ローカル線のうた

スマホを耳に当てて微笑む女
幼い顔立ち
華奢な足首に擦り切れたスニーカー

たそがれどきに目を細め、バックパックを背負った少年

この人は一体どんな声でどんな風に話すのだろうか

そしてどこから来てどこへ行くのか

しばらくこの電車に乗っていると

この人を知っていたような気になる

この人と一緒にずっと、どこまでも行けるような気がする

というまぼろしに時を泳ぎ
現実に降り立つ

#ローカル線
#詩