せっかく自分の思い描く経営ができるのに、何でもかんでも専門家に依頼するのは違うんじゃないかなと思っています。


メイプルシステムズという名前の由来を教えて下さい。

 最初の嫁さんとの子供の名前が「かえで」ちゃんだから。2番目の嫁さんが名刺のデザイン作ってくれて、3番目の嫁さんが望月なのでボクはいま望月です。



 みたいな内容で話してきました。途中の休憩では会計士の石岡くんがワークショプを開いてくれました。2個のB/Sを出して、どっちがどっちのB/Sでしょう?っていう問題。

 アタマの良い高校生だったから、すぐに議論を始めて億することなく質問、自分たちなりに知らない事でも理論を組み立てていくのは流石だなと思ったのです。ボクももっともっと勉強しないといけない。

 自分の娘と同年代の子たちに教えられることも多くてビックリもしましたが、嬉しくもありました。また頼まれたらいつでも講演したいな。

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